年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

古代から悠久の彼方へ(3)

2007-12-17 | フォトエッセイ&短歌
 神代(じんだい)植物公園は、東京都調布市にある都立唯一の植物公園である。園内には約4500種類、10万株の植物が植えられ、4季の草木が千変万化に移ろい、年間を通じて花木の観賞が可能な植物園として親しまれている。最近では梅や桜やバラ、ツツジやハギの名所としても知られている。
 もともと、東京都の街路樹を育てるための苗圃(びょうほ)だったが、1961年に神代植物園として開園された。師走の空に見上げるような街路樹のケヤキやアオギリの葉が舞っている。彼等も若かった頃、この神代で育ったのかもしれない。

<存在感を示す芝生広場のバンバスグラス:西洋やなぎ。シルバーの穂が輝く>

 紅葉が真っ盛りである。秋が深まるこの頃、昔から「紅葉狩り」と称して詩歌にも詠われてきた。日本人は木々の葉の移ろいに殊のほか深く心を動かして来たのである。豪華絢爛、深山全山天空に至る圧倒的な錦繍(きんしゅう)の彩りがあるかと思えば、ベランダの片隅で楚々と色付く野草の彩り…。それにしてもこの見事な紅葉・黄葉は何だろうか。

<ハゼノキ(櫨紅葉):果皮からロウソクの原料をとるのでロウノキという別名>
 
 気温が低くなると、落葉樹は根からの水分吸収が弱まる。すると葉の根元にコルク質の物質ができ、根から葉に吸い上げられていた水や光合成で出来ていた養分(糖やデンプン)の通り道をさえぎってしまう。すると養分が葉の中に堆積し赤色(クリサンテミン)の色素がつくられると同時に葉緑素が分解して緑色が消えていくのだ。カエデ・ドウダンツツジなど紅葉の代表である。一方イチョウ・カツラなどは黄色(カロチノイド)によって黄葉となるのである。
 サラサラ血液がドロドロ血液になって身体に悪さするような感じだな~科学は美しきものの内面をしばしば暴き立ててしまう。

<調布市深大寺元町 5-31-10 JR中央線吉祥寺駅また三鷹駅南口よりバス>