5/20河北新報WEBで伝えておりました。
-農地バンク低迷/地域の実情と声に向き合え-
農業の成長産業化を目指す「安倍農政」が目玉政策で初年度から大きくつまずいた。
経営の大規模化を促す「切り札」として、各都道府県に設けた「農地中間管理機構」(農地バンク)の2014年度実績が、各都道府県が掲げた目標の合計のわずか約2割にとどまった。
主に高齢農家などから規模の小さな農地を借り受け面的なまとまりに集約し、公募した農業者や農業生産法人、企業に貸し出す仕組みだ。
実績が低迷したのは、借り手の需要は旺盛なのに、貸し出し農家が少なく農地の供給が増えなかったためだ。
その原因について農林水産省は周知不足に加え、制度利用を働き掛ける意欲が機構役員らに欠けていたと指摘。農地保有者が、顔の見えない農業者らに貸し付けることに抵抗感があると分析した。
だが、そうした懸念は機構発足前からあった。
「長い間、耕してきた愛着ある農地を見ず知らずの他人にたやすく預けられるのかどうか、疑問だ」。広域での取り組みにするため事業主体を都道府県にしたことに対しても「農地の貸借は集落の将来とも関わる。地域の実情を知る市町村や農協の協力なしではうまく進まない」
生産現場や地域からは、そんな声が上がっていた。
政府が、この政策で実を挙げたいのであれば、市町村や農協などとの協力態勢をどう構築し、貸し手の「安心感」をいかに高めるか、ということに心を砕く必要がある。
利用促進に向け、政府は都道府県の実績に応じた農業振興予算の傾斜配分を検討するという。だが、そうした「アメとムチ」に似た上からの押しつけはやめ、地域の実情と声に真剣に向き合うべきだ。
農地バンクは、経営の大規模化だけに資する事業ではあるまい。高齢農家らの離農に伴う耕作放棄地の増大に歯止めをかける集落営農の道を模索し、若者の就農を含めて域外から担い手の参入を促す効果も期待される。
そのことは、中山間地の将来と密接に関わる。
東北では初年度、宮城の達成率は全国並みの2割にすぎず、秋田、岩手が目標を達成したとはいえ、各県はいずれ難問に突き当たる。
耕作条件が不利で地元に担い手がおらず、農地を貸そうにも借り手ゼロが懸念される中山間地の農地貸借をめぐるマッチング調整である。
機構で農地を預かりつつ、集落営農組織づくりに向け、定年帰農者を含め地域に新たな担い手を見いだすことも可能だ。隣接する地域の農業生産法人に集落農地を任せることや、就農希望の若者の参入可能性を探ることも選択肢の一つになる。
だが、そのためには、地域の事情に通じた市町村や農協を含む関係機関が、集落の話し合いを通じて根気強く取り組むことが欠かせない。
言うまでもなく、農業や農地の状況は地域によって異なる。特に中山間地には平地と違う取り組みが必要だ。全国一律ではなく、地域に応じたきめ細かな対応策を講じなければ、農地バンク事業を軌道に乗せることは難しい。
-引用終わり-
記事のご指摘する課題はゴモットモだと思います。だから、どういう対策が考えられるか、という事ですね。国の「機構役員の意欲も欠けていた」などのコメントは本当に他人事ですね。
私はNHKのドラマ「限界集落株式会社」を見て思いました。やはりその地域出身の若者が農業に目を向ける事が第一歩で、そこに地域の農業従事者や組織が協力するという形が理想ですね。つまり、農地の大型化、集約化などに囚われず、新規就農希望者の芽を大事に育てる事ですね。
農地バンクは銀行定期と同じように1年でも3年でも10年でも柔軟に運用したら良いと思いますね。お金の流動と同じで、土が耕されていることが大事ですよね。それと収穫した作物で支払っても良い、という方法は出来ないでしょうかね。
-農地バンク低迷/地域の実情と声に向き合え-
農業の成長産業化を目指す「安倍農政」が目玉政策で初年度から大きくつまずいた。
経営の大規模化を促す「切り札」として、各都道府県に設けた「農地中間管理機構」(農地バンク)の2014年度実績が、各都道府県が掲げた目標の合計のわずか約2割にとどまった。
主に高齢農家などから規模の小さな農地を借り受け面的なまとまりに集約し、公募した農業者や農業生産法人、企業に貸し出す仕組みだ。
実績が低迷したのは、借り手の需要は旺盛なのに、貸し出し農家が少なく農地の供給が増えなかったためだ。
その原因について農林水産省は周知不足に加え、制度利用を働き掛ける意欲が機構役員らに欠けていたと指摘。農地保有者が、顔の見えない農業者らに貸し付けることに抵抗感があると分析した。
だが、そうした懸念は機構発足前からあった。
「長い間、耕してきた愛着ある農地を見ず知らずの他人にたやすく預けられるのかどうか、疑問だ」。広域での取り組みにするため事業主体を都道府県にしたことに対しても「農地の貸借は集落の将来とも関わる。地域の実情を知る市町村や農協の協力なしではうまく進まない」
生産現場や地域からは、そんな声が上がっていた。
政府が、この政策で実を挙げたいのであれば、市町村や農協などとの協力態勢をどう構築し、貸し手の「安心感」をいかに高めるか、ということに心を砕く必要がある。
利用促進に向け、政府は都道府県の実績に応じた農業振興予算の傾斜配分を検討するという。だが、そうした「アメとムチ」に似た上からの押しつけはやめ、地域の実情と声に真剣に向き合うべきだ。
農地バンクは、経営の大規模化だけに資する事業ではあるまい。高齢農家らの離農に伴う耕作放棄地の増大に歯止めをかける集落営農の道を模索し、若者の就農を含めて域外から担い手の参入を促す効果も期待される。
そのことは、中山間地の将来と密接に関わる。
東北では初年度、宮城の達成率は全国並みの2割にすぎず、秋田、岩手が目標を達成したとはいえ、各県はいずれ難問に突き当たる。
耕作条件が不利で地元に担い手がおらず、農地を貸そうにも借り手ゼロが懸念される中山間地の農地貸借をめぐるマッチング調整である。
機構で農地を預かりつつ、集落営農組織づくりに向け、定年帰農者を含め地域に新たな担い手を見いだすことも可能だ。隣接する地域の農業生産法人に集落農地を任せることや、就農希望の若者の参入可能性を探ることも選択肢の一つになる。
だが、そのためには、地域の事情に通じた市町村や農協を含む関係機関が、集落の話し合いを通じて根気強く取り組むことが欠かせない。
言うまでもなく、農業や農地の状況は地域によって異なる。特に中山間地には平地と違う取り組みが必要だ。全国一律ではなく、地域に応じたきめ細かな対応策を講じなければ、農地バンク事業を軌道に乗せることは難しい。
-引用終わり-
記事のご指摘する課題はゴモットモだと思います。だから、どういう対策が考えられるか、という事ですね。国の「機構役員の意欲も欠けていた」などのコメントは本当に他人事ですね。
私はNHKのドラマ「限界集落株式会社」を見て思いました。やはりその地域出身の若者が農業に目を向ける事が第一歩で、そこに地域の農業従事者や組織が協力するという形が理想ですね。つまり、農地の大型化、集約化などに囚われず、新規就農希望者の芽を大事に育てる事ですね。
農地バンクは銀行定期と同じように1年でも3年でも10年でも柔軟に運用したら良いと思いますね。お金の流動と同じで、土が耕されていることが大事ですよね。それと収穫した作物で支払っても良い、という方法は出来ないでしょうかね。