ピレモンヘの手紙 1-7
キリスト・イエスの囚人パウロと兄弟テモテから、わたしたちの愛する同労者ピレモン、 姉妹アピヤ、わたしたちの戦友アルキポ、ならびに、あなたの家にある教会へ。 わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。 わたしは、祈の時にあなたをおぼえて、いつもわたしの神に感謝している。 それは、主イエスに対し、また、すべての聖徒に対するあなたの愛と信仰とについて、聞いているからである。 どうか、あなたの信仰の交わりが強められて、わたしたちの間でキリストのためになされているすべての良いことが、知られて来るようになってほしい。 兄弟よ。わたしは、あなたの愛によって多くの喜びと慰めとを与えられた。聖徒たちの心が、あなたによって力づけられたからである。
今日はピレモンへの手紙を通読します。この章のない短い書簡は、ローマで軟禁状態にあったパウロからコロサイ教会の信徒の一人、ピレモンに宛てて送られた個人的な手紙です。パウロを自らを主の囚人と呼んでいます。それは実際にパウロが皇帝ネロに上告していたため囚人としてローマに監禁されていた事実に掛けて、人の権威よりも更に上位にある神の僕として自ら志願して囚われているのだというパウロの心意気が感じ取れます。そしてパウロはピレモンをはじめコロサイ教会の人々の愛と信仰を伝え聞いて、喜びと慰めが与えられていることを神に感謝しています。真の神の僕は、神と同じ心をもって、人々の信仰によって力づけられ、福音が実を結ぶことを何よりも喜ぶ者です。
https://www.bible.com/bible/81/phm.1.1-7.ja1955
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ピレモンヘの手紙 8-14
こういうわけで、わたしは、キリストにあってあなたのなすべき事を、きわめて率直に指示してもよいと思うが、 むしろ、愛のゆえにお願いする。すでに老年になり、今またキリスト・イエスの囚人となっているこのパウロが、 捕われの身で産んだわたしの子供オネシモについて、あなたにお願いする。 彼は以前は、あなたにとって無益な者であったが、今は、あなたにも、わたしにも、有益な者になった。 彼をあなたのもとに送りかえす。彼はわたしの心である。 わたしは彼を身近に引きとめておいて、わたしが福音のために捕われている間、あなたに代って仕えてもらいたかったのである。 しかし、わたしは、あなたの承諾なしには何もしたくない。あなたが強制されて良い行いをするのではなく、自発的にすることを願っている。
コロサイ教会の信仰を何よりも喜んだパウロは、いよいよ本題について話を切り出します。それはオネシモという人物のことです。彼はかつてピレモンの奴隷でしたが、何らかの事情で彼の下から逃亡し、ローマに流れ着いてパウロと出会い、改心して主の僕となって、パウロに仕える人となりました。そして今パウロは、彼をピレモンの下に送り返すにあたり、オネシモを寛大に受け入れてほしいと願い、この手紙をしたためたのです。オネシモという名前には「役に立つ」という意味があるそうですが、ここでパウロはかつてのオネシモはピレモンにとって「無益な者」であったと、言葉の掛け合わせをしています。しかし真理の御言葉、まことの神を信じる信仰には、何の役にも立たない無益な者を、有益な者へと変える力があります。
https://www.bible.com/bible/81/phm.1.8-14.ja1955
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ピレモンヘの手紙 15-19
彼がしばらくの間あなたから離れていたのは、あなたが彼をいつまでも留めておくためであったかも知れない。 しかも、もはや奴隷としてではなく、奴隷以上のもの、愛する兄弟としてである。とりわけ、わたしにとってそうであるが、ましてあなたにとっては、肉においても、主にあっても、それ以上であろう。 そこで、もしわたしをあなたの信仰の友と思ってくれるなら、わたし同様に彼を受けいれてほしい。 もし、彼があなたに何か不都合なことをしたか、あるいは、何か負債があれば、それをわたしの借りにしておいてほしい。 このパウロが手ずからしるす、わたしがそれを返済する。この際、あなたが、あなた自身をわたしに負うていることについては、何も言うまい。
