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ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.12.24 採血後診察、カドサイラ(T-DM1) 15回目(減量5回目)

2015-12-24 21:15:59 | 治療日記
 クリスマスイヴの今日が今年最後の通院日。今日の通院納めを含め22回になった。
 いつもどおりに夫を送り出し、朝の8分ヨガで心穏やかになってから、家を出る。いいお天気だが、夕方遅くからまた雨になるという予報。昨日降った雨の湿度が濃厚に残っていて喉に優しいしっとりした空気。とても暖かい。最寄駅でも乗換駅でも電車は順調。

 始発電車からの今日の1冊目は、百田尚樹さんの「フォルトゥナの瞳」(新潮文庫)。帯には「生死を賭けた男の選択に感涙必至。この本を手に取った瞬間あなたの『運命』が変わるかもしれません。」とある。百田さんの話で面白くないわけがないと手に取ったが、プロローグからいきなり惹き込まれる。いつもながら早く早く、と頁を繰りながらあっという間に病院最寄駅。仕方なく一旦本を閉じる。

 予定の時間に病院到着。我が家ではもう何年も飾っていないクリスマスツリーがロビーに聳えている。自動再来受付機で若干並んだが、採血受付では大変なことになっていた。なんと自動受付機がダウンしており、クラークの方たちが声をからして窓口対応している。
 渡された番号札も手書きのものだ。30人ほどの人が座り、席にあり付けない人も。当然待ち時間もわからない。とりあえず席を確保して、本を読み続ける。漏れ聞こえてくる「○番までの方、中待合へどうぞ」の番号と私が手にした番号には30番ほどの乖離があった。

 30分以上待っただろうか。ようやく中待合に入る。今日の担当は、以前も当たった女性検査技師さん。今日は4本の採取。針刺の時も抜針の時もそれなりの痛み。
 止血しながら腫瘍内科へ移動。待合スペースはそこそこ混雑しているが、定位置を確保して読書再開。中待合へどうぞ、と電子掲示板に番号が表示されるまで1時間強。本が面白くて、ついつい血圧測定が後回しになり、番号が点いてから慌てて測定に行く。109-72、脈拍は90でちょっと安静ではなかった証拠の脈拍数である。
 
 中待合で30分ほど待つと、先生がお顔を出された。「さあ、3週間お加減はどうでしたか。」と問われ、「おかげさまで概ね良好です。痛みも酷くならず、目の周りの爛れは気になりますが、便秘はマグラックスのお世話になりつつもコントロール出来ています。今回は、診察までに3週間と1日あったのですが、薬が21日分処方だったので、3日ほど前から間隔をあけて調整しました。それでも手足の痛みが大分落ち着いています。痺れは相変わらずですが。」とお答えする。
 先生が、剽軽に驚いて「それは失礼しました。」とおっしゃる。次回は数日多めに処方して頂くことにする。「さて、採血結果ですが、マーカーはじりじり上昇していますね。それ以外は特に問題がありません。」と。PC表示を見ると、赤字表示(H)はマーカーのみ。それでも何とかギリギリで基準値内。珍しく白血球も4000台ある。前回よりデノタスチュアブルを半分にしたが、カルシウム値も正常だという。

 前回次の手として提示されたジェムザールとハラヴェンについて少し勉強したので、いくつか疑問点を確認させて頂く。

○ CT画像を見ると、両肺の腫瘍のうち1つは不変、残りは大きくなっていましたが、それは、HER2細胞目がけてミサイル攻撃をする筈のカドサイラ(T-DM1)が効いていない、つまりHER2強陽性の細胞が変異していることでしょうか。
 →HER2強陽性細胞が変異したというより、抗がん剤に耐性が付いたと考えられる。抗HER2薬としては効いていると思う。
○ 抗がん剤に耐性が付くのに1年かからないということでしょうか。どんどん新しい薬を使っていくのがちょっと不安です。
 →人それぞれであるので何とも言えないが、これまで悉く薬が効いているので(それほど深刻にならなくてよい。)2回り目の薬を使うこともありうる。ホルモン陽性だからホルモン治療薬も含めて、再発直後に使った薬をハーセプチン併用で試す価値もある。
○ ジェムザール、ハラヴェンを調べると、ハラヴェンの方が副作用がキツいようですが、どちらを先に使う方が良いとお考えでしょうか。
 →どちらでも良いと思う。確かにハラヴェンの方がキツいかもしれないが、先に嫌な方をやってしまってから、次に少し楽なものをやるのもよし、逆でもよし。人それぞれのやり方、考え方で良いと思う。

 いずれにせよ、自覚症状が出ている訳でもないので、そう急がなくても良いだろうとのこと。次回、採血とレントゲンの結果を見てから今後のことを決めましょう、ということになった。また首の皮が繋がった感じ。診察室での検温は6度6分。

 「では、今日は予定通り治療続行しましょう。治療は細く長くがベストです。」とおっしゃる。つい「はい。『細く長く』は私のモットーです。さらに『しぶとく』も入りますが」とお披露目してしまう。次回はランマークの注射もある。
 各種内服薬を5日分余裕を持って処方して頂き、クリスマスと年末のご挨拶をして診察室を後にした。

