ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2021.5.12 採血後、腫瘍内科診察、エンハーツ15クール目 さらに6割に減量11回目

2021-05-12 23:43:02 | 治療日記
 昨日は通常勤務の後、帰宅して夕飯の支度をしながら夫を待った。治療が出来れば10日間は通えなくなるヨガスタジオで、夜の最後のクラスに出てから前泊だ。
 夫は出勤日なので、帰路はライナー。予定どおり乗車した筈なのに、寄り道をしているとみえて帰って来ない。何かと思ったら、駅前にTOKYO2020の旗がはためき、階段に同じくペイントがされた写真をLINEで送ってきた。
 緊急事態宣言延長のご時世にペイントしたり旗を飾るとは本当にゲンナリする。夫と急いで食事を済ませて、ヨガスタジオへ向かう。

 先月は短縮45分だったK先生のビギナーヨガクラスも今月は通常通り60分だ。16人ほどの参加者。スマホ首や巻き肩を防止するために肩甲骨を広げ、動かす。丁寧にゆっくりと繰り返す。地味にきつい。キャットアンドカウで背中を動かしてから戦士のポーズで内転筋を鍛える。相変わらずきつかったけれど、楽しくしっかり汗をかけた。

 急いでシャワーを浴び、夫にお泊り道具を駅まで持ってきてもらう。ヨガウェアバッグ等と交換し、久しぶりに温泉付きの病院最寄り駅前のホテルに向かった。
 あいにく乗換駅での接続が上手くいかず、10分ほど待つ。前回よりクラスが15分長かったのでただでさえ遅い時間だ。さすがに電車は空いている。朝食付きなので調達は不要。病院最寄り駅に到着したらそのままホテルへ向かってチェックインした。
 途中、飲酒をしていたと思しき若者の集団がマスクなしでたむろしていて怖かった。

 9階の角部屋ダブルルーム。とりあえず荷物を片付けてお茶と青いアロエヨーグルトだけ頂き、すぐに温泉浴場へ向かった。先着2人がちょうど出るところで、貸し切り。湯船で手足を思いっきり伸ばして気持ち良かった。部屋に戻って赤いドリンクヨーグルトを飲み、歯磨きをしてベッドに入ったら、すぐに寝落ち。

 お手洗いに起きることなく、目覚ましが鳴るまでよく眠った。身支度をして朝風呂へ。どなたもいない。またしても貸し切り。ざっと洗ってあがると、お一人入っていらした。浴槽足湯も良いけれど、大きなお風呂はリラックス出来る。
 着替えと身支度を済ませてレストランに降りる。ビニール手袋をしてブッフェを頂く。有機野菜たっぷりの朝食だ。スープやジュース、焼きたてのクロワッサンやデニッシュ等、ついつい頂きすぎる。まあ、今晩からろくに食べられないことがわかっているのでしっかり完食。

 部屋に戻って母にDuo通話をするが、全然取ってくれない。昨夜は久しぶりに携帯電話をかけてみたが、雑音が酷く、こちらの声が聞こえないと言い、全く埒が明かなかった。
 一昨日まで問題なくキャッチ出来ていたのだけれど、どうしてこうなるかなあ・・・。また触らなくていい所を触ったのではないか。せっかく慣れたと思ったのにまたしても後退である。

 朝の連続テレビ小説を視、チェックアウトして病院に向かった。今日は採血後、腫瘍内科である。GW明けなので混雑しているのは織り込み済みである。
 今日も曇天のぱっとしないお天気だが、昨日よりも気温は上がるという。駅前から病院まで続くオープンガーデンでは色とりどりの薔薇がとても綺麗だ。

 病院に到着し、若干並んで受付でIDカードを通す。採血受付へ移動して、ピンク色の受付番号表を取る。普段と同じ時間帯なのに20番以上大きい数だ。電子掲示板を見ると、30人近く待っていて18分待ちと出ていた。どんどん混んでくる。刻々と待ち時間が長くなり、最終的に25分待ちになった。採血室に入ると、前回同様担当は何回もお世話になっている胸元に「喘息」バッジを付けた看護師さんだ。

 今日も月1度のフルチェックなので5本。早業で痛みは殆どなく、抜く時だけちょっぴりチクリとした。お礼を言って席を立ち、止血をしながら、向かいの腫瘍内科へ。
 定位置は埋まっており、受付真正面の席を確保して受付。問診票の追加を頂く。今回も息切れ以外全て「ない」に〇をして、息切れ「ある」の前に“たまに”を追加した。
 
 今日のお供は町田そのこさんの「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」(新潮文庫)。先日お友達のAちゃんからプレゼントして頂いて、何度も何度も胸をしめつけられそうになりながらも読み終えた「52ヘルツのクジラたち」(本屋大賞受賞)の作者の、伝説のデビュー作である。
 帯には「今、ここで生きるあなたの強さを応援する心を揺さぶる連作短編集。」とある。

