経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

ゴキブリはなぜ捕まえにくいか

2011年01月16日 | Weblog
周囲が動いている。他の人も動いている。

その動きがわかるのは、自分が動いていると
捕まえにくい。とりわけ同じ方向に動けばわかりにくい。

このことを縷々述べてきた。

これを逆に言えば、固定費がわかると変動費がわかる。
自分を停めて見なければ、相手の動きは捕まえにくい。

あたふためいていては、状況は掴めない。
右往左往するな。落ち着け、といったことになろう。


当然、相手だって動いている自分はわかりにくかろう。
ゴキブリが捕まえにくいのではない。
動いているから、捕まえにくいのだ。

その証拠に、死んだゴキブリは簡単に捕まえられる。
理由。動かないからだ。


「私は、こういう人間だよ」
と説明しているときは、一時的に自分を止めた時点をいっている。

五代目古今亭志ん生だったか、[お直し]のアタマにこういう話がある。
ある男が健康診断にいった。医者から[百歳までは生きられる]
と太鼓判を押され、有頂天で病院を出た。
そのとたん、車でひかれて死んだ。

何とものやるせない話だが、この男、医者に文句は言えない。
医者のその時点の状態からの将来(さき)の診断であり、
将来の情勢変化を診断したのではないからである。

これは損益計算書、貸借対照表なども、
決算日における状況に過ぎない。

過去は未来を約束しない。
今もまた将来(さき)を約束していない。

理由は、「変化」するからである。

となればせめて、この今時点をもって、
将来の変化を可能な限り、読み、対応するしかない。

それは、可能か。
どうしたらいいか。

私がよく口にする「情勢判断学」が、その方法である。

その根本は、世の中には、動く物と動かない物がある。
経費には、変動費と、固定費がある。

このことは、片方を押さえればあとは掴める、
ということである。

畢竟、不動のものを持たない者が、
変化を読めるはずがない、ということになる。