パウロはオネシモがピレモンの家から離れたのは、彼が奴隷という主従関係でピレモンの下に留まるためではなく、信仰という強い絆でピレモンと永遠に結びつけられるためなのだと説きました。そしてもしオネシモに何らかの負債があるならば、パウロがその代価を支払うと、手書きの署名をしました。これは額面が無記入の白地小切手と呼ばれるもので、パウロがどれほどオネシモを愛していたかがわかります。オネシモがピレモンの下を離れたのは、何かを盗んで逃亡したのではないかとも言われていますが、当時の奴隷制度では、そのような奴隷は主人がどんな罰を与えてもよいとされ、死刑さえも認められていました。そんなオネシモの負債のみならず、身元請負人、保証人となると署名したパウロの愛は、主イエスが私たちの罪の身代わりに十字架に掛かられたその愛と同じです。
https://www.bible.com/bible/81/phm.1.15-19.ja1955
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ピレモンヘの手紙 20-25
兄弟よ。わたしはあなたから、主にあって何か益を得たいものである。わたしの心を、主にあって力づけてもらいたい。 わたしはあなたの従順を堅く信じて、この手紙を書く。あなたは、確かにわたしが言う以上のことをしてくれるだろう。 ついでにお願いするが、わたしのために宿を用意しておいてほしい。あなたがたの祈によって、あなたがたの所に行かせてもらえるように望んでいるのだから。 キリスト・イエスにあって、わたしと共に捕われの身になっているエパフラスから、あなたによろしく。 わたしの同労者たち、マルコ、アリスタルコ、デマス、ルカからも、よろしく。 主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊と共にあるように。」
パウロはピレモンがオネシモを受け入れることを強く願い、従順と忍耐をもって必ず受け入れてくれるであろうと確信を抱いてこの手紙を記しました。そしてその手紙のついでに、自分がコロサイに行くときのために宿を用意しておいてほしいと依頼しました。パウロにとっては自分のことよりもオネシモのことが、そしてピレモンがオネシモを受け入れてくれることの方が最優先課題だったのです。私たちもまた自分のことよりも信仰の仲間たちのために、隣人のために、心を砕いて祈り願う者でありたいものです。
https://www.bible.com/bible/81/phm.1.20-25.ja1955
キリスト・イエスの囚人パウロと兄弟テモテから、わたしたちの愛する同労者ピレモン、 姉妹アピヤ、わたしたちの戦友アルキポ、ならびに、あなたの家にある教会へ。 わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。 わたしは、祈の時にあなたをおぼえて、いつもわたしの神に感謝している。 それは、主イエスに対し、また、すべての聖徒に対するあなたの愛と信仰とについて、聞いているからである。 どうか、あなたの信仰の交わりが強められて、わたしたちの間でキリストのためになされているすべての良いことが、知られて来るようになってほしい。 兄弟よ。わたしは、あなたの愛によって多くの喜びと慰めとを与えられた。聖徒たちの心が、あなたによって力づけられたからである。
今日はピレモンへの手紙を通読します。この章のない短い書簡は、ローマで軟禁状態にあったパウロからコロサイ教会の信徒の一人、ピレモンに宛てて送られた個人的な手紙です。パウロを自らを主の囚人と呼んでいます。それは実際にパウロが皇帝ネロに上告していたため囚人としてローマに監禁されていた事実に掛けて、人の権威よりも更に上位にある神の僕として自ら志願して囚われているのだというパウロの心意気が感じ取れます。そしてパウロはピレモンをはじめコロサイ教会の人々の愛と信仰を伝え聞いて、喜びと慰めが与えられていることを神に感謝しています。真の神の僕は、神と同じ心をもって、人々の信仰によって力づけられ、福音が実を結ぶことを何よりも喜ぶ者です。
https://www.bible.com/bible/81/phm.1.1-7.ja1955
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ピレモンヘの手紙 8-14
こういうわけで、わたしは、キリストにあってあなたのなすべき事を、きわめて率直に指示してもよいと思うが、 むしろ、愛のゆえにお願いする。すでに老年になり、今またキリスト・イエスの囚人となっているこのパウロが、 捕われの身で産んだわたしの子供オネシモについて、あなたにお願いする。 彼は以前は、あなたにとって無益な者であったが、今は、あなたにも、わたしにも、有益な者になった。 彼をあなたのもとに送りかえす。彼はわたしの心である。 わたしは彼を身近に引きとめておいて、わたしが福音のために捕われている間、あなたに代って仕えてもらいたかったのである。 しかし、わたしは、あなたの承諾なしには何もしたくない。あなたが強制されて良い行いをするのではなく、自発的にすることを願っている。