 化学療法室へ移動し、夫やお友達に報告LINEやメール。待合椅子に座っていると、針刺名人のOさんから「お久しぶりです」と声をかけて頂く。「お忙しそうでなかなかお声がかけられなくて・・・」としばしお喋り。年末のご挨拶が出来て良かった。
 15分程待ってクラークの方から内側の端から2番目のリクライニング椅子に案内された。外が見えないので、ちょっと暗め。本を集中して読むには良いのだけれど。あちらこちらで咳が響き渡っている。皆さん風邪なのか症状なのか、ちょっと気になってしまう。

 体勢を整えてポートの針刺しを待っていると、Kbさんが刺してくださる。一瞬ではあったけれど、あまりに痛くて身体がエビ反りになってしまう。Kbさんも「ああ、痛かったですね。すみません。今日は私、なんだか痛くしてしまう日のようで・・・こうなるとどんどん(皆さんに)そうなってしまって・・・」と落ちこませてしまう。刺すときに痛むと、点滴が開始されても針の位置が落ち着くまでちょっとチリチリと違和感がある。逆血は問題なく、15分程待って薬が届いた。

 Okさんが、最初に生食でチューブを満たしてから、1時間ほどで140mgに減量したカドサイラ(T-DM1)の5回目の投与。最後は生食を15分で流して無事終了。

 点滴を受けながら2冊目は、伊坂幸太郎さんの「残り全部バケーション」(集英社文庫)。これまた伊坂さんの作品で面白くないわけがない。帯にも「稀代のストーリーテラーであり技巧家が贈る笑いと感動。時を行き来するいくつもの話は、やがて大きな物語に」とある。表題の1章から始まり、5章までの5つのお話から成る。最終章の「飛べても8分」は「飛んでも8分、歩いて10分・・・」という学生の頃流行った言葉が出てきて、なんだか無性に懐かしかった。裏切りと友情で結ばれた裏稼業コンビの物語を堪能。

 終了後の血圧は108―69、脈拍は72。抜針はOkさん。やはり衝撃があり、「今日は刺すときも痛かったんでしたね、ごめんなさい」とまた謝らせてしまう。
 年末のご挨拶をして化学療法室を後にする。待合で10分ほど会計を待つ。自動支払機へ移動して、採血、点滴、の3割負担で12万円弱をカードで支払う。

 外は、コートの前を閉じなくてもよいほどポカポカと暖かい。コートを羽織っていない人もいる。採血自動受付機ダウンで時間がかかることを覚悟した割にはスムーズだったのだが、薬局へ移動すると、アチャーと思うほどの混雑。
 「申し訳ありません、20人以上お待ちなのですが・・・」と言われるが、頂かないで帰るわけにもいかず。おかげで今日も2冊読了。皆が待ちくたびれてジリジリしているのが判る。7週間、8週間分と大量に薬をもらっていく方が大半で、在庫がないので宅配します、などと手続きも煩雑そう。

 年配の方は、色々な質問にも時間がかかっている。番号を呼ばれていないのに、待ち切れずにカウンターで立ったまま、「まだかまだか」と急かせる年配の男性もいて、なんだか空気がイライラしてくるのが判る。皆、待っているのは同じなのだけれど・・・。
 1時間半以上待ってようやく名前を呼ばれた。お支払は6,000円弱。こちらもカード払い。

 今日も後半の待ち時間が長く、病院と薬局の滞在時間は合わせて6時間半。3時のおやつの時間を大幅に過ぎて、ようやく駅ビルのレストランに入って薬を飲み、軽食。あちこちのお店で、サンタやトナカイの着ぐるみを来た店員さんがケーキやフライドチキンなどを販売中。

 さすがに草臥れ、読む本もなくなり、帰路の電車でラッキーにも席が確保出来たこともあり、いつもの間にかウトウト。仕事で帰宅する時間と殆ど変わらずだったが、雨が降らないうちになんとか帰宅出来て良かった。

 大した料理は出来なかったけれど、クリスマスらしくアレンジした夕食を夫と2人で済ませた。予約していたクリスマスケーキを夫が受け取ってきてくれたので、これからクリスマスティーとともに頂くとしよう。

 そしてもうひと踏ん張り、年賀状のコメント書きを明日夜には仕上げたい。驚くべきことに、夫は昨日1日で書き上げ、早くも投函してしまった模様。いつもはギリギリまで書かずに、結局、時間切れで何のコメントも書かずの人が、である。
 「すべて印刷では、せっかくもらっても全然嬉しくないと思う」と言い続けているのだけれど、「今回はちゃんと一言ずつ書いた、やれば出来る」と豪語している。
 気付けば一人ひとりに3,4行は書いてしまう私が追いつけるわけもなく・・・。
 まあ、たまにはこんなことがあってもいいのかも。でも来年は・・?

 皆様もどうぞ素敵なクリスマスイヴをお過ごしくださいね。
コメント
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