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相当期待、地熱ドラマ「マグマ」

2012-05-23 18:48:24 | 下北の地熱発電
5/23日経が伝えておりました。

-尾野真千子、地熱発電テーマのWOWOW連続ドラマ「マグマ」で「期待してください!」-

 6月10日からWOWOWで、地熱発電をテーマにした本格社会派ヒューマンドラマ「マグマ」(全5話)が放送される。原作は『ハゲタカ』で知られる真山仁の同名小説で、主役を務めるのはNHK「カーネーション」でも人気を博した実力派の尾野真千子。外資系ハゲタカファンドのやり手の企業再生マネージャーというある意味“嫌われ者”の役であり、カーネーションの糸子とは相当違う役なので演じるのも難しいのでは……と思ってしまうが、「自分とは真逆のキャラクターなので、むしろやりやすい」と話す。今回は撮影が始まったばかりの時点でのインタビューになったが、「必ず面白いものにしてみせます」と、このドラマに賭ける意気込みを熱く語ってくれた。

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 原作『マグマ』が発表されたのは2006年。もちろん当時から「次のエネルギー」は模索されており、地熱発電に注目する人もいたことはいたが、やはり3.11という大変な経験を経た今読み返すと、この小説の迫真度はまるで違ってくる。バブルが弾けても電力需要だけは右肩上がりに膨らんできた我が国だが、発電に回せる資源はなく、かといって原子力には解決すべき問題が多いし風力や太陽光発電だけでは圧倒的に電力が足らない。考え出すと八方塞がりな気持ちになってしまうが、実は日本は火山という資源の量では世界第3位なので、この小説を読むと「なんと、自分の足元にこんな可能性が眠っていたのか」と少し明るい気持ちになれるのだ。もちろん地熱発電にもコスト高、観光との兼ね合いなど課題は多く、その辺はドラマでも描かれていく筈だが、決して明るいばかりの“夢の発電技術”ではない。

 だが、それでもこの物語にはやはり未来に繋がる希望がある。主人公の野上妙子(尾野真千子)は自分の興味関心とは無関係に、半ば強制的に地熱発電と向き合うことになり、最初は目先の効率という観点からその開発を潰そうとする。しかし妙子は、地熱に人生を賭ける研究所所長の御室耕治郎(長塚京三)や開発会社社長の安藤幸二(谷原章介)らと出会い、彼らの情熱に巻き込まれる形で、次第に地熱発電の本当の可能性に気づいていくのだ。この変化がまず面白いのに加えて、地熱から利権を得ようとする政治家の暗躍、ライバル地熱会社の登場、週刊誌記者を抱き込んだ地熱潰しの闇工作など、経済・社会ドラマとして見ても興味深い点が多い。尾野さんは物語や役作りについて、こう語っている。

――原作はもちろんですが、脚本もすごく面白くできていましたね。

 私も一気に読んじゃいました。でも第一印象は、ちょっと怖かったです。やり甲斐はすごくあると感じたんですけど、話がやっぱりリアルで、かつリアルタイム。それを私が主役として背負い、皆さんに伝えていくことには、やはりちょっと緊張もあります。

――この作品で描かれていることは、今の日本人なら誰でも関心があることですね。

 そうなんです。なのに、地熱発電のことはあまり知られていないんです。もちろん私もその名前は耳にしてましたが、具体的な発電の方法とか、どういうことがなされているのか、知らなかったことが一杯あって。でもこの作品を通じてそれを教えてもらい、これは今の私たちにとってはすごく必要なことだし、これからの未来にとっても選択肢の一つとして重要だなと思いました。

――しかも物語の最初はお金儲けの話から入っていくシビアさで……。

 私はその明るい未来につながる地熱発電をつぶそうとする役ですから(笑)。最初のうちはね。だから心が痛かったです。

 私は今回の震災を受けても、被災地や被害に遭われた方に対してこれまで何にも言えず、何もできずにいました。それは無責任になりたくなかったからで、自分も阪神大震災を実感している者として、簡単な言葉一つで終わらせたくはなかったからです。だけど、ドラマとして演じることでそれが伝えられることに、「これでやっと何か発信できる」「仕事として、自分の得意なことでやれる」と喜びを感じているんです。

――やり甲斐というのはそういうことですね。では逆に今回の役を演じる上で、一番難しいのはどこですか?

 今回に限らずどの現場でもそうなんですが、やはり「野上妙子になること」自体が難しいんですよ(笑)。物語はもう書かれていて、私たちは監督や他の出演者の方たちと「こうしていこう」と話し合って演じるわけですから、そういう意味で難しいことはありません。でも、野上妙子という気難しくて、だんだん感情が出てくる一人の女性になりきるっていうのは難しい。

――学校でも成績優秀な優等生で美人なのに、それで特別扱いされたりすると面白くないというちょっと屈折したエリートですからね。尾野さんから見ると、野上妙子はどんな女性でしょう。

 笑わないし、気難しい(笑)。もっと感情を出せばいいのに、って思いますね。私自身は笑うの大好きなので。でも、それは頑固だからではなく、自分の意思をちゃんと持っているから。自分はこうしたいから、日本の状況を良くしたいから、というのがあって、妙子はそれにまっすぐなだけなんです。

 でも、こういう役ってあまり演じたことがなくて自分でも“新境地”というところがあります。だんだん成長していく役はあったんですが、初めから能力とキャリアがちゃんとあって、大きなものに立ち向かっていくキャリアウーマンというのは初めて。

――なるほど。キャリアウーマンとしての役作りでは、どこに気を付けていますか?

