あるウソつきのブログ

日本の左翼が売国的すぎて、本当の左翼がいない事を嘆く、多分左翼的な人のブログです。

保守の普遍化

2015年10月08日 23時15分48秒 | 読書
 俺、小学4年生の時の事である。
 ウチの親父は「少年ケニヤ」という小説を、俺に読み聞かせしてくれた。

 

 少年ケニヤ 全巻(文庫版)

 読み聞かせてくれたのは1巻だけだったのだが、俺はその少年ケニヤの続きが読みたくて読みたくて仕方がなくなり、毎月少しずつ小遣いで、全20巻を購入し、読破した。

 舞台は太平洋戦争勃発時。商社マンとしてアフリカの英国領ケニアに駐在していた父、村上大介と息子のワタルが、日本が米英との交戦状態になり、捕虜にされる事を恐れて逃走。ケニアの奥地で父と離れ離れになるという話だ。
 ケニア住民は、「日本人は素晴らしいと思っている。恩返しもしたい」と言って、いろいろと良くしてくれるシーンがあり、思えばアレは俺が初めて「ああ。日本って外国にいい事もしてるんだな」って思った最初の記憶である。

 なんせ当時、日本は自虐史観花盛りの教育内容である。俺はマジで「日本人はアジアの癌細胞である」って先生が俺ら生徒に教えているのを聞いていたのだ。

 「少年ケニヤ」みたいな本は当時本当に珍しく、日本のサブカルは、長いことリベラル全盛であった。地球市民的な。
 そんな中でも、よく漫画では「日本は平和ボケだ」という台詞が出てきていたけど、それは、日本人を貶める為に、作者もよくわからんままに使っているような感じだった。

 そんなわけで、俺が学生当時一番好きだった小説は、リベラル色が強い「星虫」である。岩本隆雄の。

 星虫年代記1

 

 好きなアーティストも、やっぱり左翼色が強い人(さだまさしとか…)だったりと、俺、面白い物語を書く人ってのは、やっぱ美しい理想を掲げたリベラルな感じでないとダメなのかなぁ。名作とかできないのかなぁって思ってたんだよね。

 自分で、自作の小説を空想したりしてた。面白い、右翼的な小説とか、書けないものかと。そんなものが存在しないのなら、自分で書けないだろうかと。

 まあ、文才もないわけで無理なんだけど。

 そんな情勢が、安倍政権になってこっち、ちょっと変わってきているように思う。
 先日、アニメ化された「ゲート」っていう、異世界物の小説を知ってるだろうか。

 ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編〈上〉 (アルファポリス文庫)

 

 日本の科学技術から見れば、1000年は遅れてる魔法世界から、日本に向けてワープゲートが開き、押し寄せてきた中世ちっくな軍隊を自衛隊が撃退し、逆に異世界に侵攻する話なんだが。

 異世界の利権をめぐって米中露との掛け合い、事なかれ主義の日本のリベラルすぎる政治家、政治的に縛られてはいるものの超文明的強者の自衛隊、なんでもかんでも事実を歪めて伝えるマスゴミ…。そして、アキバ系自衛官の英雄的主人公と、日本の食文化やサブカルにハマる、異世界の美少女達。

 些かご都合主義的すぎるとは思うのだけど。結構面白かった。
 というか、よくこの内容でアニメ化できたな!とマジで思った。本編は5巻で完結しているのだけど、俺が日本の政治で不満に思っている事が、かなり全般的に散りばめられた小説だった。

 海外反応系が一つのジャンルを築き上げ、異世界物がちょっとした「静かなブーム」になっている昨今、日本の優位性を紹介するにはいいジャンルだよね。異世界モノ。

 「倍返しだ!」で超有名になった半沢直樹シリーズのドラマの原作も、最新刊「銀翼のイカロス」は、民主党への政権交代の頃から、前原誠司らがぐっちゃぐちゃにしたJAL再生タスクフォースの話だし。

 銀翼のイカロス

 

 今少年マガジンで連載中の、俺が今最も楽しみに読んでる漫画の1つ、「アクマ・ゲーム」はSEALDsのデモネタをやっている。

 ACMA:GAME(13)

 

