☆ 安倍龍太郎さんの「等伯(下)」(文春文庫)を読み終えた。良かった。
☆ 絵の天才という業を背負い、それゆえ時代に翻弄され、自らの煩悩に苦しんだ人生であった。その苦しみは作品に昇華され、松林図屏風を生んだ。苦しみがあったゆえの、難があったゆえの境地であった。
☆ 「等覚一転名字妙覚やな」 すべては、近衛前久のこのつぶやきに尽きるのかも知れない。
☆ 諸難ありとも、一道に徹した故の成仏であった。「成は開くの義なり」(「御義口伝」)という。本来備わった仏性、あるがままの自分を開会できたのだろう。縁覚の悟りのように思える。
☆ いくつか好きな文がある。「すべてが在りのままで尊い」(上巻347頁)、「人はそれぞれ重荷を背負いながら懸命に生きている。大切なのはその生き様であって、地位や名誉を手にすることではない」(下巻190頁)
☆ どちらも勇気づけられる文だ。安倍龍太郎さんは、長谷川等伯の人生を通してこの生き様を見せてくれた。実に普遍性のある作品だった。感動した。
☆ 絵の天才という業を背負い、それゆえ時代に翻弄され、自らの煩悩に苦しんだ人生であった。その苦しみは作品に昇華され、松林図屏風を生んだ。苦しみがあったゆえの、難があったゆえの境地であった。
☆ 「等覚一転名字妙覚やな」 すべては、近衛前久のこのつぶやきに尽きるのかも知れない。
☆ 諸難ありとも、一道に徹した故の成仏であった。「成は開くの義なり」(「御義口伝」)という。本来備わった仏性、あるがままの自分を開会できたのだろう。縁覚の悟りのように思える。
☆ いくつか好きな文がある。「すべてが在りのままで尊い」(上巻347頁)、「人はそれぞれ重荷を背負いながら懸命に生きている。大切なのはその生き様であって、地位や名誉を手にすることではない」(下巻190頁)
☆ どちらも勇気づけられる文だ。安倍龍太郎さんは、長谷川等伯の人生を通してこの生き様を見せてくれた。実に普遍性のある作品だった。感動した。
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