朝日新聞医療サイト・アピタル連載中の星野史雄さんのダイアリー「闘病記おたくの闘病記」は初回にもご紹介したけれど、今回もそうそう!と思うことが多かったので、長文だが、以下転載させて頂く。
※ ※ ※(転載開始)
患者の外界との生命線 星野史雄(2015年12月22日07時15分)
大きな声では言えませんが、地元民の間で「あの病院には行かない方がいい」とささやかれている病院が、各地にあるはずです。そんなふうにいわれている某病院の事務長さんと話をしたことがあります。市民グループのお手伝いであるアンケートを持って行ったのです。私の方が怪しい風情ですが、調査には快く対応して下さいました。駅から近く、きれいな喫茶室もあり、私にはいい病院と思えたのですが、周囲の評判を聞くと散々です。どうも病院内のスタッフの意思疎通がイマイチらしいのです。病院内の空気を患者は感じ取ります。
問題点はさまざまでしょうが、病院側が考える「よい病院」と患者側が考える「よい病院」とにズレがありそうです。
「胆管がん放浪記」(新山恒彦著 2004年/毎日新聞社)という闘病記には、大学病院の11階のレストランで食事をしながら「この病院でよかったじゃない」と奥さんが言う場面が描かれています。新山さんは元社会部記者です。別の大学病院のレストランでも食事をしていて、比較しているのです。もちろん医師の対応や病院内の雰囲気も比べていますよ。
本当は私が最も重視するのは"立地条件"ですが、これは病院の院長先生や事務長さんがいくら頭を抱えてもいかんともしがたい問題ですので、ここではあっさりパスします。でも、駅から近いほうが家族も見舞いに行きやすいし、後の通院も楽なのです。
さて、二十年も昔の話ですが、うちの奥さんは乳がんやその肺転移の手術で合計120日間入院しました。奥さんの病院選びには、同じ乳がんを体験した義母の感想が影響しています。義母が入院したのは都内有数の大学付属病院でしたが、「"回診"が嫌だった」と言うのです。教授を先頭に医師や看護師が病室をまわる姿は、どうしても「白い巨塔」を連想しますね。
医学部の付属病院は「医師の卵を育てる」という責任がありますから、朝の回診では若い主治医が教授に指示されたりします。義母は「自分が見せ物になったみたいだった」と嫌っていました。それでうちの奥さんは「大学病院はイヤ」と、小ぶりな民間病院を選んだのです。ホルモン系以外の抗がん剤は拒否したり、個室を要求したり、けっこうわがままな患者でした。「病院の水はまずい」と、入院中は途中のコンビニで水を買って、見舞いに行くのが私の日課でした。主治医のことを「顔の大きな、お医者さん」と呼び、気に入っていたようですが、医師との出会いもポイントですね。
患者は、同じ患者による医師の評判は聞けますが、医師の技量は分かりません。出身大学から判断しようにも、どこにでも落ちこぼれはいるものです。医師同士でも、専門が違えば評価は難しいのではないでしょうか。
かつて、病院のトイレを調べて回ったグループがあったはずです。私が通っている病院は改築されたばかりですが、以前のトイレは点滴台を押して入ろうとすると、個室が狭くて一苦労でした。もたもたしていると、手術後に下痢気味の時は間に合いません!トイレで病院を評価するという考え方は間違っていないと思います。"一事が万事"とも言いますから。
特定機能病院とか、地域医療支援病院といった制度もありますが、患者は詳しい中身を知りません。個人的には院内にコンビニがあるかないかのほうが大切です。昼時にサンドイッチやおにぎりが売り切れの売店なんて願い下げです。ついでに入院中に思ったのは、院内に100円ショップが欲しいということ。入院中に「あると便利かな」というグッズは、たいてい100円ショップで手に入ります。入院中のスリッパなんて、高価なものはいらないでしょう?大部屋でいびきをかく隣人がいたら、耳栓が必要になります。病院スタッフもストレスがたまったら、100均で爆買いをすれば少しは気分が晴れるでしょう。文具とか小物を千円分ぐらいね。
さて、レストランやトイレやコンビニ以外に、患者が病院を選ぶポイントは何でしょう。外科や泌尿器科の場合は執刀数が参考になりますが、ベテランが主治医になるとは限りませんし、医師歴が長ければ手術がうまいとも限りません(…と、ある医師がおっしゃっていました)。
もう一冊、闘病記をご紹介します。
「どーもの休日」(近藤彰著 2014年/風媒社) これは元NHK記者の膵臓(すいぞう)がん闘病記ですが、入院初日の日記に家族が帰ったあと「テレビを見る気になれず、インターネットで膵臓がんの勉強。定年直前に購入したドコモの携帯電話『らくらくほん』が役に立つ。」と書いています。入院時にパソコンを持ち込む人は別として、今どきの患者にとって最も大切な道具はスマホでしょう。
