i氏の海外生活体験記

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地味だがすごい地熱発電

2013-05-13 14:49:22 | 下北の地熱発電
5/12産経新聞が伝えておりました。

-地味だがすごい地熱発電 稼働率7割、規制緩和で開発加速-

 再生可能エネルギーといえば太陽光や風力が代表格だが、難点は電力の安定供給。ところが同じ自然の恵みでも、地熱発電は昼夜、年間を通じて安定しており、火山国のわが国は世界3位の地熱資源大国でもある。開発規制やコスト面から長く進展がなかったが、開発制限の緩和など、ここにきて地熱開発が「熱く」なってきた。(徳光一輝、塚本隆仁)

 ◆温泉地で実証実験

 東シナ海を望む長崎県雲仙市の小浜温泉で先月、「温泉発電所」の実証試験が始まった。温泉発電は小規模な地熱発電。15度の低い温度で沸騰する代替フロンの液体を温泉の熱で蒸発させ、蒸気の圧力でタービンを回し発電する仕組みだ。

 小浜温泉の湯は100度と高温で量も豊富だが、7割以上は使われず廃棄。このお湯を活用しようと、旅館組合や長崎大学などが社団法人を設立した。発電システムは神戸製鋼所製で、出力は150キロワットと一般家庭75世帯分の電力をまかなえる。1年間の試験中は300メートルほど離れた市の健康増進施設へ送電している。

 試験を担う福岡市の発電コンサルタント会社「エディット」の藤野敏雄社長(64)は「事業化へ向け、効率のよい発電法を見極めたい」と意気込む。

 ◆再生エネの優等生

 地底のマグマに由来する地熱は、火力発電に使われる石油や天然ガスと異なり純国産で無尽蔵。天候に左右されないため、発電所の稼働率は太陽光12%、風力20%に対し70%に上る。その結果、国内の全地熱発電所の出力は太陽光発電所の5分の1にすぎないのに、年間に発電する電力の総量は地熱が上回っている。

 だが発電所の新設は平成11年からストップ。過去46年間で建設されたのは18カ所で、稼働中の17カ所の出力を全て合わせても52万キロワットと原発1基分に満たない。国内の地熱資源は2347万キロワットとされ米国、インドネシアに次ぐが、その2%しか使われていない。

 地熱情報研究所代表で、九州大学の江原幸雄名誉教授(65)=地球熱システム学=は背景に(1)発電コスト問題(2)国立公園問題(3)温泉問題-があると解説。「ただ、状況は急速に変わってきた」と指摘する。

 ◆買い取り制も弾み

 地熱発電のコストは石炭火力や原発の2~3倍と試算されるが、昨年7月から再生可能エネルギーによる電力の全量を電力会社が固定価格で買い取る制度が始まり普及へ弾みがついた。

 また地熱資源の多い活火山は景勝地でもあるため、資源の8割は国立・国定公園内に集中。筑波大学の吉田正人教授(56)=保全生態学=が「景観や生態系、生物多様性への悪影響が懸念される」と話すように、昭和47年から開発が制限されてきたが、東京電力福島第1原発事故などを受けて昨年3月、環境省が規制緩和に踏み切った。

 さらに、地熱資源のある場所が既存の温泉地と重なるため、温泉事業者から「温泉が枯れる」と反対が根強い問題に対しては、地元との合意形成のため協議会をつくる際に環境省が資金援助する事業が始まる。

 江原教授によると、温泉の井戸が深さ200~300メートルなのに対し地熱発電は1・5~3キロ。46年間で発電所周辺の温泉へ悪影響が生じたことはないという。

 計画中の発電所では、秋田県湯沢市の山葵沢(わさびざわ)発電所(出力4万2千キロワット)が7年後の運転開始を目指し、環境影響評価に入った。

 江原教授は「地熱発電所は出力に限界があり過大な期待は禁物だが、エネルギー安全保障の観点からも、多様な電源を組み合わせてリスク分散を図るべきだ。地熱はそのための重要な電源になり得る」と話す。

-引用終わり-

最近の地熱記事は「先ずはバイナリー発電で」という切り口です。10年も新規開発が無かった(できなかった)訳ですので、バイナリーで実績作りですね。

温泉のバイナリー発電と地中熱利用にハウス栽培などのカスケード利用を絡ませて、民間レベルへの浸透を期待しています。
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