い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

台風のときは計画運休を

2018年09月15日 16時42分17秒 | 鉄道員の愚痴
9月になって記録的な夏の暑さも落ち着き過ごしやすくなりました。この1ヶ月間は台風が連続発生し、台風21号による被害や胆振東部地震では日常生活に大きな影響がありました。被害に遭われたみなさまにお見舞い申し上げます。

台風21号は、近年にはない強い勢力で近畿を直撃しました。関西空港では高潮により滑走路などが水に浸かり、連絡橋に走錨したタンカーが衝突し空港機能が止まりました。街中では電柱が倒れたり、屋根が飛ばされる映像がテレビで流れていました。
こんなに被害のでた台風は私は記憶にありません。温暖化でスーパー台風が発生するようになった証ですね。

台風が過ぎ去ったと思えば続いて北海道で地震が起きました。北海道では初めてとなる震度7の激震です。
山が丸ごと大きく崩れた姿が揺れの強さを表しています。山崩れだけでも大変な被害ですが、さらに停電が道民の生活を直撃しました。
一番大きい発電所が停止した影響により北海道各地の発電所が停止し、ブラックアウトという大規模停電に陥りました。全面復旧には時間がかかるようです。北海道はまもなく冬を迎えますから心配です。

台風と地震という災害に見舞われた日本ですが、台風と地震の違いは事前にわかるかどうかです。
台風は気象予報により数日前から襲来は予測できますから事前に備えることができます。対して地震は予知の研究が行われているとはいえ、まだまだ実用化には至っていません。
勢力の強い台風が接近し被害が出ると繰り返しニュースで伝えられているのですから我々もしっかり備えなくてはいけないですし、仮に空振りに終わっても気象庁を批判しるのではなく「被害がなくてよかった」と捉えることが必要です。

JR西日本は、2014年の台風19号のときから事前に「何時頃から運転を取りやめる」という計画的運休を積極的に実施しています。この取り組みはほかの鉄道会社やもっと多くの企業に広まってほしいものです。
台風が直撃して影響がなく平常運転することはありえません。安全が担保できない規制値を超えてからではなく規制値を超える前に運行を取りやめるのは鉄道会社にとっても考え方の転換が必要ですが、必要にな時代になってきたと言えます。


似たような例は航空界では古くから行われてきました。
『九州の空港では午前中から運航に影響がでる可能性があります』といったように悪天候で遅れや欠航、引き返しや他の空港への着陸する恐れがある条件付き運航など運航に影響がでる可能性がある空港を事前に知らせてくれます。さらに影響がでる恐れがある便の予約は、実際の運航に関わらず手数料なく、予約便の変更や払い戻しをしてくれます。
LCCだと変更や払い戻しは手厚くないかもしれませんが、大手航空会社ではこんな具合です。鉄道以上に気象の影響を受けやすく、気象の情報収集や分析をしっかりしているからだと思います。

JRだと○○線へのご旅行は取りやめくださいという案内があるときがあります。旅行中止の慫慂とよばれるもので、この場合は払い戻しに手数料はかかりません。ただ、これをWEB上で積極的に周知しているのはJR西日本しか知りません。
旅行中止の慫慂は、すでに運転を見合わせている路線に対して行われるので、影響がでる前から旅行の取りやめをお願いすることはほぼありません。

JR西日本が計画運休を決めたことで、企業も臨時休業したり、在宅勤務を指示するなど事前に対処できたことはよい傾向です。
台風が来るのはわかっているけど、朝電車が動いているからいつも通り出勤して、帰宅難民になる。一斉に繰り上げ退社して交通機関が麻痺するというのが日本人の悪い文化です。なかなかすぐに変わらないのも文化ですけど、JR西日本のようなは取り組みが広まればきっと日本全体が変わるはずです。

電柱が倒れる暴風雨の中、電車が止まれば外に居ることが命に直結しますし、人が移動することがリスクです。JR西日本の計画運休のおかげで助かったという人も多いはずです。まだ大丈夫だと思ったのに帰宅できなくなるケースはかなり減らせたと感じます。

台風シーズンはまだ終わりません。
悪天候が見込まれるときは無理に出社せず、休みや自宅待機となるのが当たり前になりますように。
(そのためには我が社も考え方を変えてほしいものです)

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