 日本のサブカルを中心に、徐々に保守的なものが滲んだ作品が、しかも面白い作品が出てきつつあるのだ。

 アクマ・ゲームがバカを扇動する系のデモの話をネタにしてきた時、日本人の根底にあった「リベラルが理想」ってのが、崩れてきているのを感じた。

 俺は、どんなにリベラルがお花畑で鳩山由紀夫のように軽ーい頭の連中であったとしても、創作作品には、保守系のリアルは侵食できないと思ってたんだよね。面白い作品も、リベラル系に比べて、理想でないだけに産みにくいと思っていたんだけど。

 最近、ほんと確実に数が増えているような気がするのだ。手塚治虫や宮駿級の人は、当然まだまだ現れていないけど。
 あ。今日紹介した本は全部読了しているよ。俺。こーゆーのが、これまでの日本のサブカルと同じように、「これからのサブカル」の一部として、世界に広がっていって欲しいなぁと思うのである。

 「ドラッカーのマネジメント」の二番煎じを狙った、三橋貴明氏の「コレキヨの恋文」みたいな、最初から「啓蒙」を狙ったものではない創作物で、こーゆーのがさり気に混ざってきているのが素晴らしいのである。

 コレキヨの恋文 (PHP文庫)

 

 米中(レイプオブ南京とかラストエンペラーとかバトルオブチャイナとかジョン・ラーベとかアンブロークンとか)が、露骨な嘘でプロパガンダするようなのを真似るのではなく、こーゆー日本が抱えるストレス部分を世界に伝えていけるようなものが、今後増えていければいいと思う。


 リベラルが普通でなく、今、日本において保守と呼ばれているものが「普通」に移行しようとしている。戦慄の事実とは思わないか。

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懐かしの名作?

2014年06月28日 00時01分39秒 | 読書
【小説】死ぬまでに読むべき名作ライトノベル特集
http://www.bookoffonline.co.jp/files/lnovel/pickup/pickup_meisaku.html

 おおぅ。これは懐かしい。

 と思った。ざっとひと通り見たが、正直数が多すぎる。なんつーか選定理由が売上オンリーのような気がして仕方がない。なんという気に食わないラインナップ。

 俺の心のバイブルである新潮ファンタジーノベルシリーズがまったく入っていないのが実に本当にガチでむちゃくちゃ気に入らない。星虫は?イーシャの舟は?鵺姫真話は?六番目の小夜子は?
 後に頭角を表す鈴木光司や、酒見賢一、恩田陸も含まれた良質な作品を内包していたにもかかわらず、売上が振るわず速攻で消えていった新潮ファンタジーノベルみたいなレーベルこそ、俺は「死ぬまでに読むべきライトノベル」だと思うね。

 と、言うわけで現在も購入可能な、

 岩本隆雄のいわゆる「星虫三部作」が、俺にとって不動の超おすすめである。


星虫年代記1
※「イーシャの舟」と「星虫」に書きおろしの「バレンタインデイズ」を加えたリメイク版。俺は未購入

 つーかね、現代にあわせて加筆訂正されちゃってて、新装版星虫はパワーダウンしてるんだよね…。新潮ファンタジーの頃の星虫がすごい好きなんだが、こっちはもう、売ってないんだよなぁ。まあ、パワーダウンしつつも、それでもかなりイイのでおすすめである。テクノロジー解説的に、俺の現在の職業ゆえ、いい加減すぎて鼻につく上かなり左翼志向だけど、ガチである。

 あと、なぜか突然、最近アニメ化した、ドマイナーな「氷菓」。挿絵もなく、表紙も「かまいたちの夜」みたいな地味な感じだったのに…。「わたし、気になります!」のヒロインの京アニ絵が表紙になってミーハーな見た目になってしまった。すごく悲しい。
 でも内容凄い面白い。この作者の他の作品も、みんな味があって好きである。「さよなら妖精」とか。


氷菓 (角川文庫)


鵺姫真話 (ソノラマ文庫 (912))

 ああ。なんというか俺、実はラノベの書評だけで1日1本として10年はエントリし続ける事ができるぐらいなんだけど。「都市戦記・妖魔アルディーン」とか、「こちら幽霊探偵局(永井豪のダイナミックプロの心霊レポートあとがきが特におすすめ)」とか、「絶句(新井素子ならこれだろ!緑幻想とか星へ行く船とかふざけんな)」とか、「少年ケニア」とか、ああもう殴られでもせんと止まらんわってぐらい、好きな本が出ていないのが悲しい。「七回死んだ男」とか。「夏の魔術」とか。

