日本共産党の志位和夫委員長は、9日の日中韓首脳会談での安倍首相の対応を厳しく批判しました。
志位氏は、「安倍首相の立場は、『ともかく、『非核化』と『圧力を最大限に』という極めて特異な立場で、この一点張りだと指摘。 『安倍首相のような立場に固執していくと、今後の事態打開の上で日本が足を引っ張るだけになるということを率直に指摘しておきたい」と強調しました。(「しんぶん赤旗」5月11日付)
その後、米朝首脳会談を6月12日にシンガポールで開催することを、トランプ米大統領が発表しました。 トランプ大統領は、「全世界の未来の平和と安全保障のため、金正恩に会う」「日本、韓国、中国、みなにとって重要だ。 極めて大きな成功を収めると思う」語りました。
米朝首脳会談の開催事態が危ぶまれていた中で、史上初めての米朝首脳会談が正式に発表されたことは、世界史の新たな展開が始まろうとしていることを実感させられます。
こうした、平和に向っての大きな世界史的な転換の時点に立って、この流れを評価できず、戦争法制の整備、侵略的軍事力の大増強、そして憲法9条改悪に突き進んでいる安倍首相の「特異な立場」が際立っています。
その一つの根拠として、私は、今国会に対する、安倍首相の「施政方針演説」を思い出します。 安倍首相は、「北朝鮮問題への対応」として次のように演説しました。(2018年1月22日)
「北朝鮮の核・ミサイル開発は、これまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後、最も厳しいと言っても過言ではありません。~(中略) 北朝鮮に政策を変えさせるため、いかなる挑発行動にも屈することなく、毅然とした外交を展開します」
「3年前、私たちは平和安全法制を成立させました。北朝鮮情勢が緊迫する中、自衛隊は初めて米艦船と航空機の防護の任務に当たりました。 互いに助け合うことのできる同盟は、その絆を強くする。 「皆さん、日米同盟は、間違いなく、かつてないほど強固なものとなりました」
安倍首相は、北朝鮮の核・ミサイル開発の暴挙を最大限に悪用、口実にして、安保条約の枠組を超え、いつでもどこえでも日米共同で軍事行動が可能となる新ガイドラインに合意し、その実行法として憲法違反の安保法制=戦争法を強行したことを”大成果”として自慢したのです。 これこそ、安倍政権の”外交の正体”ではないでしょうか。
韓国の文在寅大統領は、「読売新聞の書面インタビュー」の中で、日本の役割について次のように答えています。(「読売」紙 5月8日付)
「日本は、朝鮮半島の平和と繁栄のためにとても重要な役割を果たすことができる。 完全な非核化の達成に向けた韓日米の連携、北朝鮮の体制の安全を保証するための日朝関係正常化など、さまざまな面においてそうであると思う」
「特に私は、日朝間の対話が再会されるべきだと思う。 日朝関係が正常化されれば、朝鮮半島を超えて、北東アジアの平和と安定に大いに寄与すると思う」
「金委員長とも日朝関係について話し合った。 私は、安倍首相が過去の清算に基づく日朝国交正常化を進めていく意思があることを伝えており、金委員長は、いつでも日本と対話する用意があるということを明らかにしました」
「朝鮮半島と北東アジアにおいて、世界史的な大転換が始まった。 韓国は、これからも日本と緊密に意思疎通を行いながら連携していく。 米朝首脳会談の成功はもちろん、朝鮮半島の恒久的な平和定着に向けた今後の道のりに対する日本の積極的な支持と協力を期待している」
自主的、平和的外交戦略を持たない安倍政権と困難ななかでも、全力を挙げて朝鮮半島の、そして世界の平和のための外交を展開している文韓国政権。 どちらが自国民の、人類の未来のための外交かを痛切に考えさせられました。
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