経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

学びの貪欲さ

2006年04月30日 | Weblog
 他山の石という言葉がある。
 どうも人は、成功事例に学ぶことには熱心でも失敗から学ぶことは苦手らしい。自分の失敗はつくろうし、他者の失敗には俄(にわか)評論家になり多弁する。また先のことは語っても、過去のことには寡黙になってしまう。

 企業犯罪や社員不正、たとえばNHKのカラ出張旅費や請求書の水増しなどが問題になっても、「この際、うちでも徹底的に調査してみよう」といった積極的な動きになることは少ない。

 ことを荒立てるという意味ではなく、こうした機会を活用して、自らのインターナルチェックシステム(内部牽制制度)が機能しているか、組織のよどみはないか、再確認してみることが、組織の浄化作用と学習効果を高める絶好のチャンスと考えている。 

 「化信頼している社員を疑うのか」という声が聞こえてきそうであるが、とんでもない。「当社ではそういったことは一切さいない」と、従業員が胸をはれる、誇れる社風作りの一貫として行うのである。それに調査はなにも疑惑解明の専売ではない。清廉の証しのための手段でもあるのだ。

過去の成功事例からも学び、また失敗事例からも学ぶ、他の成功からも失敗からも学ぶ、あらゆる機会、出来事から学ぶ姿勢と意欲、いわば学びの多角化といった学習姿勢、そうした貪欲さ、しぶとさが、企業や人を大きくする、と考える。