日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 (ちくま新書 905) | |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
尖閣・竹島問題をどうしたらいいか、と思って読んだ書籍だ。しばらく前、日本橋の書店でベストセラーになっていた。著者は元外務省の国際情報局長だ。
いろいろ書かれているが、要旨は、領土問題は、すぐナショナリズムが燃え上がるから、簡単には解決しない。とにかく戦争にならないような仕掛けを作っておく。そして領土問題を棚上げして、経済協力などに力を入れること、だそうだ。
私は「ローマ人の物語」を全巻読んだが、ここから尖閣問題の解決策が見えてくる。歴史の教訓は、ある時代はこちらの国のもの、ある時代はあちらの国のもの、と領土は変化する。またこの期間が変化するまで数百年かかることも珍しくない。そして変化はほとんど戦争である。戦争はなくならない。歴史が物語っている。戦争と戦争の期間が長い戦争ほど国民にとってはよい戦争だったんだじゃないかと、作者の塩野七生氏は語っている。
尖閣でいえば、江戸時代は中国のもの、明治以降は日本のもの、のようだが、領土問題は、息の長い話なのだ。 もっとも江戸時代の文献は日本、中国どちらともとれるものもあり、国際法などなかったから中国のものというのは怪しいが。
今の日本人にはまた戦争が起こると思ってる人は多分いないだろうが、歴史では必ず戦争は起きている、数百年の単位だが。結論は、次の戦争が起こるまで、百年やそこらは、領土問題は棚上げするのが一番のようだ。