i氏の海外生活体験記

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最終処分場のこと

2013-02-24 16:12:44 | 大間原発の中間貯蔵化
2/23小出ジャーナルで伝えておりました。ラジオ番組の書き出しです。一応、拡散・リンクフリーということなので。

-小出裕章ジャーナル-

今西:
リスナーの方から質問がきまして、「東京電力の情報公開について」という事で、
是非小出さんから聞いてほしいという事だったんですが、
東京電力の情報公開と言いますと事故直後から
「ちゃんと情報公開してまへんがな―」という事でエライ問題になって
国民の間でも不信感が広がったんですが、
2月1日に東京電力は原子力規制委員会に対して、福島第一原発事故直後に撮影された写真2145枚をですね、
「最近になって見つかりました」みたいな感じで提出をされたんですね。
このシ写真をよく見てみますと、2011年3月15日から4月11日ぐらいまで、約一カ月ぐらいですね、
東京電力の社員の方とか、協力企業の方とかが撮影されたものなんですが、
事故から二年近く経ってですね、
「何で今頃出すねん」と、小出さん、思うんですが。

小出:
もちろん私も思いますが、
みなさん、ちょっと誤解をされているのではないかと思うのですが、
東京電力という会社は今回の事故を引き起こした最大の責任がある会社な訳ですし、
私は「責任」という言葉では甘過ぎると思っていまして、「犯罪」だと思います。
犯罪者が自分の罪をきちんと申告する理由はありませんし、
「出来る限り自分の罪を隠蔽したくなる」というものが犯罪者な訳ですから、
東京電力が情報を出さない、あるいは都合の悪いものは出来る限り隠すという事は
当たり前の事なのだと私は思ってきました。

今西:そうすると強制力を持ってそういうものを出させないといけないという事ですか?

小出:
はい。当然そうだとおもいますし、
もし、今回のような事故を起こしたのが東京電力ではなくて、町工場だったとすれば、
すぐにもう警察が踏み込んでですね、責任者を逮捕していくという、
そういう事になった筈だと私は思いますが、
何故か東京電力という会社だと無傷で許されてしまう訳ですし、
情報の公開という事も、東京電力が「自分が公開したいと思う物だけを出す」という事で、
それを許しまうようなことになっているのですね。
本当に不思議な世界だと私は思います。

今西:そうですね、山本太郎さんからも質問があるという事でお願いします。

山本:
すみません、この東京電力というところからは少しずれてしまうかもしれないんですけれど、
やっぱり原発を終わりにしていくためには、その先の事というか、そのバックエンドというか、
「最終処分」ということも考えなければ、やっぱりそういう部分も議論されなければいけないと思うんですよ。

小出:当然です。

山本:でも、政治家の人達だったりというのは、その事について語り合うのは絶対に避けますよね。

小出:政治家もそうですいs、学者も避けてきたのですね。

山本:
でも、その最終処分地というこのを現実的なものというか、話を進めていくために、
やっぱりこういう場所だったりとか、こういうラジオだったりとか、
で、みんなが町の中でもそういう事を話し合うような機会というのはすごく重要だと思うんですね。

小出:はい、もちろんそうだと思います。

山本:でも、言えば言うほど今の状況じゃ叩かれるばっかりなんですけれども、(笑

今西:
まァまァ、結構ね、そういう原子力ムラとかね、
やっぱり一部のね大マスコミなんかはそういうのを避けてきましたよね、意図的にね。

小出:
そうですね、原子力の専門家と呼ばれている人たちも、このバックエンドというか、
ごみの最終的な始末という物の道筋が見えない事はみんな知っていたのですね。
私は「その道筋が見えない限りは止めるべきだし、簡単に埋め捨てをするという選択はするべきではない」
として、原子力を進めてきた人たちと喧嘩をしてきたのですけれども、
学者も、ほとんどの人はみんな知らん顔をするという事をしてきたわけですし、
マスコミもきちっとそれをみなさんに知らせないというやり方を貫いてきてしまったのですね。
で、去年の9月11日になって、日本学術会議という学者の国会が、
初めて今日本の国がやろうとしている埋め捨ては正しくないというような声明を出した訳ですけれども、
私は何で今まで彼らが黙っていたのか?と、むしろそれをおかしいと思いました。

山本:
なるほど。
えーっと、ま、僕個人的に「どうするのか?」という事を考えた時に、
すみません、こんな空っぽな頭で考えた場合なんですけれども、
現在原発が存在している、
その「原発立地の場所にそれぞれに最終処分場をつくっていく」という考え方というのはどうなんですかね?

小出:
あり得るとは思いますけれども、
現在立地をさせられてしまった地域というのは
「必ずゴミはもちだす」という、そういう約束の下に立地を引き受けたという経緯が歴史的にあるわけですね。

山本:なるほど。

小出:
私はそれが正しいとは思いません。
原子力発電を引き受けて、それなりに交付金などで恩恵を受けようとした地域な訳ですから、
「ゴミはいつかどこかに行ってくれる」というふうに思う事自身に、私は問題があるとは思いますけれど、
でも、本当に過疎地で、財政的に苦しくなった時に、原子力発電所を押し付けられてしまったのですね。
ですから、長いいろんな歴史がありますので、簡単にはいかないと思いますが、
え・・・・、いま、太郎さんがおっしゃったような選択はあり得るとは思います。