 解説は書評家の吉田伸子さん。「うわっ、なんだ、この筆力と構成力は。」で始まる。実に同感。表題作を含む5作の短編連作集はある登場人物が重なっている。「これまた絶妙で、心憎いほどだ、とだけ。どんなふうな重なり方、連なり方をしているのかは、ぜひ実際に読んでみてください。」である。
 町田さんご本人も言っておられる通り、冒頭の一文は絶対に大事。その書き出しが素晴らしく巧みで、いきなり心を鷲掴みにされる。5作ともとても良かった(語彙が貧困だが・・・)。Aちゃんのおかげで素晴らしい作家さんに出会えてとても幸せだ。ありがとう。是非また別の作品を読んでみたいと思う。

 いい本を読んでいると時間が過ぎるのが本当に早い。タイミングの良いところで血圧測定。101-61、脈拍が81。測って席に戻ったら既に中待合いへどうぞ、に番号が出ていたので慌てて移動。中待合いで読書を続けていると、15分ほどで前の方が退室し、ほどなくして先生が診察室からお顔を出して、「おはようございます。」と仰った。
 「おはようございます。よろしくお願いいします。」とご挨拶をしていつものように荷物をカゴに、自分の体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着いた。

 「さて、毎回同じでしたかね・・・。」と訊かれ、「はい、やはり1週間はかなりしんどくて。下痢も便秘も殆どありませんでしたが、吐き気とヘトヘト感は変わりません。」とご報告する。診察室での検温は6度7分。
 PCに採血結果が出ている。前回低く気になっていた白血球が3,000と前回より低いのに、好中球は44%で1,300ほどある。低くて投与出来なかったらどうしよう、4週間に1度でスケジュール調整が、なんて思っていたのは杞憂であった。

 先生が仰るには、「今回は、従来通りに行うとして、仮に副作用がこれ以上きつくなったとしても、せっかく効いているので止めるのはもったいない。これ以上減量が出来ないなら4週間に1度とパワーダウンをしても続けたい。」とのこと。それは私も同感だ。「先月4月は、月のうち20日間具合が悪かったので凹みました。」とちょっと愚痴ったら、「まあ、確かに3週間に1度だから、均せば3分の2が具合が悪いというわけではないが、月で見れば確かにそうですね・・・。」と。
 
 「マーカーはあまり変わらず、現状維持ですね。」と仰るが、よく見ると今日もコンマ0.6下がっていた。アルブミンがいつもながらLなのは最初の1週間のろくに食べられない食生活の所為だ。
 「次回の診察前に心エコーを撮っておきましょう。」とのこと。上手い具合に採血後と診察前の合間の時間に予約を入れてくださった。3週間後は簡易採血(来月は2回通院日になる)、心エコー、診察ではCT結果説明と盛り沢山だ。
 薬の処方は普段どおりの飲み薬一式。

 席を立つ前にコロナワクチンのことを質問した。先生は既に2回の接種を終えたそうだが、2回目は24時間後までは腕が痛く、熱っぽかったそうだ。インフルエンザ予防接種のような感じだったという。
 「私はいつ接種して頂けるかわからないですが、治療直前週の金曜日が良いのではないかと思っています。いかがでしょうか?」と訊いたところ、「それがベストでしょう。」とのお答えを頂いた。

 抗がん剤治療とワクチン接種はどちらも3週間毎なので、体調の良い時を狙うことが出来る。金曜日ピンポイントで出来なければ木曜日でも可だそうだ。
「エンハーツ投与後の1週間以内にはとてもではないが、ワクチン接種なんて行けないでしょう?」とのこと。そのとおりである。
「ステロイドを点滴したり服用したりしていることの影響はいかがでしょう?」と訊くと、それもずっと飲んでいるわけではない(治療後の2日間のみ)なので、問題ないとのこと。安心した。これであとは市からの通知を待って(いつになることやら)頑張って予約を取るのみである。

 お礼を言って、診察室を出て、化学療法室へ。待合い人数は3人と出ているが、4人の方が座っている。予約表等が入ったファイルをクリアボックスに入れてもなかなか声がかからない。どんどん席が埋まり、最終的に8人。密である。20分ほどしてOkさんが「お薬飲みましょう。」とイメンド125mgを持ってきてくださった。
 それから15分くらい待ったが、席に案内されず、私の次の方が先に案内されていた。どうも短い点滴の方だったようだ。とにかく看護師さんも助手さんもてんてこ舞いである。

 ようやく看護助手さんがみえて、窓側一番から2番目のリクライニングチェアに案内された。態勢を整えてお手洗いを済ませる。本を読んでいるので、それほど気にならないけれど、なかなか針刺しにも来てくれない。
 15分ほどして初めましてのヘルプのSさん(初めて見るとても珍しい苗字だった。ご本人も悪いことは出来ません、と仰っていた。)がみえた。慎重にポート周りを押しながら準備をされる。グググと押されて針が入った。

