年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

五輪招致の裏金疑惑

2016-05-31 | 俳句&和歌
◇◇◇◇    五輪招致の裏金疑惑
 2020年のオリンピックはトルコのイスタンブールを制し東京に決定した。2013年9月7日である。東日本大震災の復興の遅れ、とりわけ福島原発の炉心溶融(メルトダウン)による過酷事故の終息の見通しも無いのにスポーツ祭典でもあるまいという批判も少なく無かった。
 華やいだ空気が流れプレゼンテーションでの「お・も・て・な・し」が流行語となり、批判めいた事が言いづらくなった。「東京オリンピック招致委員会」は解散され「東京オリンピック競技大会組織委員会」が順風満帆で動き出した。
 ところがである、決定していた「五輪エンブレム」が盗作疑惑で白紙撤回、計画案の新国立競技場(3000憶円)の白紙撤回と根幹を為す部分で醜態を露呈するお粗末である。
 続いて、東京オリンピック招致委員会が「五輪招致」の為に2億4800万円以上をブラック・タイディングス社にコンサルタント料として支払っていたことをフランス検察当局が発表(2016年5月16日)した。「不法な支払い=闇献金」なら東京五輪は白紙:開催返上に追い込まれる事もある。
 竹田JOC会長は送金を認めると同時に契約に至った経緯に問題がなかったか調査に乗り出したが、タイディングス社は幽霊会社に等しく実態も不明である。そもそも招致の為のコンサルタント料という怪しげなゲンナマの行く先は押して知るべしか。
  「東京オリンピック招致委員会」が闇献金と知って送金したのか、騙されてマンマとせしめられたのか、どちらであるにせよ承知することは出来ない。
  すでに解散してしまったが「東京オリンピック招致委員会」の所轄は東京都で舛添知事が最高責任者である。
 舛添都知事の疑惑の満艦飾にまた一つ招致裏金疑惑の幟が掲げられた。「本日天気晴朗ナレドモ波高カルベシ」舛添丸は元気に船出しているが無事に航行出来るとは到底考えられない。



 
    五月雨がタワーマンション薄墨に塗り残したか灯りがいく

 
    舛添の表情並べ分析すテレビは長閑に五月を閉ざす

 
    騒がしく憲法記念の月尽きて立憲主義の熟成を待つ



 
        タラの芽は葉を茂らせて梅雨を待つ

 
        総入れ歯なってしまったと初カツオ

誰に深謝するのか

2016-05-24 | 俳句&和歌
◇◇◇    誰に深謝するのか

 ベッキーがボロボロと涙の号泣で川谷との騒動を振り返った。週刊誌でゲス川谷との不倫報道が流されてからマスコミは4ケ月追いまくった。演歌系のおじさん達には何がそんなに問題なのか、面白いのか分からないが、出演番組は両手でも抱えきれない超人気タレントに「ゲスの極み乙女」の川谷との不倫ともなれば奥方を巻き込んで「サテ如何に!」と盛り上がらない訳はない。
 「ケシカラン、許さんぞ。視聴者をなめんなよ。謝罪せよ」そんなこんなでベッキーは10社のCMから下ろされ、その違約金は6億円とか。テレビのレギュラー番組も11本が全滅となった。
 そして、ようやく「金曜日のスマイルたちへ」に出演し復帰を果たした。テレビの向こうから、こちら側にボロボロと涙の号泣で深謝する映像が流れた。違和感というか「何をやってんだ」という絵であった。
 私たち視聴者は彼女の泣きの涙に共感する事はないし、謝ってもらう理由も必要性もない。そもそも国民に向けて頭を下げる意味があるのか。だが、早速、ネットでは「絶対、まだ好きだね」「未練タラタラだね」等とコメントが相次いだ。
 立憲主義や憲法改正などの喫緊の話題ではコメンテーターがコメント出来ないだろうし、局側もうっかり口を滑らせてお上に睨まれて高市早苗総務相に「電波停止」でも喰らったら一大事だ。
 ゲスの不倫報道なら自由闊達に縦横無尽に番組が制作出来るという事であろうか。ベッキー様々である。
 
※川谷絵音(かわたにえのん)27才は「ゲスの極み乙女」のボーカリスト、ギタリスト、作詞家、作曲家。東京農工大学工学部応用分子化学科卒業という異色の才能の持ち主。紅白歌合戦に出演し「私以外私じゃないの」を披露している。
 
※ベッキー32才。 母が日本人で父が英人の二重国籍(後に日本国籍)。14歳で下着モデルのオーディションで芸能界入りした。タレント活動しながら亜細亜大学経営学部を卒業した。ドラマ 音楽 バラエティ 執筆とマスコミを席巻するスパースター。
 