 ま、それは置いといてだ。

 この、「死ぬまでに読んどけ」のラノベ…とくに古いやつだが、このリストの中にある、いくつか琴線に触れたやつを紹介していこうと思う。
 つーか8割以上読んでるんだけど。全部紹介したいぐらいなんだけどううう。

【星へ行く船】
 駄作。ただし1巻だけ。新井素子は「なんでやねん」とツッコミを入れたくなるぐらい、1巻が…違うわ。1話めがヘタ。以降はそこそこ。名作とは言わんが良作だと思う。完結話の「アルファだより」が存在することはあまり知られていない。

【宇宙皇子】
 駄作ッ…!!1~20巻が最高に面白かった。即ち地上編と天上編でやめてれば間違いなく名作だった。黎明編(48巻)ラストで文庫引き裂いて捨てたくなった。

【アルスラーン戦記】
 駄作!!!王都奪還でやめておけば名作だった。つーか積ん読嫌いなのでもう新巻買わない。

【十二国記】
 駄作…。図南の翼ぐらいまで楽しんで読んでたけど待つの疲れた。そういえばゴーストハント(十二国記のスピンオフ)もリストにあった。リスト作成者はファンか。

【聖魔バスター】
 駄作…。圧倒的に駄作だったと思うが…。なぜか当時の俺の周辺で読んでる奴が多かった。何故だ…。妹がすっげぇ好きだった。いや俺も最終話まで読んだけど。納得できん。読まなくてもいい本。類似品にハイスクールオーラバスターも。しかもオーラバスター未完じゃなかったか。

 あ。なんか駄作連呼してたら滅入ってきた。個人的に聖魔バスターとオーラバスターがリストアップされてた事にものすごい違和感があったので、駄作と言いたい昔からある本を並べてみた。リスト作者はこれらをガチで名作だと思ってるのか本当に。

 まあ、好きなのもあるよ。タイムリープとか、狼と香辛料とか。別種の言いたい事もある。平井和正なら幻魔大戦よりウルフガイだろとか。そりゃ幻魔大戦の方が売れたかしらんが。

 でも、売れてたから名作とか、違うと思うんだよ俺。

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コレキヨの恋文読了

2012年04月04日 16時07分04秒 | 読書


コレキヨの恋文

三橋貴明氏の新刊。えーっともしかして俺は、氏の本を読んだのは初めてかもしれず。
ご本人がブログで、確か「『もしドラ』がヒットしたので、同じようなネタでマクロ経済を啓蒙できないかと思った」とかなんとか、書いてたような気がする。
俺は、彼の著書を読んだのが多分初めてなので、彼が他にどんな本を書いているのかは読んだことがないのだけど、多分小説家ではなかろう?経済関係のビジネス書ばかりだと思う。だもんで小説としては処女作かと思うのだけど。
確かに、物語として見れば少々イマイチな点は否めないんだけど。でも少なくとも「もしドラ」よりは「話」として面白かったし、この内容でちゃんとマクロ経済の啓蒙書になっている事に驚いた。
正直、ちゃんと解っている人からすれば、これは完全に常識で構成されていると言っても過言ではない。「マクロ経済に興味が出てきたから、わかりやすいマクロ経済本を読んでみよう」と思って手に取ると、拍子抜けする。マクロ経済に興味が湧いた段階で、普通はマクロ経済関連の常識は既に持っている。なので、そーゆー人がターゲットではない。
これは「マクロ経済に興味がない人の目ん玉からウロコを落としてやろう」という観点で作成された本なのである。「もしドラ」みたいにアニメ化したり映画化したりして、多数の人に国民経済を理解してもらおう、啓蒙しようという試みなのだ。「もしドラ」読んだ連中がドラッガー読んでいるとは思えないだろう?要するにそういう事だ。

しかし確かにすげぇよこれ。ネタが。「晩年の是清の時代と現代日本に様々な共通点がある」というワンアイデアのみで、話がここまで膨らませる事ができる著者の力量に脱帽。
少々、自民党と高橋是清の美化がハナにつく部分はご愛嬌だが、別に嘘は書いてない。綺麗にまとまったオハナシ。これはオススメ。「学研まんがでよくわかるシリーズ」が好きなら、絶対に買って損はない。特に