山本:
なるほど。
先日、鹿児島県の南大隅。
本州最南端のところに「そこに誘致しようじゃないか」というのがずっとあるんですよね。

今西:最終処分場を、

山本:
そうなんですよ、最終処分場を。
で、地元にちょっと応援に行ったんですよ、その反対の。
という事なんですけれどもやっぱり水面下でいろいろと動かれていて、

小出:そうです。

山本:
それで、漁協だったりというのがもう買収されてしまっていたりとか、
たとえばJAというところは「中立」と言っちゃったりとか、
というような状況なんですよね。
でも、あの南大隅という町は100%自然エネルギーでもう賄えているし、

小出:そうですね。

山本:食料自給率も100%以上だと。

小出:はい。

山本:
そんな完璧なところにゴミを押し付けるってどういう事なんだよ!
汚染のないところに汚染をわざわざ運びこむって言うのはどういう事なんだ?って言う話なんですけれど、
なんかいい方法があればいいですよね。

小出:
ええ、そうですね。
ただ、残念ながら私たちが生みだしてきた「放射性物質を無毒化する」という力が、今現在ないのですね。
ですからどこかに隔離するしかないという事になってしまっているわけで、
最近になって日本の国では「もう国内では無理だからモンゴルに押しつけよう」という、
そんな事まで言いだしているわけです。
本当に恥ずかしい国だと、私は思いますし、
いま太郎さんがおっしゃったように大隅町というようなところ、
南大隅町ですね、なんかに押し付けるというような事は到底正しいとは私は思えません。
それぞれの原子力発電所の立地点で引き受けるという選択もあるでしょうし、
私はそれを言うなら東京とか大阪の大都会こそがゴミを引き受けるべきだと思います。

山本:きましたねぇ―。消費地が。

今西:なるほどねぇー。

山本:恩恵を受けたものが引き取れと。

小出:はい。

今西:山本さんもうひとつ何かお伺いしたい事があるとおっしゃられてましたが、

山本:
そうなんです、先生。
国は今回の事故を矮小化、ずーーっと図ってきたじゃないですか。
で、「結局どれぐらいの汚染があるのか」という事に関して、
セシウムだったりそういうものにちょっと触れているだけじゃないですか

小出:そうです。

山本:
だから是非先生だったり、たとえばチャルノブイリの汚染地図をつくられた今中さんだったり、
っていう方々が、今リアルな日本の汚染というものを地図に落とし込めたりというような事の
可能性はないのかな?という事をお聞きしたかったんです。

小出:
はい、ただ、空気中に出てきたというその放射性物質の量で言うなら、
圧倒的に多かったのは希ガスと私たちが呼んでいるものなのですが、
地面を汚染するとか、そういう性質がありませんので、もう汚染地図を作ることはできません。

その次に大量に出てきたのはヨウ素という放射性物質ですが、
それも寿命が短いためにほとんど全部なくなってしまっていますので、
今の段階で汚染地図を作る必要はないと思います。

次に問題なのがセシウムであって、
セシウムの汚染地図というのは日本の政府も公表していますし、
私たちもできる限り測定をして、
その政府の発表があっているかどうか?という事のチェックぐらいはしているのです。

で、ではそれ以外に何が問題か?というと、
みなさんが気にしているのはストロンチウム90であるとか、
プルトニウム239というような放射性物質だと思うのですが、
大気中に放出された「量」を問題にするのであれば、
私は今ストロンチウム90やプルトニウム239はむしろ小さな問題だと思います。
そういう放射性物質を問題にするのであれば、
おそらく水に溶けて海へ流れていますので、
海のストロンチウム90の汚染地図、
プルトニウム239の汚染地図というものをこれから作らなければいけないと思いますが、
残念ながら私たちの力はまだそこまでいっていないという事です。
大変申し訳ないと思っています。

山本:とんでもないです。

今西:
いやいや、だってね、あれだけ汚染水を大量に放出していますからね、東京電力は。
本当にこれは日本だけじゃなくて、もう世界中に迷惑がかかっている話ですからね。

小出:
もちろんです。
1986年には旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で大きな事故が起きましたが、
その時には「地球被曝」というような言葉がつくられました。
まさに福島の事故の時にもそうで、
日本の福島だけが汚染しているのではない、日本中汚染している訳ですし、
もう、世界中が福島からの放射能で汚れてしまったという状況になっています。

今西:
なるほどね。わかりましたです。
小出さんどうも今日はありがとうございました。

小出:こちらこそ。

今西:小出先生の話、説得力がありましたね。

山本:
ありますね。
心優しい人ですね、コメントの一つ一つが。

今西:そうですね。という事で、以上小出裕章ジャーナルでした。

-引用終わり-

時々この手の情報にも目を通しています。しかしながら、過激な反原発意見もあり情報は各自で慎重に判断しなければなりません。

最終処分場について少し触れています。私も大消費地責任の議論には賛同です。ただ、最終処分というのが地勢学的に日本では危険だ、というなら、もう全面降伏して国際的議論に持ち込むしか無いでしょう。

その国際的議論で核の最終処分方法が決まるまではどうしても中間貯蔵施設で保管するしかありません。その中間貯蔵施設を電力の大消費地にすべきだと思うのです。しかしながら現実論として直ぐには無理でしょう。そのため、50年間は大間原発の地で時間稼ぎをするのが良いのではないか、というのが私の案なのです。
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