 30分ほどしてMさんが薬を持っていらっしゃる。ようやく吐き気止めアロキシとデキサートのミックスから点滴が始まった。
 10分ほどして薬剤師のYさんが見える。初めましての若い女性だ。副作用についてざっと状況報告。エルカルチンが飲みにくくて匂いがあって、とお話し。

 15分ほどしてOkさんがチェックに見えたけれど、お忙しそうなのでお話しするのはやめておく。あちこちで「お待たせしてごめんなさいね~」と謝りながらカートで回っておられる。GWとお正月明けの週はいつもそうだ。Krさんしかり、ちょっと様子を聴いてくださるが、引き留めはしない。
 
 順調にエンハーツに移行して、ブドウ糖、生食。最後はMさんの抜針。やはり衝撃を感じた。終了時の血圧測定は117―76、脈拍は65。
 今日はイメンドを飲んでも眠くならず、看護師さんたちとのお喋りもなかったので、集中して本が読めた。
 管が外れ、お手洗いを済ませ、ご挨拶をして腫瘍内科受付へ移動。ファイルを提出してから処方箋のデータをFAXで薬局に送るテーブルまで移動。10分ちょっと待って支払窓口でお支払い。いつもどおりカードで11万強。

 外に出ると、曇天で少し肌寒い。荷物になるので、薄いジャケットは羽織った。薬局へ到着。結構多くの人が待っている。FAXは無事に届いていたようで、幸先の良い77という受付番号を頂く。
 順番が前後しつつ30分ほどして私の番号が呼ばれた。今日はベテランのIさん。9,000円強カード支払い。
「病院はとても混んでいたそうですね」と言われる。「GW明けだから仕方ないですね」とお答えするが、やはり待ち時間が長いと疲れる。今日の病院と薬局の滞在時間は合計で5時間半強。

 朝食をたっぷり頂いたのでお腹はそれほど空いていなかったが、駅まで歩いていたら、何回か通っているタイ料理レストランの割引券を配っていたので、そのままふらふらと入ってしまった。
 割引券効果か、女性の1人客や2人客で遅い時間にもかかわらず、混んでいた。これまでには4人テーブルにはアクリル板はなかったが、それが設置されており、2人席が増えていた。

 4人テーブルに座らせて頂き、久しぶりにグリーンカレーとパッタイのハーフセットをチョイスして、美味しく完食した。食後マンゴラッシーを頂きながら本を読み切ることが出来た。
 帰りは快速電車に座ることが出来たが、気づけば眠くてあっという間に眠ってしまい、乗換駅迄爆睡した。
 最寄り駅からはなんとかタクシーに頼らず歩いて帰宅出来た。

 いつもは玄関前に積まれた生協のお届け品が、ない。一昨日、「システムトラブルで多くの品物をお届け出来ない状態にあります」とメールが入っていた。そして昨夕留守電が入っていて、「品物が届けられませんが、注文書の配布と回収だけは行います。」とあった。
 まさかそんなことが。今週はスーパーに出向かなければいけないかもしれない。「お詫びとご報告」という手紙が入っており、老朽化システムのリニューアルで何度もチェックを重ねたけれど、紐づけが上手くいかずにこういう事態になったそうだ。これまで10年以上続けているが、前代未聞空前絶後(であってほしい)ではないだろうか。

 生協品の取り込みがなかったので、少し体力温存。薬やら何やらの片付けを完了し、リビングにちょっとのつもりで横になったら、あっという間に眠ってしまった。とにかく眠くてたまらない。夫が帰ってきたのも知らず、夕食を摂ったのも知らず、起きたら9時近く。3時間以上眠ってしまったことになる。

 そうだった、と母にDuo通話をしたが、相変わらず取れない。携帯にかけたら何とか声が聞こえるし、私の声も聞こえるようで会話がなんとなく通じる。一昨日まで出来たビデオ通話がなぜ出来ないのかと聞いても、何か具合が悪くなってしまって出来ない、の一点張り。
 夫にうまく説明してもらおうかと代わったら、切られてしまった。
 うーん。自分でいじってみても解決にはならないと思うけれど、とにかく会話が成り立たない。まあ、生存確認は出来たので、こちらも具合が悪いし、よしとしよう。

 朝も昼もしっかり頂いたので、空腹ではない。喉が渇いたのでピンクグレープフルーツジュースだけ頂く。薬を飲むためにフリーズドライのトマトスープをお腹に入れてから薬を飲んだ。やはり投与後の夜からは、無理して食べればお腹がどんどん気持ち悪くなるのである。

 明日は朝からWebの定例会議が3つ。なんとか乗り切りたいと思う。

 記録のために。一昨日届いた今月初めてのお花は文字通り元気が出そうなビタミンカラー、濃い黄色のヒマワリが4本、蕾を沢山持った夫の故郷の花、ベニバナ、可憐なブルースター、淡いピンクのミニグラジオラス、大きなタニワタリの葉がそれぞれ1本ずつ。花言葉は「憧れ」、「化粧」、「幸福な愛」、「密会」、「真実の慰み」だそうだ。
 お花に元気をもらっている。有難いことである。
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