「民主党が嫌いだけど奴らの経済政策のどこに根本的問題があるかわからん」

という層に読んで欲しい。ちなみに俺は、嫁に啓蒙する事を第1目的で購入した。嫁は政治的保守&市場原理主義的思想の持ち主で、イマイチデフレ脱却の処方箋にピンときていない。まさにそういう層の為の本。売れまくって映画化される事を望む。これが常識になったら、日本の政治はちったあマシになる。

後、俺的には「財政研究会」等の初見の政治用語にいくつか触れれた事が、ちょっとした収穫だった。ネットだけじゃ、知りたい事を深く追求する事はできても、知らない事に触れるのは難しいからな。やっぱ本は定期的に読まなあかんと思うわ。

そんなわけで。
映画化をはじめとするメディアミックス計画を応援する意味でも、「買え!」と啓蒙しておく事にする。

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狼と香辛料が佳境に入った

2010年09月16日 22時11分46秒 | 読書
 1コ前のエントリに絡む余談なんだが、今月の新刊だった「狼と香辛料」が、実にタイムリーなネタだった。「狼と香辛料」は、時代的には中世かな?主人公が商人で、「中世の経済」をメインのテーマとして扱ったライトノベルである。

 【狼と香辛料1】
 

こっちが最新刊。【狼と香辛料〈15〉 太陽の金貨<上>】
 

 デノミや先物取引等、昔からあった考え方なんだなぁという、現代の経済に興味があればさらに面白い小説で、神様(=老いない美少女)と人間(主人公の商人)の恋愛もの小説でもある。
 実に変わった小説で、最初の方の巻は本当に純粋に面白く、ぐいぐいと引き込まれる。

 後半は茅田砂胡の小説みたいに惰性で続く感じになるんだけど、潮時を作者がきちんと理解しており、多分次巻で最終回である。いや…上下巻だしなぁ。ホントに今回のエピソードで終われるんだろうか。
 毎回、その時の経済ネタを当ててきているように思うのだけど、今回はホント偶然だろうと思う。でなきゃ預言者みたいだ。
 ホントは、前回のエントリは、このネタも絡めたエントリにしたかったんだけど、ネタバレになっちゃうから書かなかった。
 どうしてタイムリーなのかは、読んだ人が考えてみたらいいと思う。

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(ネタバレ改行(パソ通ちっくで懐かしいなぁ…))











 今回の毎日新聞やら鳩山由紀夫が、狙っているであろう経済効果の話であった。
 新規通貨発行成功時にどんな事が起こるか…。とかそんな話だ。
 以上。

クドリャフカの順番文庫化!

2008年05月31日 14時39分42秒 | 読書
 いやっほう。米澤稔信の「クドリャフカの順番」が文庫化した!!

 俺は貧乏(=無駄に使える金は持ってない)なので、ハードカバーはめったに購入しない。気になる本はリスト化し、いつも文庫化か古本を待っている。
(金融・経済関連は滅多に文庫化しないのでハードカバーでも購入する事はあるけど。つーかなんであのへんの本は文庫化しないのかなぁ!)

 で、最近は職場のビルに某大型書店があるので、日参してチェックしていたのだが、平積みで山のように入荷してたよ!デフォ買い。昨日から読んでいるが、おおおおもしれぇー!

 古典部シリーズの「氷菓」・「愚者のエンドロール」は文庫なのだが、以降は全部ハードカバーなので(角川スニーカー文庫としては、前2作は売れず、それ以上本が出せない状態になった模様。いや、この2作面白いから。ライトノベルユーザーに売るには地味すぎるんだよ。戦略ミスだろ)文庫化を待っていたのだ。

 米澤稔信の前2作の欠点として。全てのピースが出揃うまでの物語のかったるさがあったんだが…。
 「クドリャフカの順番」は前半から飛ばしてるなぁ!日常にちりばめられたギャグも秀逸だ。もうぐいぐいひっぱられるひっぱられる。あきらかに前2作の欠点をカバーしている。こりゃーオチも楽しみだね。

 で。

 俺は、朝(通勤:行き)は産経新聞朝刊、夜(通勤:帰り)はゲームか本で、夜の「クドリャフカの順番」を楽しみにしてたのに…。

 …本。忘れてきた…。会社で気がつく。

 あれ?

 …会社って、こんなつまらん場所だったか…?



 あ、それと、アフェリエイトはじめてみた。
 「クドリャフカの順番」の文庫版が欲しいけど、お前にキックバックを恵んでやるのは気にくわねえと言う人は、回避してください。