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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

家庭訪問

2011-04-28 09:40:37 | 日記
「いいか、家に帰ったら、お母さんに『お酒を出さないように』と必ず言うんだぞ~。」

フレッシュマンを迎えた4月もあっと言う間に過ぎ、明日からゴールデンウィークに入ると言う。早いものだ。新緑が風になびく、風薫る五月がそこまで来ている。

時計の針を40数年前に戻す。

この時期、私の小学校では家庭訪問が始まろうとしていた。
約半月の間、担任の先生が、クラス45名の児童の全家庭を訪問する。先生は、学校での学習状況や生活態度を親に話し、親は家庭での過ごし方、宿題の取り組み状況、等についての話し合うのである。

家庭訪問の期間中、授業は午前で終わり、午後からは、先生方が各児童の家を訪ねて回る。主たる産業が農業と林業の田舎町である。いや「町」と言うより「村」と言った方が正確かもしれない。
道路(県道)はまだ舗装されていない悪路の時代である。半日で回れる戸数はそう多くない。
特に新任の教員は、慣れぬ土地ゆえ、目的の児童宅を探しあぐねることもままあった。そんなこともあろうかと、慣れた母親は、自宅まで先生を道案内するよう子供に言いつけた。

自宅に先生を案内した児童は、先生と親の面談が終わるまで、奥の座敷や縁側に控えていた。『先生もお袋も、変なこと言うなよ~』と祈りつつ、ちゃんと聴き耳だけは立てていた。

私は、当時テレビで観ていたアニメの「少年スーパージェッター」の真似だと言って、教室の窓から飛び降り、下りたところを先生に首根っこを捕まえられたり、裏庭の池で捕まえた蛙を、女子の机の中に入れて驚かしたりしては先生に頭をコツンと打たれた。また、チョーク粉がたっぷり着いたラーフル(黒板消し)を教室の入り口の戸に仕掛けたりと、結構悪戯が多かった。

先生はきっとお袋に自分の悪行の全てを話すだろうと恐れていたが、意外と、悪戯のことは一切言わず、「明るく活発な子だ」と言う表現に言い換えてくれた。さすがに、先生は大人である。

ところで、面談の際、先生は座敷に上がらず、玄関先に腰かけて、親と応対した。
玄関口とは言え、母親はお茶と普段見ないお菓子を出した。もっとも、先生はお菓子には手をつけないから、先生が帰った後で自分に回ってくるのも楽しみだった。

しかし、中には、「先生を玄関先で迎えるのは失礼だ。」と座敷に上げて酒(焼酎)を進める家庭もあった。当時、田舎に住む親たちにとって、学校の先生は特別な存在であった。教員は、大学出のインテリであり、人格に優れた職業と思われていた。 
今の時代なら、教師が児童を軽くげんこつを食らせただけでも、新聞の三面記事ネタにされるだろうが、当時は、「学校で先生に叱られビンタを貰った」と親に言ようものなら、「それはお前が悪いことしたからだ」と、また親に叱られるのが関の山である。

いくら先生の権威が高い時代とは言え、勤務中に飲むわけにはいかない。
「先生の飲み相手をしないと失礼だ」と言って、わざわざ仕事を休み、家を訪ねてくるのを待っているオヤジもいた。そんなオヤジに捕まったら、他の家を訪問することができなくなる。


と言うことで、冒頭の先生の通知事項になったわけである。

さて、時計の針を戻した現代、小学校の家庭訪問ってどうなってるんだろうか?(平)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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