紅葉にはやや早いが甲斐の国、武田信玄のふる里に退職風来組がブラブラと出かける。大河ドラマ『風林火山』の放映中とあって「風林火山」の指物が所狭しと翻って観光バスが行き交っている。宿代も1割増で経済効果には捨てがたいものがあり誘致合戦も熾烈とか。
『これ勘助、川中島の合戦ももう終わりワシも長ごうはない。次はどの辺りと心得る』『ははア、お屋形様、軍師・山本勘助めの策は「夕張とか津軽辺り」かと存じまするが』
それにしても「風林火山」。何か力強く語呂の響きがよく、上杉謙信の「昆」とでは勝負にならない。しかし、歴史は皮肉である。女を近付けなかった不犯の英雄:謙信、方や好色で子沢山の信玄。滅びたのは武田家であり、上杉は末代まで名を残す事になる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/c6/afcf1eab41db91b14a30042be5bf63bc.jpg)
「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」⇒<疾(はや)きこと風のごとく、徐(しず)かなること林のごとく、侵掠(しんりゃく)すること火のごとく、動かざること山のごとく>だから何だ。ナンカ意味ガワカランと思ったら、中国の古い「孫子(そんし)」という兵法の本の一説で前後があるのだそうだ。「戦いに勝つ方法は敵の結束を混乱させ裏をかき、自分に有利な条件を臨機応変(りんきおうへん)につくり物事を良く見計らって戦にのぞめ」という趣旨だそうです。正々堂々と真正面からの戦術では戦に勝てないというのだ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/4d/2f9b47e8a7fbbf00eae377b8dbe1aead.jpg)
武田軍滅亡の後、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康に支配され武田一族の再興は無かった。甲州は都への街道筋であり、黄金の産出国で軍事・経済の重要な拠点であった。
長篠の合戦で新兵器鉄砲に破れた武田の騎馬軍は土地支配も有力武士に一任という土豪を基盤にした古いやり方であった。軍師・勘助の時代は去っていたのだ。それはまた逆に領主と農民の繋がりを強固にしていたはずである。
村境や路傍に多くの粗末な地蔵尊が祀られているのが目を引く。野に散った敗軍の我が主の密やかな供養でもあったのか知れない。「風林火山」の里は石仏の並ぶ里でもある。武田節である ~祖霊(それい)まします この山河 敵にふませて なるものか 人は石垣 人は城 情けは味方 仇(あだ)は敵仇は敵~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/c9/0a622ea0a04bf2e8a4914de789aff4e3.jpg)
秋には似合わない濃い色調の花が石仏の側で揺れている。石垣となって倒れた雑兵どもの血のりでも吸収したかのように…
『これ勘助、川中島の合戦ももう終わりワシも長ごうはない。次はどの辺りと心得る』『ははア、お屋形様、軍師・山本勘助めの策は「夕張とか津軽辺り」かと存じまするが』
それにしても「風林火山」。何か力強く語呂の響きがよく、上杉謙信の「昆」とでは勝負にならない。しかし、歴史は皮肉である。女を近付けなかった不犯の英雄:謙信、方や好色で子沢山の信玄。滅びたのは武田家であり、上杉は末代まで名を残す事になる。
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「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」⇒<疾(はや)きこと風のごとく、徐(しず)かなること林のごとく、侵掠(しんりゃく)すること火のごとく、動かざること山のごとく>だから何だ。ナンカ意味ガワカランと思ったら、中国の古い「孫子(そんし)」という兵法の本の一説で前後があるのだそうだ。「戦いに勝つ方法は敵の結束を混乱させ裏をかき、自分に有利な条件を臨機応変(りんきおうへん)につくり物事を良く見計らって戦にのぞめ」という趣旨だそうです。正々堂々と真正面からの戦術では戦に勝てないというのだ!
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武田軍滅亡の後、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康に支配され武田一族の再興は無かった。甲州は都への街道筋であり、黄金の産出国で軍事・経済の重要な拠点であった。
長篠の合戦で新兵器鉄砲に破れた武田の騎馬軍は土地支配も有力武士に一任という土豪を基盤にした古いやり方であった。軍師・勘助の時代は去っていたのだ。それはまた逆に領主と農民の繋がりを強固にしていたはずである。
村境や路傍に多くの粗末な地蔵尊が祀られているのが目を引く。野に散った敗軍の我が主の密やかな供養でもあったのか知れない。「風林火山」の里は石仏の並ぶ里でもある。武田節である ~祖霊(それい)まします この山河 敵にふませて なるものか 人は石垣 人は城 情けは味方 仇(あだ)は敵仇は敵~
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秋には似合わない濃い色調の花が石仏の側で揺れている。石垣となって倒れた雑兵どもの血のりでも吸収したかのように…