Reflections

時のかけらたち

世界バレエフェスティバル(追記あり) ・・・ the 15th world ballet festival

2018-08-09 23:52:55 | art
昨日は長崎に原爆が投下された日。職場でも放送が入り、11時2分に1分間の黙禱。
核兵器、原子力そのものの廃絶を願う。

翁長沖縄県知事の死のニュースはショックでした。名護市辺野古移設に絡む埋め立て承認の撤回の
遺志を継いでいてほしい。
話は違うけど津川雅彦が78歳で亡くなりました。あのとんでもないボクシング連盟の元会長も78歳です。
津川雅彦は病気のせいで年より老けていましたね。78歳で死ぬということを考えると私も時間が
ほんとうにないです。死が本当に近くにいることを感じるこの頃です。






何時もならあまり気に止まらないこの3年ごとに開催されるバレエフェスティバルの案内を見て、
久しぶりにアレッサンドラ・フェリを見たくなり、急遽チケットを手配しました。
バレエフェスに行っていたのもまた30年以上も前のこと。ジョルジョ・ドンがいた時代。
フェッリもそのころから出ていて、そのドラマチックな表現にドキドキしたものでした。
30年たっても変わらない姿でした。パトリック・デュポンなんてもういいおじいちゃんに
なっているのに。会場で1970年からのフェステイバルの写真集を売っていて、
販売していた舞台芸術振興会の女性と昔話をして、今のデュポンの写真を見せてもらいました。
フェスティバルの創始者の佐々木さんも2015年に亡くなっていたのね。
家に残っているフェスティバルのプログラムは第4回1985年のものでした。その回の前にも行っています。
バレエのコンサートは観客も華やかで、その時、ロビーにマダム花井の花井幸子がいたのを覚えています。
ジル・ロマンもそのころだったかベジャールバレエ団の公演でよく見ていました。今回は佐々木さん追悼の
ガラコンサートにだけ出演予定です。




最初の眠れる森の美女から感動。バレエってそうこういう音楽との総合芸術で
人間の体の美しさを思い出しました。

ベジャールのバレエで音楽を視覚的に表すものと思っていたけれど
クライマックスの連続のこのコンサートで、青い地球上の男女のダンスが多く
男と女が引き合い、反発しあい、そしてまた近づくみたいな感情のもつれを
表現したり、ドラマチックな表現もありました。





シンデレラやロミオとジュリエットの音楽のプロコフィエフはやっぱり素晴らしい。
それに振付けるマクミランの滑らかな体の動き。
マノンもマクミランの振り付けでしたね。
ロミオは初めて見たバレエ。ボリショイバレエのナタリア・ベスメルトノワが妖精のようでした。



黒鳥のパドトゥは最初のこのフェスの見せ場でした。やっぱりバレエって楽しい。
チャイコススキーのバレエ音楽。
そしてさらに大喝采を浴びたロミオのロベルト・ボッレ。
涙がたまってきてしまいました。若いころに見た初めてのバレエ「ロミオとジュリエット」は特別です。
人と人を結びつけるものってなんだろう。若い愛の物語。今見てもその世界に
引き込まれます。あのころの一途な思い。
ヌレエフも感情表現の豊かなダンサーでしたね。


なぜかTがずっと近くにいることを感じながら見ていました。
最近とても近くにいる主人です。ブルーのことばっかり思っていましたが。
確かNHKホールでやったベジャールのバレエ団の公演に一緒に行ったことが
ありました。ドンは亡くなる前にニジンスキーを踊って、池袋の芸術劇場に
そのころ織を習っていたらせん工房の人たちと一緒に行きました。
ボリショイバレエ団のロミオとジュリエット、白鳥の湖、、ヌレエフが出ていたジゼル
そのあとでのベジャールが私のバレエ時代のピークでした。ジョルジョ・ドンの死とともに
バレエの世界から遠ざかりました。アダージエット、春の祭典、そして魔笛と素晴らしい
作品を生み出していったベジャール。もちろんボレロも。





フェリの表現力はただただ素晴らしいと言えるだけ。言葉が見つかりません。
ブラボーが鳴りやまなかったです。

その次のラストは華やかなドン・キホーテでキトリのきびきびしたダンスと男性ダンサーの
高いジャンプ。ブラボーの嵐でフェスティバルは幕となりました。
6時開始で10時半頃終了となり、名場面の連続で楽しい余韻が残りました。



【第15回 世界バレエフェスティバル】Bプログラム 8/9(木)

