宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「あなたがあの時」-高良朱香音さん(沖縄県立首里高等学校3年)ー「平和の詩」

2020年06月24日 | 若い世代の未来社会論

 沖縄戦から75年の節目の年、反戦・平和の思いに包まれた23日の「慰霊の日」。「曽祖父が平和の礎に刻銘されているという比嘉藍夏さん(43)は『娘にもみせたくて』と小学5年生の娘を連れてきていました。『辺野古の基地は絶対造ってほしくない』と語る比嘉さん。『戦争はいやと言っている娘の気持ちを育てたい。問題解決には戦争じゃない方法がいい』と述べました」(「しんぶん赤旗」24日付)

 玉城デニー沖縄県知事は「平和宣言」の冒頭で次のように呼びかけました。

「戦争終結75年の節目を迎えようとする今日、私たちは、忌まわしい戦争の記憶を風化させない。再び同じ過ちを繰り返さない。繰り返さないため、沖縄戦で得た教訓を正しく次世代に伝え、平和を希望する『沖縄のこころ・チムググル』を世界に発信し、共有することを呼びかけます」

 23日の沖縄全戦没者追悼式で高良朱香音さんが朗読した、「あなたがあの時」(全文)を紹介させていただきます。

「懐中電灯を消してください」

一つ、また、一つ光が消えていく

真っ暗になったその場所は

まだ昼間だというのに

あまりにも暗い

少し湿った空気を感じながら

私はあの時を想像する

あなたがまだ一人で歩けなかったあの時

あなたの兄は人を殺すことを習った

あなたの姉は学校へ行けなくなった

あなたが走れるようになったあの時

あなたが駆け回るはずだった野原は

真っ赤っか 友だちなんて誰もいない

あなたが青春を奪われたあの時

あなたはもうボロボロ

家族もいない 食べ物もない

ただ真っ暗なこの壕(ごう)の中で

あなたが見た光は 幻となって消えた。

「はい ではつけていいですよ」

一つ、また一つ光が増えていく

照らされたその場所は

もう真っ暗ではないというのに

あまりにも暗い

体中にじんわりとかく汗を感じながら

私はあの時を想像する

あなたが声を上げて泣かなかったあの時

あなたの母はあなたを殺さずに済んだ

あなたは生き延びた

あなたが少女に白旗を持たせたあの時

彼女は真っすぐに旗を揚げた

少女は助かった

ありがとう

あなたがあの時

あの人を助けてくれたあかげで

私は今 ここにいる

あなたがあの時

前を見続けてくれたおかげで

この島は今 ここにある

あなたがあの時

勇気を振り絞って語ってくれたおかげで

私たちは 知った

永遠に解かれることのない戦争の呪いを

決して失われてはいけない平和の尊さを

ありがとう

「頭 気をつけてね」

外の光が私を包む

真っ暗闇のあの中で

あなたが見つめた希望の光

私は消さない 消させない

梅雨晴れの午後の光を感じながら

私は平和な世界を創造する

あなたがあの時

私を見つめたまっすぐな視線

未来に向けた穏やかな横顔を

私は忘れない

平和を求める仲間として

(「しんぶん赤旗」より転載させていただきました)

 


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