平成21年の歌舞伎座さよなら公演の一つであった名舞台を玉三郎が自ら監修した映画です。
ベートーヴェンでもうほかの感動が入らないくらいの私のキャパで、週末の京都行を控えて膝の調子がやっぱりそう簡単ではなく、昨日は家で京都のスケジュールを立てていました。私という体と頭のチームを引っ張っていくのは大変です。全く動けない時もあります。
それでも明日で最終回のシネマ歌舞伎は三島由紀夫作のおとぎ話を見てみたくなりスケジュールを組みなおして出かけました。明日のヨガを止めて、今日最初星岡に行こうと思っていたのを明日に変更、金曜日は旅行前で家の片づけや準備に充てることにしました。宿と切符を取ってしまった後での緊急事態宣言ではもう気を付けて行くしかありません。突然の発令で飲食業や旅行業者はまた混乱の中です。もっと前から見通しを立てて政策を実行できないものかと思います。
先週の日曜日が最後だった根津美術館での茶道具展は行きそびれましたが、会期が長い東博の聖林寺十一面観音像は絶対見逃せません。
東劇まで行って、初めてのシネマ歌舞伎。今月と来月は歌舞伎座で玉三郎の公演がないので、歌舞伎勉強中の私にはちょうどいいツールです。
映画の最初に玉三郎さんのお話があり、三島由紀夫との出会いとか勘三郎さんとの演技について語っていました。まだ十代のころ、三島に見いだされていたのですね。この演目で又歌舞伎という演劇の幅広さを感じました。そしてとてもリアルな演技なのです。お化粧の下からその人がにじみ出ます。舞台だとわからない表情がはっきりわかり歌舞伎のものすごさを感じることになりました。そして中村勘三郎(先代)の素晴らしさ。そのチャーミングな人柄が出ているようにかわいいのです。亡くなられてだいぶ経ちますが、もっと早く歌舞伎の世界を知ればよかったなーと思いました。でもその頃は年に数回のコンサートにやっと行ける状態の看護と仕事で大変なころでした。すごい歌舞伎役者がいたものだと今さら遅いのですが、驚きました。
籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)、刺青奇偶(いれずみちょうはん)、ふるあめりかに袖はぬらさじ など勘三郎と玉三郎、仁左衛門の出演するシネマ歌舞伎で見ることができるのでこれから先も楽しみです。
母が玉三郎って老けた役とかがいいって言っていたことがありました。「刺青奇偶」の病人役などもまた違った玉三郎を見ることができそうです。母は観劇とか全く無縁の人でしたが、老後は友人とよく都民劇場の演劇サークルでいろいろ見に行っていました。若い頃はほとんど遊ぶことなどない人でした。家にいた祖母は私がまだ小さい頃、一人でよく歌舞伎を観ていたそうです。母も最後はやっと自分のことができるようになったみたいだったと思い出されました。母とその友人は同じころ亡くなり、きっと天国で一緒に遊んでいることでしょうと親戚の方からお手紙をいただいたことがありました。
三島由紀夫がこんなピュアで楽しい世界を書ける人とは思いませんでした。涙が出るほど笑ったのは久しぶりでした。70過ぎて日本の古典芸能を観始めて、発見が多いのは、今まであまりにも知らなかったせい・・ 伸びしろがたくさんあるのも悪くないですね。
映画を見た後で、銀座麒麟で静かなランチ。
ずいぶん前に生まれ変わった交詢ビルの前です。
帰り道に家の近くで
高いところに赤い花をみつけ何かと思ってよく見たら百日紅で、もう夏なのかと思ったのは先週末だったかしら?
下の方にももうこんなに咲いていました。
暑い夏がまたやってきます。
イイギリの花がたくさん落ちていました。
July 14 2021 Ginza & on the way home
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