小澤・代表選出馬か。どうやらガチらしいな。
なかなかの決断だと思うよ。まさにルビコンの決断。渡ってはならん川を渡ってしまったらしい。
これで、俺はおそらく小澤が順当に代表選に勝利し、小沢総理が誕生する可能性が高くなったと思う。
代表選まではよかろう。問題はその後だ。
まず第1に。菅が、「自分が代表選で破れたら衆議院を解散する」と言って、1年生議員を牽制している点。
今回、菅が代表選で敗れれば、反小澤勢力はオシマイだ。小澤が菅と協力する為の条件として出した、仙石・枝野は確実に更迭され、遺恨を残した菅はそのまま消えるであろう。それならば、1年生議員を衆院解散で脅していた手前、衆院解散をやっても、俺は驚かない。完全に権力の私的利用ではあるものの、やりかねないだろう。
解散するのであれば、当然「一年生議員が俺に従わないから解散する。俺にはその権利があるのだ!」では世論から非難轟々になってしまうので、なんらかの大義名分が必要だと思うが、
「刑事告訴される可能性がある人が総理で国民はいいのか。小澤さんは先日、自ら責任をとって幹事長を辞任なさった。それ以降、選挙の洗礼を受けておられない。国民に信を問う必要があるのではないかと思った。」
とか言っちゃえばいいのである。
…うーん。でもそんな事をすると、菅と小澤は完全に敵同士で選挙に臨む事になるんだが…。やりかねないとは思うものの、解散する言い訳と禍根を残したままの呉越同舟選挙戦をどうするかが、全然想像がつかない。こんな理由で解散とか、前代未聞だしなぁ。
第2に、所謂小澤の「政治とカネ」の問題。
反小澤の枝野が言うように、故意の政治資金規正法違反は悪質な犯罪である。小澤はもはや刑事告訴される寸前の状態で寸止めされている状況。総理になれば、今まで通りコソコソと誰かの影に隠れて、記者会見みたいな誰も文句を言わないところでふんぞり返って傲慢に、「君はアホか」といわんばまりの態度でしか喋らない生活は最早できない。
自分の口で、質問に答えねばならないのだ。今まで以上に注目されるようになるだろう。
幹事長を辞めた事により、禊が済み、2ヵ月後に代表選に出馬して総理大臣とか、さすがに民主党に投票した愚かな国民も騙せないほどに酷いモラルの低さだ。政治に疎かろう、民主党の1年生議員も、さすがに自身の所属する政党の異常さに肩身が狭いのではないだろうか。
衆院解散総選挙がなかったとしても、ダーティーな側面がさらに表面化するだけで、人気が出る要素は(後述するが皆無ではない)ほとんどない。
そんな訳で、永田町を外から眺めれば、小澤は徒花である事がわかるものなんだが…。何を考えているのやら。
ま、それでも小澤総理にメリットも存在する。
これが、わずかながらに「小澤に人気が出る」メリットなのだが、要するに円高対策である。
日本がなかなか為替介入しようとしない理由は、アメリカに気兼ねしている面があると思われるのだが、反米色が色濃い小澤なら、アメリカの顔色なんぞうかがわずに円高阻止に動くだろう。
例え何もしなかったとしても、現在の菅や野田よりは遥かに「市場に対して毅然としている」のである。
確か、会社を解散して資産を分配した場合の株式の価値が8800円程度だったはず。9000円を割り込んだ株安にしても、1ドル80円近い円高にしても、最早極限状態なのだ。
「小澤」という劇薬の投入は、事円高・株安には一定の薬の役目を果たすだろう。最低の経済政策しかできない菅や野田により、ドン底までたたき落とされた日本経済。今なら、仙石や野田に総理が変わらない限り、他の誰でも円安・株高に持っていく事ができるのだ。
ここを利用し、「経済対策の小澤」を売り込めば、初期の段階でかなりの支持を得られる可能性がある。
…ま、それでも無理だろ。反日亡国色が強すぎるよ。さすがにこれは、菅以上に長期政権になる将来像が想像できない。
まだ、菅が再選した方が延命できただろうに…。小澤が出てきたせいで、よりムチャクチャになってきたな。
やっぱ、小澤は「小澤システム」による自らの「強制起訴・阻止」が狙いなのだろうか。そうでも考えないと、この無謀な代表選出馬の意味が不明なんだよな…。
とりあえず。ウォッチャーとしては。
総理という総受けポジションに立ってしまった小澤は、最早傲慢に振舞う事が難しくなるはずなので、「傲慢でない・受けの小澤」が多少「絵」として興味がある。
もう国会欠席とかアホな事はできねぇはず。野党のみなさん!サンドバックにしてやってくださいっ。
ウジウジ喋る気持ち悪いクセも少しはマシになりますかね?
あとは鳩山を上回る低支持率更新に期待でしょうか。
居眠り議員から国会サボタージュ議員に代替わりというのも民主党らしいっちゃあ民主党らしいダメさ加減かなあ、と思いました。
流れを見ていると、小沢は当初、幹事長ポストで手を打つつもりだったようですね。幹事長職にあれば、検察審査会が起訴相当の議決を出したとしても、民主党の援護を受けることができます(総理ほか大臣たちが原口のように推定無罪を口にする状況)。
しかし今のようにポストを持たない“素っ裸”の状態で起訴相当を受ければ、党から離党勧告が出かねません。
反小沢派は妥協する気はなく、これを機に小沢を干し殺すつもりだったようですから、小沢としてはいろいろな無理を押してでも、今出ざるを得なかったのでしょう。
今後の展開で嫌なのは、
小沢勝利・小沢総理誕生
反小沢派、碌な抵抗もできず沈黙
民主党現有勢力維持
民主と公明の部分連合
といった展開でしょうか。
公明党もどう見ても真っ黒にしか見えない小沢と手を組むのはためらうでしょうが、外国人地方参政権のような自民と組んでいても実現できなさそうな政策をちらつかされたら、大義名分を考え始めるかもしれません。
そうならないためにも、ここは一つ反小沢派にも蛮勇をふるってもらい、大いに潰しあってほしいものです。