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「熱」視「泉」、別府の売電

2013-05-06 22:49:57 | 下北の地熱発電
5/6毎日新聞が伝えておりました。

-<大分・別府の売電>「熱」視「泉」 買い取り制度追い風、小規模施設続々-

 再生可能エネルギーの普及に向けた固定価格買い取り制度によって、大分県別府市で既存の温泉を使う小規模な発電施設が次々と生まれている。温泉発電による電気は比較的高価で売却でき、風力や太陽光に比べ安定して発電できるのが強み。1925年に国内で初めて地熱発電に成功した別府は、温泉発電でも全国的に先行しており、脱原発につながる温泉地での新たなビジネスモデルとして注目される。【池内敬芳】

 温泉熱を利用した従来型の地熱発電は、新たに井戸を掘る必要があり、費用や時間がかかる。また「周辺の温泉を枯渇させる」との不安から普及が進んでいなかった。状況を変えたのが、比較的低い温度の湯でも発電できる「バイナリー発電」の普及。これを使った温泉発電は地熱発電の一種で、既存の泉源を使うため温泉枯渇の懸念はなく、発電後も温泉として再利用できる。

 「瀬戸内自然エナジー」の発電施設は経済産業省から昨年10月、買い取り対象第1号に認定された。実用化への取り組みは長崎県や北海道でもあるが、認定施設は1月31日現在、全国で3カ所(大分県2、鹿児島県1)だけ。電気を作るのはバイナリー発電機1台(60キロワット)。約100度の温泉の熱を沸点が低い代替フロンに伝え、その蒸気でタービンを回す。施設維持に必要な分を除く約50キロワットを売電する。投資額は約9000万円だが、順調に続けば5年ほどで回収できる計算。森川勇社長は「発電機をもう1台発注した」と事業拡大に意欲満々で、「原発事故もあり、自分ができるのは発電と思った」と語る。

 別府には未利用の泉源も多い。温泉工事に長年携わる小俣勝広さんは「もったいない」と着目。未利用泉源の土地を借りて発電し、売電利益を得るビジネスモデルを考えた。4月に「西日本地熱発電」を設立。60キロワットのバイナリー発電機を2台ずつ導入する。今秋にも売電を始める予定だ。

 大分市のタービン設計業「ターボブレード」は、バイナリーと異なる独自の技術を別府市で実験している。既存の泉源から湧き出す熱水と蒸気で二つのタービンを回し、エネルギーを効率良く生み出すもので、「湯けむり発電」と名付けた。林正基社長は「7月ごろにも20キロワットの実用機で発電を始めたい」と話す。

 資金面で支える動きも。県などは4月に10億円の基金を設け、事業化に向けた調査や設備投資への融資に乗り出した。運営会社は「既に調査段階が5件。相談を受けているのは30件ほどあり、熱気を感じる」と期待を高める。

 阿部博光・別府大教授(環境エネルギー政策)は「買い取り制度はビジネス上、魅力的に作られている。ここ1、2年で実績を積むことができれば温泉発電が一気に広がるのでは」と期待を込める。

-引用終わり-

「バイナリー発電」は下北でも可能性はあると見ています。ただし、調査検討の期間が必要でしょう。熱水温度と湯量から必ずしも効率が良いとは言えないからです。下北の温泉は恐らく源泉温度は60℃前後ではないでしょうか。ギリギリ出来るかどうかというレベルです。

しかしながら、何も売電利益ばかりを追わずとも観光や再生エネの目玉の一つとして設置する意義はありましょう。通常の地熱発電は開発着手から10年は掛かります。このバイナリー発電を先行させることで地熱の機運を高める、という考え方もあります。

地熱は地域で365日発電できる貴重な資源です。前向きに利用して戴きたいと思う次第です。
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