コロサイ教会の信仰を何よりも喜んだパウロは、いよいよ本題について話を切り出します。それはオネシモという人物のことです。彼はかつてピレモンの奴隷でしたが、何らかの事情で彼の下から逃亡し、ローマに流れ着いてパウロと出会い、改心して主の僕となって、パウロに仕える人となりました。そして今パウロは、彼をピレモンの下に送り返すにあたり、オネシモを寛大に受け入れてほしいと願い、この手紙をしたためたのです。オネシモという名前には「役に立つ」という意味があるそうですが、ここでパウロはかつてのオネシモはピレモンにとって「無益な者」であったと、言葉の掛け合わせをしています。しかし真理の御言葉、まことの神を信じる信仰には、何の役にも立たない無益な者を、有益な者へと変える力があります。
https://www.bible.com/bible/81/phm.1.8-14.ja1955
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ピレモンヘの手紙 15-19
彼がしばらくの間あなたから離れていたのは、あなたが彼をいつまでも留めておくためであったかも知れない。 しかも、もはや奴隷としてではなく、奴隷以上のもの、愛する兄弟としてである。とりわけ、わたしにとってそうであるが、ましてあなたにとっては、肉においても、主にあっても、それ以上であろう。 そこで、もしわたしをあなたの信仰の友と思ってくれるなら、わたし同様に彼を受けいれてほしい。 もし、彼があなたに何か不都合なことをしたか、あるいは、何か負債があれば、それをわたしの借りにしておいてほしい。 このパウロが手ずからしるす、わたしがそれを返済する。この際、あなたが、あなた自身をわたしに負うていることについては、何も言うまい。
パウロはオネシモがピレモンの家から離れたのは、彼が奴隷という主従関係でピレモンの下に留まるためではなく、信仰という強い絆でピレモンと永遠に結びつけられるためなのだと説きました。そしてもしオネシモに何らかの負債があるならば、パウロがその代価を支払うと、手書きの署名をしました。これは額面が無記入の白地小切手と呼ばれるもので、パウロがどれほどオネシモを愛していたかがわかります。オネシモがピレモンの下を離れたのは、何かを盗んで逃亡したのではないかとも言われていますが、当時の奴隷制度では、そのような奴隷は主人がどんな罰を与えてもよいとされ、死刑さえも認められていました。そんなオネシモの負債のみならず、身元請負人、保証人となると署名したパウロの愛は、主イエスが私たちの罪の身代わりに十字架に掛かられたその愛と同じです。
https://www.bible.com/bible/81/phm.1.15-19.ja1955
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ピレモンヘの手紙 20-25
兄弟よ。わたしはあなたから、主にあって何か益を得たいものである。わたしの心を、主にあって力づけてもらいたい。 わたしはあなたの従順を堅く信じて、この手紙を書く。あなたは、確かにわたしが言う以上のことをしてくれるだろう。 ついでにお願いするが、わたしのために宿を用意しておいてほしい。あなたがたの祈によって、あなたがたの所に行かせてもらえるように望んでいるのだから。 キリスト・イエスにあって、わたしと共に捕われの身になっているエパフラスから、あなたによろしく。 わたしの同労者たち、マルコ、アリスタルコ、デマス、ルカからも、よろしく。 主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊と共にあるように。」
パウロはピレモンがオネシモを受け入れることを強く願い、従順と忍耐をもって必ず受け入れてくれるであろうと確信を抱いてこの手紙を記しました。そしてその手紙のついでに、自分がコロサイに行くときのために宿を用意しておいてほしいと依頼しました。パウロにとっては自分のことよりもオネシモのことが、そしてピレモンがオネシモを受け入れてくれることの方が最優先課題だったのです。私たちもまた自分のことよりも信仰の仲間たちのために、隣人のために、心を砕いて祈り願う者でありたいものです。
https://www.bible.com/bible/81/phm.1.20-25.ja1955