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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

まだ見えない

2011-04-09 17:16:03 | 日記
 大地震から1ヶ月が過ぎたが、未だに被害の全容は見えて来ない。涙が止まらなくなってしまうような悲しい出来事は至る所にあり、それらの本当に目を向けなければならない、忘れてしまってはいけない部分はマスコミの記者たちがそれこそ全身全霊を賭けて飛び回り少しずつ掘り起こしてくれている。だが、今私の言いたいのはそういう意味の被害の全容ではない。主に経済に及ぼす被害の全容の話である。

 地震そのもので倒壊した工場や道路、鉄道、港湾施設などがたくさんある。また、地震後の津波によって壊されたもの、停電によって使えないもの、原発事故によって稼動できない施設、農水産業の各現場などの被害。そして、これら被害に関連して、全く被災していないにもかかわらず業務が回らなくなってしまった工場や商売など。例えば商品が入荷できなくて商売あがったりのお店などが、今は在庫で対応していても在庫が無くなり次第、日本中の至る所に出現してくるかもしれない。こういう被害の全容である。

 言い換えれば、日本経済のダメージの全容、と言っても良い。おそらく相当にひどいことになっているだろうと思うが、今はまだ見えない。日本の政治家の胆力が弱いことの証左でもある。原発事故の影響と同じような話で、事細かに危ない話をしてしまうとみんなパニックになってしまうだろうと考えているのかもしれない。そのために結局後手に回る話しばかりすることになる。見たくない、見せたくない現実でも分かち合わなければならない時がある。

 大手企業もまだ全容理解に努めている状況らしい。震災後の新しい手はまだ打ち出せていない。かなり深く傷を負っているのに、傷を負った自分自身がよく理解できていないために傷を負う前のままの動きをしているようなものだ。いずれ、自分の傷の深さがわかれば、それに見合った計画と治療とリハビリが必要になる。いずれにせよ、できるだけ早く被害の全容を知るのは大事なことだ。

 全国民と被災地の皆さんが納得するだけ大きなダメージであったことが明確になれば、政治は速やかに分散と集中の決断を行わなければならないだろう。地元を愛する被災地の方々には本当に申し訳ないことだが、東北または日本と言う大きな意味での地元を守って頂く、ということで理解して頂く以外ない。また、企業にしても同じことだ。自分達の愛する企業を守り抜きたい気持ちは良くわかる。しかし、これだけのダメージに対抗し、自分達の価値観や世界の価値観を大きく変えるまで生き抜くためには、ばらばらな小さな力で局地戦をしていてはいけない。優先的に復旧する地域や企業を決め、人と資源を集中して、そこに「活気」を生み出さなければならない。「活気」ある空気の中、本当に自分達はこれからも「金」中心の生活を送るつもりなのか、原子力発電に頼る生活に頼るつもりなのか、活発に議論するべきだろう。痛みを知った「活気」は、決して間違った決断をしないだろうと思う。戦後の日本が崇高な憲法9条を生んだように。

 だが、まず全容を理解することが先決だ。そのためには、企業も国も個人も、自分達の知り得た情報を積極的に開示して欲しいと思う。相当後になって、「実はあの時、本当はこんなに危ない状況だった」などと語る人が出て来ないことを願うばかりだ。本当に危ない状況があるなら今その時にみんなで考えるべきなのだ。(三)


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株式会社ジェイエスピー
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