      強面も活断層に兜とり「負けんばい」とぞ肥後の国衆

 
      二人して可愛い賢いしみじみと犬抱く男に孫を掲げ見せ

 
      放送の優先順位の物差しはイチにお笑い政治は控え
 



        葉裏にも光り眩しき青嵐の

 
        マスコミやはや夏日にも後ずさり

 
        大根の花に溺るる多摩の川

今後は節減に努める

2016-05-14 | 俳句&和歌
◇◇◇   今後は節減に努める

 舛添要一都知事を会議費や海外視察費、公用車週末別荘通い等の高額な数字を挙げて批判している。都知事の政務活動費だからつましい庶民の経済感覚からすれが、別世界の数字である。曰く、欧州出張費5000万円、龍宮城スパホテル会議費37万円、別荘に公用車49回で400万円…… 
 それが法令違反でなく、都政の安寧平安が保たれ、市民の生活が保障され、まあ夢と希望までもとは云わないまでも、健やかな暮らしが出来るなら問題にする事ではない。しかし、現在の舛添都政が豊かな都民生活の付託に応えているとは到底思えない。況や政治資金規正法違反や法旨に逸脱するなら言語道断、即刻辞職のうえ司直に委ねる事だ。
 そもそも知事の年収:2222万円(月収145万円)。厚労省は「いわゆる貧困人と言うのは年収130万円」(国民の6人1人)としているから、知事の月収にも達しない年収レベルで暮らしている貧困家庭がウヨウヨしているのである。欧州旅行で知事は1泊19万8千円のスイートルームを使ったと云うから常識の範囲を超えている。「今後は節減に努める」と反省しているのは無駄遣いを認めた事だ。てんぷら・寿司代などなど政治資金45万を返金するという。
 5月12日のベタ記事が目に焼き付いている。<お湯2リットルを盗み建造物侵入・窃盗容疑で現行犯逮捕><男52才は「温かいものが食べたかった」と容疑を認め「生活が苦しく、水道・ガス・電気を止められた」と供述している>
 このような「貧乏物語」はごまんと報道されている。別荘行の車代でカップ麺のお湯が何杯確保出来るのか。格差の実態に目をつむり、公私混同が分からない知事は失格である。
 52才のこの男、鉄格子に閉ざされた「別荘」暮らしでホッと一息英気を養う事が出来るであろう。
 
 
 

    都市外交パリ・ロンドンで5000万五輪実現成果隆々

 
    天敵の舛添降ろしの光明だ都議会自民虎視眈々

 
    龍宮城で鯛や平目の舞い踊り会議チョコッと粛々と開く


 

      青嵐に加減もあるか藤棚に

 
      主居ぬタックス・タワーは春の果

 
      夏近し光が光り重なりて



 
※青嵐(あおあらし・せいらん)=茂った木々の葉や草を揺さぶって吹く強い風
※タックス・タワー=高額な税金を投入して建造された東京都庁舎の揶揄

産めよ増やせ

2016-05-06 | 俳句&和歌
◇◇◇    産めよ増やせ

 5月5日はゴールデンウィークの最終日で「こどもの日」、五月晴れに翻る鯉のぼりはガキの頃の原風景である。屋根より高く泳ぐ鯉のぼりが家々の庭先を飾った。
 この当たり前の風景も昨今は郊外にでも出掛けないと見られない。マンションなどの集合住宅が増え鯉のぼりの空間が無くなっただけではない。子供が居なくなってしまったのである。総務省は毎年「こどもの日」に合わせて子どもの数(15歳未満)を発表している。それによれば1605万人で前年より15万人も少なく、1982年から35年連続の減少となっている。15万人と云うと東京都の多摩市が無人の街になってしまう数字である。
 深刻な少子化問題が指摘され続けているが、少子化の流れは止める事が出来ない。「おじさん議員」が「産めよ増やせよ」的なトンチンカンな発言をして顰蹙をかっている。まずは安心して子供を産み、育てられる社会的環境を整える事である。
 3度の食事もままならない子供達の増加は経済格差の増大によってますます深刻化している。終戦直後の飢餓状況である。<「夏休みが終わる頃、体重が減る子どもがいる」学校教育の現場では、給食がない夏休みに食事を十分取れず、体調を崩す子どもの存在が危惧されている。子どもの成長に必要な栄養が取れないこのレベルの「相対的貧困」状態にある子どもの割合は6人に1人である」>クローズアップ現代が警鐘していた。
 この実態は解消どころか、更に悪化している。子供の日の主旨は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかる」とされている。
 安倍政権は「全ての子供が夢と希望を持って成長していける社会の実現」と云っているが、憲法改正ほどの熱意さらさらに無し。
 
 
 
     スクイズも盗塁もあり一丁前 サインに頷くつぶらな瞳
 

     保育園元気な声が騒音と騒動伝えるニュースにガックリ
 

     前髪をまだ上げそめし銀輪の少女ら尻あげ堤を渡る


 
 
 
      マンションの西陽にたれる鯉のぼり
 
      スケボーにへっぴり腰の子供の日
 
      教室や五月の風に出来不出来