― 第1部 ―

「眠れる森の美女」

振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オレシア・ノヴィコワ
デヴィッド・ホールバーグ


「ムニェコス(人形)」

振付:アルベルト・メンデス
音楽:レムベルト・エグエス
ヴィエングセイ・ヴァルデス
ダニエル・カマルゴ


「ソナチネ」

振付:ジョージ・バランシン
音楽:モーリス・ラヴェル
レオノール・ボラック
ジェルマン・ルーヴェ


「オルフェウス」

振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー、ハインリヒ・ビーバー、ピーター・プレグヴァド、アンディ・パートリッジ
シルヴィア・アッツォーニ
アレクサンドル・リアブコ


ローラン・プティの「コッペリア」

振付:ローラン・プティ
音楽:レオ・ドリーブ
アリーナ・コジョカル
セザール・コラレス

― 第2部 ―

「シンデレラ」

振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ドロテ・ジルベール
マチュー・ガニオ


「HETのための2つの小品」

振付:ハンス・ファン・マーネン
音楽:エリッキ=スヴェン・トール、アルヴォ・ペルト
タマラ・ロホ
イサック・エルナンデス


「白鳥の湖」より 第3幕のパ・ド・ドゥ

振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アシュレイ・ボーダー
レオニード・サラファーノフ


「椿姫」より 第2幕のパ・ド・ドゥ

振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
アリシア・アマトリアン
フリーデマン・フォーゲル


― 第3部 ―


「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ

振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
メリッサ・ハミルトン
ロベルト・ボッレ


「ジュエルズ」より "ダイヤモンド"

振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ミリアム・ウルド=ブラーム
マチアス・エイマン


「マノン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ

振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー


「アポロ」

振付:ジョージ・バランシン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
サラ・ラム
フェデリコ・ボネッリ


「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ

振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
アンナ・ラウデール
エドウィン・レヴァツォフ


― 第4部 ―

「じゃじゃ馬馴らし」

振付:ジョン・クランコ
音楽:ドメニコ・スカルラッティ
編曲:クルト・ハインツ・シュトルツェ
エリサ・バデネス
ダニエル・カマルゴ


「ヌレエフ」より パ・ド・ドゥ

振付:ユーリー・ポソホフ
音楽:イリヤ・デムツキー
マリーヤ・アレクサンドロワ
ウラディスラフ・ラントラートフ


「アダージェット」

振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:グスタフ・マーラー
マリア・アイシュヴァルト
アレクサンドル・リアブコ


「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ

振付:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アレッサンドラ・フェリ
マルセロ・ゴメス


「ドン・キホーテ」

振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
マリア・コチェトコワ
ダニール・シムキン


指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル(「ソナチネ」「椿姫」)


   

追記)
Alessandra Ferri ミラノ生まれ 55歳
確か日本でも引退公演をしたと思っていたところ、調べたら2007年に引退。
そして2013年に復帰。ABTでロミオとジュリエットを苦も無く踊るとNY Timesで
絶賛されていました。フェッリの持つ空気感、マノンとかうたかたの恋の一部だけ
若い時に見ましたが、演技力というのでしょうかヌレエフと同じ表現力です。

今回は出演者に懐かしいフェッリの名前をみつけ急遽残っていたチケットを買うことができましたが、
ガラコンサートは残念なことに売り切れています。バレエ・フェスティバルの創始者佐々木忠次氏の
追悼ガラです。
フェッリは来年の夏の「ロベルト・ボッレ アンド フレンズ」に出演するようです。
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2 コメント

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失った時間 (月うさぎ)
2018-08-11 12:14:53
カンカンさま
バレエという極上の喜びを、お過ごしになられたのですね。それも、名場面が次々にくり出されるとなると、ひとしおです。
30年の時間を埋めた、とおっしゃっていられましたが、埋めるというよりご自分の力で時を引き寄せたように感じました。
失った10年間を、どのように取り戻そうか、と考えていました私にとっては天啓のように思えました。
時を巻き戻すことは出来なくても、引き寄せて行動することは出来る。
また、訳のわからないことを書いています。
でも、バレエという世界がカンカンさまの中に響いたことが、伝わってきて、私の心も失った自分の時間に対して共鳴しました。
ありがとうございました。
このコメントは、訳わからないと、笑ってお忘れください。

あと、バレエと能について少し考えてしまいました。
返信する
失われた時を求めて (カンカン)
2018-08-11 23:36:59
わかるような気がします。
引き寄せるという言い方があっているかもしれませんね。
何かのヒントになって嬉しです。私も整理できます。

音楽を目に見える形で表現するバレエが最高の芸術と思っていた時代がありました。また再びそれに触れることができ同じように感動できたことはうれしかったです。
ガラコンサートが最終日にあり、スペシャルな感じがしますが、すでに完売です。フェスティバルは毎日やっていたので、空き席もありましたが・・ そこのプログラムにプルーストの作品から「失われた時を求めて」が入っていました。

バレエと能は真逆のような感じがします。
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