年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

春浅き

2015-04-29 | 俳句&和歌

◇◇◇   春浅き

 春の訪れが早かった。その為に三寒四温もヤクザの出入りよろしく忙しかった。
初夏を感じさせるポカポカ陽気にほっこりしていると寒波の襲来で氷雨だ、アラレだとなる。体温調整が鈍くなった高齢者には招かざる難敵である。
 しかし、昨今はヒートテック、ユニクロの防寒機能ウェアなんて優れ物があって大助かりだ。ふと「駱駝の股引」などが思い出される。庶民には高値の花だったが、まだ存続しているのか

 ビニールのトンネル内は温もりて
            ゴーヤは二寸イボなどまといて

 早まった 仕舞ったコート恨めしい
              氷雨に煙る坂の参道
 

  春浅き木瓜の実青くもこもこと 

  蕗の薹色なき土手にさみどりを

 

 ※駱駝の股引(ラクダのももひき)=ラクダの毛で織った下ばき。
 ※蕗の薹(ふきのとう )=春一番の山菜 
 ※ゴーヤ=苦瓜(ニガウリ)ゴーヤーチャンプルーの材料


春の雨

2015-04-21 | 俳句&和歌

  ◇◇◇  春の雨

昨今の雨は作物にとって恵みの雨である。暦で言う穀雨。
路傍の雑草の若葉さへ柔らかな緑を輝かせ、恵みの雨に声を上げているよう だ。
は云え、過ぎたるは及ばざる如し、で「卯の花腐し」となるとウンザリである。今年の春雨はいささか降りすぎではないのか!


  冬枯れの梧桐老木さみしけれ穀雨めぐりて木肌艶めく


 公園にひとつ自転車横になり主あらわれずなお春雨やまず


   春の雨突き刺している葦牙は


  春雨じゃ濡れるも一興八重桜

 

 ※穀雨(こくう)=春夏秋冬を24に細分した季節の表現
 ※梧桐(ごとう)=あおぎりの別称。落葉樹で樹皮は緑色
 ※葦牙(あしかび)=葦の若芽。芽は牙・錐のように鋭い