じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

高橋克彦「奇縁」

2022-10-23 16:28:32 | Weblog

★ 日曜日になるとNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が楽しみだ。大河ドラマはかつてほどの視聴率がとれない。人々の嗜好が多様化し、またリアルタイムで観る必要がなくなったのが一因だろうか。今では珍しい長丁場というのも、ハマれば見続けるが、そうでなければ途中から観るのは億劫だ。

★ 私が初めて大河ドラマを観たのは「新・平家物語」(1972年)だっただろうか。仲代達也さんの平清盛が印象に残っている。「国盗り物語」(1973年)、「勝海舟」(1974年)、「元禄太平記」(1975年)、「風と雲と虹と」(1976年)、「花神」(1977年)までは毎年観ていた記憶がある。

★ 「勝海舟」「花神」といった幕末ものが印象に残っている。「風と雲と虹と」は時代が最も古く平将門が主人公だ。

★ それからしばらく観ず、次にハマったのは「独眼竜政宗」(1987年)だった。その次は「太平記」(1991年)。1995年、96年の「八代将軍 吉宗」「秀吉」は断片的に観た。2010年の「龍馬伝」は久々に全作観た。「八重の桜」(2013年)、「軍師官兵衛」(2014年)は断片的。そして2022年の「鎌倉殿の13人」は途中からながら、前半はオンデマンドで追っかけるように観た。

★ ドラマと言えば、フジテレビ系列の「silent」が女子高校生の間で話題になっている。ブレイクするかも知れない。

★ さて、今日は日本推理作家協会編「スペシャル・ブレンド・ミステリー謎003 恩田陸選」(講談社文庫)から高橋克彦さんの「奇縁」を読んだ。短いながら読み応えのある作品だった。

★ 著名弁護士が交通事故に遭い、その加害者と懇意になる。加害者と懇意になるというのも変な話だが、自らの過失を認め謝罪する男の気持ちに好感をもったのだ。男は田舎で村会議員をやっており、県庁所在地に足を運べば必ず弁護士を訪れる律義さをもっていた。

★ ある日、弁護士はこの男から仕事の依頼を受ける。彼の村では木工を地場産業とし、新興の家具メーカーに製品を卸していたが、仕入れ値があまりに低く、たまらずメーカーの名をかたり独自に販売に走ったという。名を騙ったことにメーカーが立腹。訴訟になったという。

★ ほかならぬ男の依頼とあって、弁護士は仕事を引き受け、訴訟は無事に終え、また事案にマスコミが食いついたために、村は何かと栄えることになった。めでたしめでたしというところだが、弁護士は何かひっかかるものを感じた、という話。

★ 読書の秋ということで、読書に精を出している。まずは高橋和巳「悲の器」(河出文庫)。なかなかページは進まないが、ハマれば中毒性のある文体と内容だ。戦中、戦後と法曹の世界で生きたある男の活躍と不始末を描いている。学園紛争の最中、教授と学生とのやりとりなど、実にリアルだ。

★ 朝井まかて「恋歌」(講談社文庫)。こちらは幕末から明治にかけて生きた女性を追っている。佐伯一麦「帰れぬ家」(新潮文庫)。認知症の父親とそれを介護する家族が描かれている。野沢尚「魔笛」(講談社文庫)。ある新興宗教の教祖に死刑が言い渡されたとき、渋谷の交差点でテロが起こる。角田光代「ツリーハウス」(文春文庫)。祖父が死に、孫は家族のルーツを見つける旅にでる。

★ 他にも面白い作品があればつまみ食いしながら、読み進めている。

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