ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2017.6.6 治療中のパフォーマンス-こんな指標があったなら・・・

2017-06-06 21:39:20 | 日記
 ネットの記事を見ていて、少し時間が経っているが、面白いものを見つけた。

 治療後の副作用で体調が悪く、パフォーマンスが普段のように上がらない日には、ふと仕事に拘わりすぎではないか、しがみつきすぎているのではないか、と自問自答する。
 それでもこうして仕事をさせて頂けていることが励みになっていることは紛れもない事実で、日々職場に感謝している私だ。

 けれど、私がどう思おうが、就労世代のがん患者が30数万人もいるとなれば、少子高齢化で労働人口が減少している今、労働力確保のためにも世の中は“がん患者でも働く時代”に向かっていく(向っていかざるを得ない)のだと改めて思った。
 以下、転載させて頂く。

※   ※   ※(転載開始)

「働くがん患者」の生産性の実態、iPhoneアプリで迫る
 国立がん研究センター中央病院が研究に着手(2017/05/29 08:30 大下 淳一=日経デジタルヘルス)

 国立がん研究センター中央病院は2017年5月26日、働きながら治療を受けているがん患者の労働生産性の実態を、iPhoneアプリで調査する研究を始めた。がんの治療と生活の質(QOL)の関係を明らかにすることで、副作用管理や事業所における配慮のあり方など、療養環境を改善するための指標を構築することを目指す。
 日本では毎年、約100万人が新たにがんと診断されている。このうち約1/3は就労世代の患者だ。仕事を続けながら治療を受ける患者が増えているものの、「抗がん剤治療に伴う副作用などで仕事を休みたいと感じたり、職場に行っても十分なパフォーマンスを発揮できないといった声を耳にする。仕事に行きたいのに会社から休むよう指示された、というケースも少なくない」(国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科/先端医療科の近藤俊輔氏)。
 こうした治療に伴う労働生産性(仕事のパフォーマンス)の変化は、がん患者のQOLの指標の一つになると考えられる。例えば、がんの治療がプレゼンティーズム(出勤しているものの、心身の健康上の問題から十分にパフォーマンスが上がらない状態)を引き起こせば、患者のQOLは大きく損なわれる。これに着目した調査は過去にも行われてきたが、その多くは治療が終わってから数カ月~数年後の状況を調べたもので、「治療中の実態は明らかにされていない」(近藤氏)という。
 国立がん研究センター中央病院の近藤氏らは今回、仕事のパフォーマンスの変化など、治療中のQOLをがん患者が自ら評価し、日々の結果を可視化したり、他者の結果と比べたりできるアプリを開発した。米Apple社の医学研究用オープンソースフレームワーク「ResearchKit」を用いて開発したiPhoneアプリ「がんコル(QOL)」がそれだ。
 がんコルは、労働生産性や療養の質に関して、業界標準となっている3種類の調査(アンケート)を実装し、結果の可視化や分析を可能としたアプリ。具体的には(1)プレゼンティーズムに関する項目(7日および28日ごとに回答)、(2)QOLに関する項目(毎日回答)、(3)副作用に関する項目(毎日または7日ごとに回答)を備える。

適切な患者サポートのあり方を探る
 研究参加者はこれらの項目に日々回答していくことで、自分の状態を可視化できるとともに、それを他の研究参加者の状態と比較できる。例えば(1)では、自らのパフォーマンスに加えて、自分と同じ病気を患う人の平均的パフォーマンス、自分と同世代の人の平均的パフォーマンス、を把握できる。アプリはこのほか、治療内容やコメントを入力できるカレンダー機能を備え、日々の体調管理にも利用可能だ。
 国立がん研究センター中央病院は、研究参加者のデータを収集し、がん患者の治療と労働生産性を含むQOLの関係などを解析する。収集するデータに個人情報は含まれない。
 研究にはがん患者だけでなく、研究内容に同意すれば誰でも参加可能。がん患者については、400~600人のデータを集めることを想定する。研究を通じて「がん患者をどのようにサポートしていくのが望ましいのか、その議論の材料となる事実(ファクト)を明らかにしたい」と研究代表者の近藤氏は話している。

(転載終了)※   ※   ※

 こうした記事を読むにつけ、これからの時代、治療を続けていたとしても、働きたいという意欲を持ち、仕事を遂行する能力があり、体調管理が出来て担当する仕事のパフォーマンスが保たれるのなら、決して仕事を諦めることはないのだと思う。

 とはいえ、実際に治療の副作用でどれほど自分のパフォーマンスが落ちているのか、他の人たちのお荷物になっていないか、迷惑をかけていないか、自分ではわからない部分があることを無視は出来ない。

 当然のことながら抗がん剤治療等を行っていれば、健康な時とは違う体調不良は免れないのだから、120パーセント問題ありません、と言い切ることなど出来ない。けれど、なんとか及第点がもらえるパフォーマンスを果たせているのならば、そうした負い目を必要以上に考えることなく仕事を続けることが出来るのではないか。

 何か悪いことをして病気になったわけではない。再発したくて再発したわけではない。それなのに、結果として自分を萎縮させながら仕事を続けることは、これまで実際に再発治療を続けながら9年以上働いている身として、とても切なく辛いことだと感じる。

 自分で体調管理をしながら、後に続く患者さんの労働環境をサポートするのに役立てて頂けるデータをアプリで積み上げることが出来る。それにより見えてくる治療中のがん患者のリアルな労働生産性の指標。こんなアプリが助けになってくれるならどんなに心強いだろうと思う。もちろん副作用やパフォーマンスは十人十色、即自分と同じという状況ではないにせよ、やはり参考に出来る部分はあるし、有難いものではないか。

 まだ研究段階だそうだから、実用化されるには時間がかかるだろうけれど、まずは事実を積み重ねた材料集めから。もし私のデータが何かお役に立てるなら参加させて頂きたいのだけれど、と思わせる研究である。
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