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眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

フライング・レインウェア

2022-06-04 23:50:00 | デリバリー・ストーリー
雨を行く覚悟を決めた自転車を追い越していくジョギング男

雨降りの気配もしない公園にボールと遊ぶ少年の影

雨降りでなければ鳴らぬ春なのに前にみえるは日傘の女

過信した0.5ミリ現実の青さは僕の上だけじゃない

雨雲よどこへ行ったの川沿いを歩く麦藁帽子の女

AIの予想に背く青空が導き出した300

日常に相応しくないレインウェア着込んだ僕がよそ者みたい


小部屋の命拾い ~振り飛車に生きる理由

2022-06-04 23:14:00 | 将棋ウォーズ自戦記
 銀冠の小部屋17地点にひょいとかわして残っていれば最高だと思う。美濃もいい。18玉と端に寄って涼しい顔して残して勝ちたいと思う。

「そうやって勝ちたいからだ」

 だから僕は振り飛車を指しているのだと思った。だから将棋を指しているのかもしれない。あるいは、だから生きているのかもしれないとふと思ったりもする。(みんなはどうして将棋を指すか考えてみることはあるかな?)
 美濃囲いって堅いのかな?
 時々疑問に思うこともある。
(角と桂で詰まされたような時は特に)
 玉に紐がついていないせいで、ゼットではないのだ。
 39に銀を打たれて早速ピンチ。
 王手がかかって全然助かってなさそうだけど……
「金なし将棋に詰め手なし!」
 18玉!
 取ったら詰むけどかわして際どく助かっている。
 そして、最後は39に打たれた銀を時間差で取って相手玉を詰まして勝つのが理想。
(かわして、取って、詰ます!)

「王手!」

 ひらり♪

「金がなければ詰むまい」

「ならば自陣に手を戻そう。金を渡さず寄せれまい。金が入れば美濃を詰ますぞ」

「確かにその通りだ。金は渡すことになるだろう。しかし、手順を尽くせばどうかな」

「何を? いったいどうすると言うのだ!」

「最後に詰めろを解きつつ詰めろをかけてやるぞ!」

「何? そんな手が?」
 
ビシッ♪
 
 そして、僕は39金と指すのだ。
 詰ましにきた一手が質駒となっている。
 取れずにかわした一手が早逃げになっている。
 だから、その瞬間18玉はゼット(絶対詰まない形)になっているところが、あまりに素晴らしいではないか!
 すぐに詰んでしまいそうな美濃囲いが、相手の攻撃をかわしながら最後にゼットになるなんて!
 ああ、振り飛車ってなんて素晴らしいんだろう!


強い手は向こう見ずな手じゃない

2022-06-04 22:50:00 | 将棋ウォーズ自戦記
「駒台にあふれて負けるのはもったいない」

 絶対いいんだけどな……
 だけど、決め手がみえない
 時間がなくなっていく
 速い寄せがみつからない
 指さなくちゃ
 自陣少し薄いな(間違ったら寄る形だ)
 わからないけど攻めるか……
 そして、
 駒を渡す 
 中途半端な寄せに出て
 反撃を食らって
 簡単に寄せられる

 そんな逆転負けを何度経験したことだろう。
 体力差は圧倒的なのに、上手く勝ちに結びつける順を見出せず、焦りから成算のない攻めを実行して、相手に望外な戦力を与えこれしかないという単純な筋によって負け筋に陥る。
 逆転に至る道筋(構造)は、だいたいいつも同じである。だったら、これを学習して改めれば、勝率はもっと上がるはずだ。

「寄せよう寄せよう」
 と気持ちが前に出過ぎないことも大事ではないか。
(全体的に体力差はあっても玉周りは事情が異なる場合がある。妙に寄りにくい玉、寄りやすい玉がある。詰み筋のない玉は持ち駒の発言力が弱まる)
 形勢はいいはず……
 この将棋は絶対負けられない
 強い手を指さなくちゃ
 だけど、強い手は顧みない手とは違う。
 勇気とはただ突き進むことではない。

「寄せに行く」=最速とは限らないのだ。
 むしろ、手厚さこそが早さであることもある。

「手厚さ」=「明快さ」=「早さ」
 盤上を制圧してしまえば、時間なんていらないのだ。
 と金を作って寄せるだけなら30秒もあれば足りるだろう。
 ギリギリの寄せというのは、将棋の面白い部分ではあるが、(特に短い時間の)勝負の上では、「寄せ」だけにとらわれないという意識も重要だ。

「寄せて勝とうとすることは大変だ」
 それは問題を解くのと同じだから。
 詰みを読んでいると知らず知らずに時間を消費してしまう。必至か詰みかというのは常に難しいテーマだが、許されるなら詰みは相手の手番で読むことが望ましい。
 実戦においては駆け引きも大事で、相手の力も利用した方がよい。
 楽して勝てではないが、自分だけが問題を抱えて苦しむ必要はないと思う。