経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

「それやめ。これやる」

2005年03月22日 | Weblog
「皆さん、景気は戻ったと言われているのに、内はここ2、3年前から店は下降線ですわ。観てくれないか」とHさん。知り合いのHCの社長である。
 「2、3年頃、つて正確にいつからですか」
 「その頃、何か変更とかなんかやったことありますか」 
 「下降線って、全部門ですか」


 この3つの質問をして
 後は売り場に出た。10分もかからず理由がつかめた。

 1日指導してもらえると思っていた彼は、30分で帰ろうとする私に大いに不満顔。

 不振の理由は景気でもない。努力不足でもない。店頭の花売り場が、入り口を塞ぐようなレイアウトだからだ。また店内通路ははみ出し陳列だらけだからだ。

 売上げの90%以上を店内で稼いでいるのに、花売り場がはみ出し入り口を塞いだため、入店客数が減少。通れない通路では、お客は買い物できないから、それが買上点数の減少理由。それだけのことだ。  
 
 買えない状態を作っておいて、売れないの理由を別のものに求めてと、多くの人は努力する。この場合の「努力」は、無駄である。努力は、通常忙しさを生む、いらつきを生む、無理を生む、こうした派生的にものまで巻き込んで、「無駄」である。
 やらないでいいことをやって、何の成果も生まないのであるから、その損失は大きい。

 入り口がふさがれば、そうなることは誰しもわかる。わかっていてもその入り口を観ること成しに、経済学、経営学的、マーケット理論的に、考え込んでしまう。

 売る立場の人は、売る立場からものを考えることをいっさいやめ、買う立場から、自分の店を診る体質を作ることだ。難しいという人がいるが、トンネルは入り口から入っても、出口から入っても、難易度が変わるわけはない。その労力も時間も掛からない。
 はやい話が、この場合、店長か誰かがショッピングカートで、お客と同様、外から入り口、各通路を通り、レジ、そして出口へと、1日一回でもやるだけで、とっくに解決していたのだ。
 
 それを経営者も、店長も、現場を読まず、「不況の時代の売上げ不振脱出法」といった本を読んでいるのだから、あきれる。

「それやめ、これやったら間違いなく3週間で上向きますので」と失礼した。

 別に忙しいわけではなく、ここで暇つぶしするより、帰ってビデオをみた方がいい。
今晩は、21時からTVで「青春の門」2部、観なければならないのだから。