ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.7.27 働き続けるということを考える

2011-07-27 20:58:41 | 日記
 今は大学という職場に派遣の身になっているが、私はこれまで公務員として働いてきた(今も身分は公務員のままである。)ので、これまでいわゆる寿退社を身近に見ることはなかった。概して公務員になる女性は「定年まで働きたい、細く長く働きたい」と思っている人が殆どである。そのため、よほどのことがない限り”途中で退職する”という選択肢は最初から持っていない。
 かくいう私も病気休暇や病気休職もとりながらも四半世紀以上勤めてきている(今や、しがみついている)が、本当にやむにやまれぬ事情がある以外、結婚退職や出産退職した職員が身近にいたことはなかった。

 ここ数年来、大学の固有職員や派遣の職員など、いろいろな雇用形態の方たちと肩を並べて仕事をしている。雇用形態により職業観が違うということではなく、結局のところ個々人の価値観によるのだろうが、私の職業観がごく偏ったもので、本当に様々な価値観や働き方があるのだ、ということに今更ながら気付かされる。

 8月末で結婚退職する職員がいるという話を聞いた。
 この4月に異動したことで、通勤時間が片道2時間かかるようになったとも聞いた。確かに朝から元気がなさそうで、若いのに随分しんどそうだな、と思って見ていた。もちろん今の私が片道2時間の勤務先に異動ということになったら、辞めろということですね・・・と、認めざるを得ない状況だ。けれど、大学の事務職はデスクワークだし、結婚しても小さな子供がいても十分続けることが出来る職場だと思う。だからこそ、今、結婚退職という選択をすることに、正直なところ驚いた。
 一生働くことが良いとか悪いとか言うつもりはないけれど、高い倍率を勝ち抜いて入職したというのに、なんだかもったいないような気がしてならない。当然、産休も育休もあるし、当初に比べればいろいろな制度が整ってきている。現在のような厳しい雇用環境の中、いくら若くて能力があっても、いったん退職してしまったらこれから再就職するのはそうそう容易いことではないだろう。
 だが、こうしてあっさりと辞めていかれるということは、哀しいかな、この職場があまり魅力のない、無理しても続けようと思うほどの未練のある職場ではないということも認めなければならないのだろう。

 もう一人、妊娠中に安静にするようにとドクターストップがかかり、病欠に入っていた職員がいる。結局、病欠のまま産休に入り、来年度1年間は育休だそうだ。ほぼ2年間にわたるお休みである。
 私は、後にも先にも息子一人の産休しか経験していない。育休もとらずじまいだった。けれど、妊娠も出産も、それこそ本当に人それぞれで、つわりもなくぎりぎりまでごく普通に働き、何人も続けて出産される方がいる一方で、妊娠悪阻が酷く、出産までずっと入院、という方がいるのも事実だ。
 産休に入るまで全くトラブルもなく無事に働き、安産で、保育園にもすんなりと入所出来、保育園に入れなくともおばあちゃんがしっかり面倒を見てくれる等のバックアップ環境が整っていて、産休明けにすぐに復帰出来る人は、本当に恵まれた一部の人だ。いや、産休明けにすぐに復帰することが幸せかどうかはわからない。私は、1月末に出産して年度末の時期が産休明けだったので4月から保育園入所となったが、今は出産した年度末までは育休をとり、年度明けから保育園に入れるのが一般的だ。最長で3年の育休をとってから復帰する人も少なくない。

 若い世代ではイクメンが増えてきているとはいえ、妊娠・出産だけは生物的にやはり女性しかできない業だ。働き続けたい女性が少しでも無事に働き続けられるために、男性や一部の女性だけが長時間労働を強いられながら、働きたくても働けない人が沢山いる社会、ワークシェアリングが出来ない社会が少しでも変わっていくことを願いたいと思う。

 今日は帰宅するとお花が届いていた。白と紫のトルコキキョウが3本、ビタミンカラーの旭(姫ひまわり)が3本、紫のリアトリス(キリンギク)が2本、赤く色づいたヒペリカムが2本。それぞれ花言葉は「優美」「素敵」「燃える思い」「きらめき」だという。
2週間前のお花を何とかもたせていたけれど、やはり夏はお花にも辛い時期だ。来月は月末に1度、胡蝶蘭の鉢植えが届くそうだ。
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2 コメント

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働く環境 (オリーブ)
2011-07-28 16:10:36
公務員は結婚、妊娠、出産でも働き続けられる環境が整っていますよね。
私がいた会社は結構大手だったのですが、結婚退社が前提のような所で、制服にマタニティもありませんでした。
苗字が変わってから働いている人は珍しいくらいで、何となく居ずらい雰囲気もありました。
産休や育休なんて絵に描いたぼたもちです。
制度はあっても、利用できる環境にありませんでした。(今は変わったかもしれませんが)
そのてん、公務員は本当に恵まれていますよね。
色々事情はあるのでしょうが、辞めるのは本当にもったいない感じです。

ロッキングチェアさんはあと10年、定年まで頑張って下さいね。絶対!




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ありがとうございます (ロッキングチェア)
2011-07-28 20:49:30
オリーブさん、
本当にそうですね。制度はあっても使えないのでは、絵に描いた餅ですよね。
雇均法が出来ようが、育休法が出来ようが、なんだかんだと言っても民間企業に比べれば公務員は昔から定年まで働きあげるお母さんたちが沢山いたことから、どれだけ恵まれているのかがわかります。
もちろん仕事にも健康にも恵まれての定年達成ということで、決して楽ではないことでしょうけれど。
私も定年まであと10年になりました。頑張り切れるでしょうか。自信はありませんが、なるべく細く長く頑張りすぎずに追い出されない限り、続けていけたらと思います。ありがとうございます。
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