い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

最長距離昼行特急大阪しなの

2016年02月07日 18時29分18秒 | 旅行記
最も長い走行距離を誇る昼行特急をご存じでしょうか?
広大な北の大地を駆け抜ける北海道の特急を浮かべる人も多いのではないでしょうか。あるいは九州のにちりんシーガイアを挙げる人もいるのではないでしょうか。
実は、最長距離の昼行特急は大阪~長野間の特急しなの9号と16号です。(日記執筆現在)

特急しなのといえば名古屋~長野間という印象が強いですが、1往復だけ大阪発着の設定があり、通称大阪しなのと呼ばれています。
JR東日本・JR東海・JR西日本の3者に跨がって運転され、走行距離は441.2km、5時間を超えるロングランです。

この大阪しなのは次の平成28年3月26日のダイヤ改正で大阪~名古屋間が廃止され、特急しなのの全列車が名古屋発着となります。
なかなか地味な存在であった大阪しなのですが、最長距離昼行特急の座を明け渡すとなると全区間を乗りたくなるものです。というわけで、さっそく都合がついたため先日乗りにいってきました。

乗ったのは特急しなの16号長野発大阪ゆきです。

長野駅の発車案内です。
丁寧に名古屋経由と表示されています。


乗ったのは先頭車両です。自由席で最前列はデッキ越しに前面展望が望めます。


最後部はパノラマのグリーン車です。
長野ゆきでは先頭で、やはり最前列は前面展望が望めますが、廃止発表以来、1か月前の発売と同時に完売のようです。


塩尻~名古屋間の通称中央西線は青春18きっぷ片手に普通でしか乗ったことがなく、しなのでは初めて利用する区間です。カーブも多くなる中央西線を振り子の本領を発揮し、右に左に傾きながらもかなりのスピードで通過していきます。
前面展望をしているとあっという間に名古屋です。ここまで約3時間ですが、退屈しません。名古屋からが大阪しなのにとっての本番!?です。かなり陽が傾いてきましたが、カーテンが閉じられることがないため前面展望を継続します。

大垣~関ヶ原間の下り線は、普通列車が通り垂井駅に止まる通称垂井線のほかに垂井駅を迂回し上り勾配を緩和した下り本線があります。
下り本線を使用するのは優等列車と貨物列車のみです。特急しらさぎも下り本線を通りますが、前面展望ができるのはしなのが唯一です。下り本線の前面展望も見逃してはなりません。
また大垣を通過するのもしなのの見所のひとつです。

米原を過ぎてJR西日本管内に入ると、多少余裕のあるダイヤとなりますが、外側線を快走します。
大阪には定着し、5時間にわたる乗車にも関わらずあっという間に終わってしまいました。


利用状況をみてみると、名古屋で大半が降りてしまい、ほぼ満席だった車内も2~3割程度になってしまいます。会社跨がり列車の縮小傾向をみると、急行ちくまのなきいまではこの利用率では存続は難しかったものと思います。
少なからず中央西線から京都・大阪までの利用者があり、乗り換えなしで直通するということに利用価値を感じている利用者が居たことも事実です。

私が乗車した際はまったりしており終始落ち着いて過ごせました。今後、大阪しなのの惜別乗車は増えていくものと思いますが、大阪ゆきは先頭が自由席ゆえトラブルが起きないことを祈ります。

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