漢方談話 (埼玉県日高市にあります漢方専門薬局 環のブログです)

フェルデン グループ稽古第三月
個人稽古 第四金
営業時間:10時~16時

きみの後ろにいつもいるよ という言葉に弱い  筑前煮 

2015-04-09 21:38:54 | 春の野菜料理
愛するみなさま こんばんは

続・はじめてであう小児科の本 を読んでいました。
とっても面白い本でした。

その中に、第七回、バルーン 私の赤ちゃん対象エッセイ童話部門の部門賞に
輝いた作品が載っていました。

今日は泣かせますよ、みなさん。
ハンカチのご準備を。

以下です

******************
「父さんから洋平への手紙」



洋平。おまえが生まれる時、父さんは病院の廊下でずっと祈っていた。
元気でありますように。できれば大きく生まれますように。
ーーーおなかにいた時、小さめと言われていたから。
丸1日母さんは苦しんで出てきたおまえは三千七百グラムもある大きな男の子で、
赤い手足を元気いっぱい動かしていた。
父さんは親になれた幸せにどっぷりつかって、やがてそんな平和になれていった。



お宮参りを予定していた日に、おじいちゃんたちが風邪をひいて、1ヶ月のばすことにした。
そして、もうすぐそのお宮参りって日に、おまえは風邪をひいた。
熱もたいしたことはない。元気もまぁある。だけど、一応病院へ行っとけよ。
父さんは母さんにそう言いのこして、会社へ行った。 育児は母親の仕事、そんな風に
思っている父親だったんだ、父さんは。
その母さんから会社へ電話が入ったのは、それから数時間後。
多分入院して精密検査することになると思うから、午後大きな病院を予約して、ということだった。
そんなに風邪が重かったのか、と思った。だけど、母さんが言うには、風邪は風邪、それより
別の大きな異常があるらしいの、と言う。涙声だった。
翌日からの研修合宿をひかえ、いそがしいさなかに会社をとびだした。そして、机もそのままに、
数日休むことになったのだが・・・・・
入院し、いろんな検査をすることになった。おまえは、七万七千人に一人しか生まれない病気を
持った子だった。父さんも母さんも風邪さえひかないくらい健康なのに・・・・
この先、どの程度になるのか・・・。医師は言葉をにごした。母さんはショックで歩けなくなった。
そこらじゅうでゲェゲェ吐いた。
その日、一旦家に帰らされた父さんと母さんは、ワインを飲んだ。
これから病気と闘う私たち親子に乾杯!愛しい長男に乾杯!
重い病気を持ちながら、それでも父さん母さんにあいたくて生まれてきたおまえを、
今まで以上に愛しく思った。



父さんと母さんは絵が好きだ。描く方ではなく、観る方だけど。でも案外、洋平はステキな絵を
かくかもしれないね。知恵遅れの山下清、弱視の棟方志功、最近はもっとたくさんの人が、
ハンディをおして絵をかいている。
そんな父さんと母さんの夢は眼科医の言葉でくずれていった・・・・。
「見えてませんね」
視神経が弱いのだそうだ。
でも洋平、見えなければさわればいいんだよ。動物も植物も地面も水も。父さんと母さんの顔も。



コンサートに行こう。母さんが急に目をかがやかせて言った。
いっぱいいっぱいコンサートへ連れて行って、胸の中、いい音楽でいっぱいにしてやろうよ。
だけど、今度は耳鼻科医の言葉。
「聞こえてませんね」
こうしておまえは、人間の機能を1つずつ打ち消されていった。
愛らしい姿。キラキラした見えるような瞳。バラ色のホッペ。大きな手足。だのに・・・。



