年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

6日間のサバイバル

2016-06-08 | 俳句&和歌
◇◇◇◇    6日間のサバイバル

 七飯町の林道で田野岡大和君が行方不明になったと父親から函館中央署に届け出があったのは5月28日の夕刻である。翌日から捜索が始まったが手掛かりが掴めず、警察や消防に加え馬、警察犬、自衛隊を投入するなど200人態勢で本格的な捜索が続けられた。
 自衛隊の専門的な捜査でも足取りは杳として分からず痕跡も発見出来なかった。「山菜採りではぐれた」から「しつけのために、置き去り」にしたと嘘の発言も報道され「ナゾ深まる」「虐待か」などのコメントが出始めた。
 遂に五日目には捜索態勢の縮小が発表さたが、異論は出なかった。生存の可能性は限りなくゼロ、食べ物を持たずTシャツ一枚の7才の子どもが五日間も生存しているとは考えられなかったからである。
 ところが、6月3日の朝、陸上自衛隊駒ケ岳演習場でマットにくるまっている大和君が隊員によって発見された。それは、消防・警察・自衛隊・地元ハンターなどいわばその道の練達の士たちの想定外の場所であった。
 置き去りにされ、涙を流して方向感覚を失い、車を追いかけたつもりが反対の山側に向かったのだ。木の生い茂る上り下りの山道を10キロも彷徨い歩いたのである。そして、動かないで待っていればきっと助けに来ると信じて水を頼りに暗闇の夜を過ごしたのである。偶然というより「すさまじいサバイバル能力」と自衛隊員が舌を巻いたという。
 元気で発見されたのは奇跡中の奇跡、目出度しメデタシであるのだが、自衛隊のセキュリティチェックの甘さを指摘する声が出ている。
 実は、「廠舎」(しょうしゃ)の「カギを閉め忘れ」ていたので大和君は難なく施設に侵入できたのである。自衛隊第11旅団の担当者は「施設管理上の不手際」と謝罪している。更に「30日の舎内点検時に誰の姿も見なかった」と言うが、規定通りにチェックしていたのか、という疑問符である。
 まあ、何とも!……「キチンと施錠されていた」ら小屋に入れなかった大和君、「キチント点検されていれ」ば30日に発見されていた大和君。
 
 
 

     舛添の歌壇賑わす「不適切」ネタは尽きまじせめての功徳
 
     シナリオを越えし6日のサバイバル「父さん許すよ」7歳は清し
 
     緑陰の帰れコールが地を揺らし毛虫が落ちてヘイトデモ止む


 

       時の日やこまめに水と予報士や
 
       梅雨めいて和酒か洋酒か思案時
 
       ヘイトデモ毛虫の落ちて中止せり

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