 まず姿勢を正すこと(笑)。私、結構猫背なところがあって、ちょっと気を抜くと背筋が丸くなっているんで。先日妙子が自分の家に居るシーンを撮ったんですが、そこは彼女がリラックスして過ごす空間なので、私の猫背でも良かったかなと。いや、失敗なんですけどね(笑)。

――野上妙子とご自分で、似ている所は?

 それは全然ないですね。むしろ真逆なような気がする。現場でも180度変わるというか、本番になると野上妙子になって、カットがかかるともう尾野真千子になるみたいな感じ(笑)。そういう方がやり易いんです、役を作る方が。私に近い方が難しかったりするんですよね。

――自分に近くて微妙に違うというのが一番……。

 そう、やりにくいんですよ! 自分とどこが違うんだろう、というようになってきて、演じてるように思えなかったりして。感情がよく解らなくなっちゃうんです。

――「カーネーション」の糸子の場合は、尾野さんと重なる部分があるから……。

 だからやりにくかったんですよ。前半は全然感じが掴めなかったです、自分を見ているようで。(俳優は役を)作らなきゃいけないわけじゃないですか、それが作れない。自分になっちゃうから。それなら自分を出せばいいじゃん、と思われるかも知れませんが、それじゃあ駄目なんですよね。あとあと続いていかないんですよ。

――なるほど。しかしそういう難しさも含め、「カーネーション」はいい経験になりましたね。

 カーネーションに限ったことではありませんが、これまで積み上げてきたものは全てプラスになっています。人との出会いというのもそうですし、芝居をやれたということもそうです。あの作品も実は初めての経験みたいな所が多かったんですが、自分で「こういう芝居もできるんだな、私」と思えて自信になりました。だからこの「マグマ」も、自分にとっては初めての役だけれども、これまでの経験を生かして、絶対成功させてみせるっていう気持ちになれたんです。

――長塚京三さん、石黒賢さんら他の俳優さんたちも芸達者揃いですからね。

 そこはもうホント、楽しみにして下さい(笑)。まだそんなに沢山皆さんとご一緒したわけではないんですけど、全員素晴らしいんで。

――現場では実際、どんな感じですか。

 今回は専門用語や説明台詞が多いので、そこはすごく大変。私も何回も失敗しましたけど、そんな中でも不思議な偶然が重なるとか、私生活とドラマがシンクロするみたいなことがあって、それで「あ、このドラマは行ける!」と思っちゃった所がある。多少失敗しても何しても大丈夫、絶対面白いものになるという変な自信があるんですよ。

――私生活とドラマが重なるとは?

 温泉に入りに行ったんですよ、そしたら、たまたまそこに地熱発電所があった。まさに大分、このドラマと一緒です。この仕事があることは知ってたんですが、それとは関係なくただ温泉に入りたくて行ってみたら……。

――そこに地熱発電所があったと。

 そうだ、大分じゃん!みたいな(笑)。そこでもガイドの人に地熱発電の話を聞いたりとか、いろんな偶然があって、それに私は感動を覚えたんです。

――そうだったんですね。では最後に、3.11以降にそれまでと物の見方が変わったことは何かありましたか?

 避難場所を確認するようになった。あはは、全然マグマと関係ないことを言いましたね(笑)。あと、敢えてロウソクで一晩過ごしてみたりとかもしているんですが、小さな光が大きく見えるようになりました。ロウソクなんて特に何とも思ってなかったんですが、それがすごく輝いたものに見えたというか……。節電も防災対策も頑張ってやると、きっと苦になったり続けられなかったりすると思うんです。それを生活の中で自然に楽しみながら、ロウソク1本がどれだけ大事かに気づく……。そんな感情になったのは、やはり3.11があってからですね。

――今、我々は未来に繋がる選択肢が限られたような状態になっていて、気持ちも暗くなりがちです。でも、この作品は「気づいてないけど、足元にこんないいものがあったじゃないか」というのを教えてくれます。脚本を読んでいるだけでも気持ちが明るくなりました。

 良かった。そういう気持ちになってくれた期待を裏切らないように、頑張ります。楽しみにしてて下さいね。(2012年5月23日)

■番組情報

WOWOWプライム
連続ドラマW「マグマ」
6月10日(日)放送スタート
毎週日曜日 夜10:00~11:00 ※第1話無料放送

-引用終わり-
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