ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books) | |
楠木 建 | |
東洋経済新報社 |
先日、夕学五十講で、楠木建氏(一ツ橋大学教授)の講演を聴いた。氏は「ストーリーとしての競争戦略」という本の著者である。
内容は、優れた戦略とは「思わず人に話したくなるような面白いストーリー」だ、戦略を構成する要素がかみ合って、全体としてゴールに向かっていくイメージが動画のように見えて来る。全体の流れが生き生きと浮かび上がってくる。これがストーリーがあるという。
例として挙げたのは、マブチモーターの競争戦略。昔モーターは、注文生産だった。ある製品やおもちゃやを作るのに、メーカーはこの製品にあうモーターを作ってくれ、とマブチ注文し、マブチモーターは1つづつ、その製品に合うようなモーターを作っていた。
ここでマブチは競争戦略を練る。モーターの規格を統一して、逆に、メーカーの製品は、規格化されたスペースをモーターのために空けておくようにお願いした。そして規格化されたため、マブチはモーターを安く大量生産できるようになった。さらにコストを下げるため早くから東南アジアで生産する体制を作った、というものである。
氏の講演は話が歯切れがよくて聴きやすい。実に慣れていような講演だった帰りにその本を購入、2,800円ちょっと高い、まだ、全部読み切れない。いつか読めるだろう。