「駒台にあふれて負けるのはもったいない」
絶対いいんだけどな……
だけど、決め手がみえない
時間がなくなっていく
速い寄せがみつからない
指さなくちゃ
自陣少し薄いな(間違ったら寄る形だ)
わからないけど攻めるか……
そして、
駒を渡す
中途半端な寄せに出て
反撃を食らって
簡単に寄せられる
そんな逆転負けを何度経験したことだろう。
体力差は圧倒的なのに、上手く勝ちに結びつける順を見出せず、焦りから成算のない攻めを実行して、相手に望外な戦力を与えこれしかないという単純な筋によって負け筋に陥る。
逆転に至る道筋(構造)は、だいたいいつも同じである。だったら、これを学習して改めれば、勝率はもっと上がるはずだ。
「寄せよう寄せよう」
と気持ちが前に出過ぎないことも大事ではないか。
(全体的に体力差はあっても玉周りは事情が異なる場合がある。妙に寄りにくい玉、寄りやすい玉がある。詰み筋のない玉は持ち駒の発言力が弱まる)
形勢はいいはず……
この将棋は絶対負けられない
強い手を指さなくちゃ
だけど、強い手は顧みない手とは違う。
勇気とはただ突き進むことではない。
「寄せに行く」=最速とは限らないのだ。
むしろ、手厚さこそが早さであることもある。
「手厚さ」=「明快さ」=「早さ」
盤上を制圧してしまえば、時間なんていらないのだ。
と金を作って寄せるだけなら30秒もあれば足りるだろう。
ギリギリの寄せというのは、将棋の面白い部分ではあるが、(特に短い時間の)勝負の上では、「寄せ」だけにとらわれないという意識も重要だ。
「寄せて勝とうとすることは大変だ」
それは問題を解くのと同じだから。
詰みを読んでいると知らず知らずに時間を消費してしまう。必至か詰みかというのは常に難しいテーマだが、許されるなら詰みは相手の手番で読むことが望ましい。
実戦においては駆け引きも大事で、相手の力も利用した方がよい。
楽して勝てではないが、自分だけが問題を抱えて苦しむ必要はないと思う。