志位委員長は5中総報告で、安倍政治の「大はたん」を4つの角度から明らかにしました。 第1は、「民意無視の強権政治の破たん」です。 「その破たんは、安倍政権が最も野蛮な強権をふるってきた沖縄で劇的な形であわられました」と述べました。 この本質は、安倍政治の民主主義否定政治の立場、理念の破たんと言っていいのではないでしょうか。
第2は、「ウソ、隠蔽、差別の政治の破たん」です。 「安倍政治のもとで、政治モラルの劣化と退廃は底なし」と指摘しました。 これは、まともな、当たり前の「政治手法」さえ、見失って醜態をさらけ出していることにほかならないのではないでしょうか。
第3は、「戦争する国づくりの破たんです。 志位氏は、「これまで安倍政権は、『戦争する国づくり』を進めるうえで、北朝鮮の『脅威』を最大の口実にしてきました。 「ところがこの間、朝鮮半島をめぐって、対決から対話への歴史的な転換が起こりました」「首脳間の合意でスタートした平和プロセスは簡単に後戻りするものではありません」「今起こっている歴史的な激動の根本に働いている力は、戦争に反対し、平和を願う世界各国の民衆の力であるということです」と解明しました。 これは、安倍政治の最大の”政治目標”の破たんということではないでしょうか。
第4に、「経済、外交の総はたん」を指摘しました。 志位氏は「『アベノミクス』と『安倍外交』の二つを自身による大成果として自画自賛しています。 しかし、そのどちらも少しも『自慢』にはなりません」と、2つの『自慢』の破たん状態をリアルに具体的に告発しました。 まさに、安倍政治の基本政策の破たんです。
こうして、安倍政治は、その政治理念、政治目標、基本政策、その実行手段等すべての面で大はたん状態に陥っています。
日本共産党第27回大会「決議」(第1章第4節)は、「安倍政治の暴走政治は、古い自民党政治の行き詰まりと一体のものである。 安倍政治を打倒することは、たんに暴走政治をストップすることにとどまらない。 それは自民党政治そのものを終わらせ、新しい日本に踏み出す、大きな一歩となるだろう」
「安倍政権に代わる政権をどうするか。 この問題については、現時点では、野党間に合意が存在していない。 しかし、野党が本気で、安倍政権と対決する四つの政治的内容(①安保法制を廃止し、立憲主義を回復する、②『アベノミクス』による国民生活破壊、格差と貧困を是正する、③TPP(環太平洋連携協定)や沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない強権政治を許さない、④安倍政権のもとでの憲法改悪に反対する)の実現をはかろうとするならば、それを実行する政権が必要になる」
「また、野党が本気で、安倍政権の打倒をめざすならば、この政権を倒した後に、どういう政権をつくるかを国民に示す責任が生まれてくる」
そして、次のように、市民と野党、ひろく国民のみなさんに党大会の名でよびかけました。
「野党と市民の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を打倒し、自民党政治を終わらせ野党連合政権をつくろう。 立憲主義、民主主義、平和主義を貫く新しい政治、全ての国民の『個人の尊厳』を擁護する新しい日本への道を開こう」
こうした日本の新しい民主的、平和的な政治を実現する展望が確実に、大きく発展しつつあるように思います。 そして、そのためのいっそうの努力が求められていることを強く感じています。