経営の学習も面白くなってきた。このテキストは、東芝の土光敏夫氏の語録である。メザシの土光さんだ。全部で百の文章にまとめられている。私、理論的な話もいいが、このような具体的な話が好きだ。
経営の行動指針―土光語録 | |
本郷 孝信 | |
産能大出版部 |
以下、私が、これは、と思ったものを幾つか紹介する。著作権もあるだろうから、要約を書く。矢印以降は、私の文章だ。
①組織は上下の雛壇ではなく丸い円だ。→つまりトップを中心に同心円状ということ。
②顔を見たらコミュニケーション、廊下のすれ違いでも書類1枚分のコミュニケーションは取れる。→その通りだ。これ広めたいな。
③成果が上がったら報告するのではなく、報告するから逆に成果も上がってくる。→良い情報は上がりやすいが、悪い情報はなかなか上がりにくい。報告するとは勇気がいるという。報告に勇気がいるとは、初めて聞いた。悪い報告は、しにくいという意味か。
④人はいつも不足気味にしておく、そうでなければ人は育たない。→土光さん、厳しいねえ。
⑤穴を深く掘るには幅がいる。→実際はその通りだが、人材育成のことを言ってる。深く狭い人材より、専門は深く、その周辺分野もある程度知っている人材が良い、というようだ。その通りと思う。うまい表現だな。
⑦書類はいくら積み上げても業績とは関係がない。→米国の石油会社から聞いた話と言ってる、これも言い得て妙だ。
土光さんは、メザシしか知らないが、経営のプロだ。ほとんどがいまでも通じる内容だ。このテキストは、大学を卒業しても使えそうな書籍だ。良い本に巡り合ったと思う。お薦めですよ。