経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

魚と風船

2005年03月05日 | Weblog
たとえば、ここに200万という数字がある。これが過去のものであれば、それは何かを成した「結果」であって変えることはできない。もしこの200万が未来のものであったた、それはバーチャルなもので、絵に描いた餅に等しい。これを前者の状態、「結果」にするためには、その結果を確実に生じさせるプロセスが不可欠である。確実に、という意味は願望や夢であってはならない。厳密には、自動販売機に120円を投じたら120円相当のドリンクが出てくるようになっている。これを経済学では、「取引」といっている。取引が確定したわけだ。

 だから120円入れて150円の商品が出てくることもないし、80円の商品が出てくることはない。なぜならそのようにセット(取り決め)しているからである。だからそのようにセットしていなかったらそのようにならない。200万円の売上げを確実に1年後に達成するためには、確実に達成するようにセットしておく必要があるということだ。

 もし1年たって、結果としてそれが未達であるということは、そのようにセット(取り決め)していなかったということを意味する。もちろん、自販機みたいにはいかないから。200万の結果を確実化するには、リスクを考えて230万はいけるようにセットしておく、といった念入れが必要だろうが。目標を上回っての不都合もあろうが、下回った場合よりはましだろうから。

 1年先の結果を200万円と固定しておいて、それが確実化するためには、その目標にまっしぐらというやり方と、200万売り上げるためには、その間何を成すべきかと、未来から手元へ引き寄せるありかたがある。

 二つあるなら、二つ法やる手もあるが、ふつうはより確実、よりコストなりエネルギのかからない方を択一するはずだ。

 2メートル先に大きな風船がある。これを手にするには、大きくは2つの方法がある。つかみに行くか、引き寄せるかだある。水中で魚を捕まえたいとする。二つの方法がある。追いかけるか、引き寄せるかでさる。

 風船も魚も手を伸ばせば、先に逃げる。だから引き寄せる方がいい。風船なら、団扇を口に向かって仰ぎ、引き寄せる。掃除機で吸い寄せるのも良い。魚なら、彼らの好物のミミズを撒き、引き寄せる。方法は戦術だからいくらでもあろう。

 目標、ここでは200万円の売り上げだが、これも追いかけるのではなく、引き寄せる方法をとった方が良いのでは、というのが私の提案である。

 なぜなら、引き寄せるという戦略は、風船にしろ、魚にしろ、彼らの協力を得るわけだから、こちらの金やエネルギーがかからないからだ。来ていただくという行為は、車を使えばガソリンダイ代がかかるが、これを風船持ち、魚持ちということになる。

 売り上げようとするから、孤独の作業になる。おまけに売上げ恋しやと、遠いかければ消費者は「わしゃ、あんたを恋しゅうはない」と逃げる。それで追いかける。追いかけると逃げるから、競争になる。競争はダイエット効果はあるが、それはエネルギーの消耗だ。第一疲れる。

 だか消費者の方が、こちらへ自らの経費できてくれ、200万買いたいんだ。頼む、とすり寄ってきたらどうだろう。

 ごちゃごちゃ理屈言わずにどっちが楽か素直に判定したら、誰しもほんとうは後者を選択するだろう。だったらどうしてその方法を考えない、なぜその方を選択しないのだろう。