そんな時、ふと考えた。この世の中で、超能力者なる存在が身近にあったなら、きっと奇異に
見えるよう、世界中の人が盲人ならば目の見える人は奇異だろうなって。
世の中、能力が多い方が”普通人”の地位を得るのではなく、ようするに多数決なんだなってこと。
少数派が悪いわけじゃぁない。
どんどん難しい話になってしまってごめんよ。
・・・・と言っても、どんなに簡単に書いたって、おまえにはまだわからないね。いいんだ、
この手紙、父さんが読んでやるから。おまえがわからなくても読んでやるから。
これが父さんからおまえへの1歳のバースデープレゼントだ。1年をふりかえり、また
新たな1年へ踏みだす儀式だ。
1年たって、だいぶ成長したよな。耳がよくなった。目だって、見えてる気がする。
何より心がずっと成長した。
何も持たずに生まれてきたと思ったのに、とびきりステキな心が、一年で、あまえの色、
不快の色、楽しい色、いろんな色に染められた。
体はもちろんでっかくなった。生まれたての頃、この子はラグビー選手にすればいいなぁって
言ってたっけ。今でもそんな体してる。だけど、誰もそんなこと言わない。歩くことさえ
難しいであろう洋平に、誰がそんな夢を持つだろう。
歩くことさえ無理・・・ううん、洋平。おまえは走るんだ。何年かかってもいい、
何十年かかってもいい。走るんだ。どんなに遅くたっていい。世界中で1番ビリってことは
けっしてない。父さんが必ずおまえのうしろを走ってやる。父さんがビリになってやる。
どんなことでも挑戦しよう。必ず、必ず父さんがうしろにいてやる。
父親ってものは子供のお手本として、前へ前へと進んで行くものだときいたことがある。
だけど一人くらいこんな父親がいたっていいだろう。
父さんはうしろにいる。つかれたら、よっかかっていい。時にはあともどりしていい。
ゆっくりゆっくり進んで行こう。



洋平。おまえの名前、父さんが考えたんだ。おまえが生まれるちょうど1ヶ月前、ベルリンの壁が
なくなった。だから”平和”という意味をこめた名前にしたかった。そして”洋”は海という意味。
海のように広い広い人間になってほしかったから。
海のように大きい夢、持ってみようよ。いつかは歩ける。いつかは走れる。夢を持ち続ける限り、
可能性は消えることがない。



洋平。がんばろうな。
それから、洋平。ありがとう。
父さんと母さんの子供としてうまれてきてくれて、本当にありがとう。
そして、ハッピーバースデー。

平成二年十二月九日 父さんより
洋平へ

*************:



この作品が載っていた 本
「続、はじめてであう小児科の本」を書いているの 山田先生も
三人のお子さんのうちお一人が障害を持ったお子さんなのだそうです。

そして、障害をもっていても生きやすい世の中になるように活動されてらっしゃるのも
かっこいいな~って思いました。

背が高い人は、この学校には入れません
というのがないように
誰にでも自由な選択肢が与えられ、
苦手なことは得意な人がカバーしあえる世の中になっていったらいいなぁと
思います。

最近取り扱わせていただけることになった
手絞りの靴下、ダウン症の方々の作品です。



こちらも、ありがたいことに大変ご好評いただいております。
一度お使いくださった方が、すごく良かったから
プレゼント用に と、お買い求めくださる方も何人か
いらっしゃって、嬉しい限りです。

そんなわけで、第一弾は残り少なくなってきましたので

第二段の発注をしました。

ありがとうございます!

**************

一昨日の夕飯です



筑前煮
きゃべつの豆腐サラダ
酢蓮
7分づきかまどごはん
納豆

柳田ファームさんの、立派なれんこんで
筑前煮と酢蓮を作りました。
これは、れんこんですか?というくらい
ほっくほく!
おいしかったです。

れんこんには、たくさんの作用があります
乾きをとめて、うるおすので
肺をうるおします。乾燥した咳にもいいですね。
血液の熱を冷やします。先日生理が早くする条件の一つ
溶岩のイメージと書いたものですね、そういうタイプにもいいんです。
血流をよくします。生理が遅くくる方にもいいですね。
胃腸も元気にして、下痢もとめます。

守備範囲が広いですね~