年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

古代から悠久の彼方へ(2)

2007-12-12 | フォトエッセイ&短歌

 国立天文台三鷹キャンパス、星空ウオッチャーには必見の研修場所。天文台歴史館(大赤道儀室:1926年築の国登録有形文化財)のドームの部分は木製で造船所の技師の手法で建造され、焦点距離10mにおよぶ屈折望遠鏡をすっぽり納めている。口径65cmの屈折望遠鏡としては国内最大で土星の衛星や星の位置観測に使われていた。
 初期、天文台の仕事と言えば経緯度の決定・暦の計算・時間の決定という市民生活に結びつくような結びつかないような民営化する訳にはいかないお仕事。現在は第1線を退いているが、その重厚幾何学的感触は圧倒的で老将軍の風格を思わせる。


<望遠鏡にはカメラ望遠鏡が取り付けられ太陽の黒点の写真撮影が行われた>

 天文台歴史館の前に至る100mの歩道が人気の「太陽系ウォーキング」コーナーである。太陽から土星までの距離は14億km、これを100mに縮めて惑星間の距離と様子を体験しながウォーキングするものである。つまり、太陽系の大きさを140億分の1に縮めたもの。1歩が約50cmなら、土星までは200歩。でも、その1歩はなんと700万kmに相当する。普通の頭ではイメージすら浮かばないのだが。
 例えば太陽に最も近い水星の径4880km/太陽から5800万km(0.39AU)・質量(地球を1とする)0.0553・赤道重力(地球を1とする)0.38・衛星数なし<温度:昼は430度 夜はー170度 大気殆ど無し。クレーターのような窪地に氷があるかも…>
 とてもついていけませんネ~。14億kmの遙か悠久の世界を共感するのは無理、人間は余りに小さい存在なのだ。


 
<月にはウサギ、火星にはスルメの親玉様の火星人の存在そんな夢もあった>

 木枯らし1号が吹き抜けた後、国立天文台三鷹キャンパスは秋の気配に押し包まれた。遅かった紅葉が一気に始まっている。地球と太陽の距離は1AU(1天文単位)約1億5000万キロメートルだそうだ。
 しかし、その太陽も50億年は輝き続けるがやがて燃え尽きて輝きを失ってしまうとか。地球最期の日ドウスンダロウ!深刻な心配をしながら宇宙を後にする。


<1万年前の世界から14億km先の世界に思いを馳せて。入場料はタダでした>