私が昨年、敗血症で二週間ほど入院した時は、急な入院だったために何の準備もなく、40度の熱があるというのにスマホの電池のことばかり心配していました。スマホがダウンすればメールでの外界との連絡も出来なくなります。
ところが、私が知っている限り病院はスマホに冷たい。電波の問題もあるでしょうが、「電気器具使用許可」を申請したとしても、病室のどのコンセントを使ったらいいのか悩みます。某病院に勤務する看護師の卵は、「患者さんたちは勝手にコンセントを使っているよ」と言いますが、私のような紳士は(笑)ためらいます。少なくともデイルームなどに、設置型の携帯電話急速充電器を置くべきです。有料でもかまいません。利用者が自分で暗証番号を設定してロックし、後で取りに行くタイプがいいですね。病院の近くの携帯ショップと提携すれば、宣伝を兼ねて無料で充電器を設置してくれるかも知れません。
(転載修了)※ ※ ※
冒頭、院内のスタッフの意思疎通が悪いという、いわゆる評判の悪い病院について触れられているが、これは病院だけに限らず、どんな組織にも通じることだろうと思う。スタッフ間のコミュニケーションがスムーズな組織はいずれも風通しが良く、痒い所に手が届く、と感じる。そして、その空気感を外来者は不思議と正しく感じ取る。
こと患者は自分の命がかかっているから、とても敏感でナーバスな人たち。だから、病院の雰囲気は他の組織より更にそのハードルが高くなるのかもしれない。
その点、今私が通っている病院はとても気に入っている。この8年近く、毎年進化しているのを感じる。長く通っているから、といってももちろん馴れ合いということではないが、顔見知りの看護師さんや検査技師さんも随分数多くなった。
初発の時お世話になった病院は自宅最寄駅から2駅5分で、駅からは緩い坂道を徒歩15分。とはいえバスも出ていたし、ドアツードアで45分かからなかった。患者にとっても家族にとっても、近いということは重要なポイントだ。
先生や看護師さんたちも決して悪くなかったし、嫌な思いをすることはなかった。10年以上前のこと、当然今は違うけれど、ATMでお金を下ろすことは出来ても、支払いにクレジットカードを使えなかったのは痛かった。
セカンドオピニオン、サードオピニオンを頂き、結果として今の病院に転院したのだけれど、もうひとつの病院を選ばなかった大きな理由といえば、星野さんも書いておられるとおり、私にとって立地条件が悪かったこと。治療がうまくいけば長いお付き合いになるわけだし、1度行ってみて毎回片道2時間はとても通えないと思った。病院最寄駅から徒歩で20分ほど歩くか、混雑したバスに乗り継ぐしかなかった。
がん治療で有名な病院だったから、治療してもらうために遠方から患者さんが集まってきていた。当時はまだ建物は古く、日当たりも悪く、とにかく院内がどこも暗くてものすごく混んでいて、右を向いても左を向いても回りは皆がん患者さんたちばかり(自分もそうなのだけれど)で、正直滅入る病院だった。
お手洗いも古く、綺麗だった記憶があまりない。第一印象で、「私はこの病院では死にたくない」と思ったのだった。この感じ、今でも鮮明に思い出せる。
一方、今の病院は最寄り駅から徒歩10分かからないが、ドアツードアでは片道1時間半弱かかるので、決して近いとはいえないし、具合が悪い時にタクシーで行くのも一苦労。だから、今後体調が下り坂になった時のことを考えると心配がないわけではない。
けれど、とにかく8年前、通院するなら絶対こちらの病院!と思った。1階のアトリウムは吹き抜けで外からの柔らかい光が入り、冬でも暖かく明るかった。レストランも売店も2つずつあった。今では改装されてカフェも出来ている。
そして、お手洗いも広めで綺麗だった。そう、星野さんがおっしゃるとおり、お手洗いの広さと綺麗さは大きなポイントだ。どこかのお宅にお邪魔した時も、お手洗いを見れば大概のことは判るという。
去る9月末から母が入院した時も、直腸がんの手術をするわけだから、好きな時に他の人を気にしないでお手洗いにいけるのが絶対に良い、と私が強く個室を勧めた。4人部屋でストレスを感じながら養生を共にすることを考えると、お金には換えられないと思ったから。
とてもではなかったけれど、一人で遠いお手洗いまで行くことなど出来なかったと思う。個室でも間に合わないことが一度や二度ではなかったから。
私自身は大学付属病院にはお世話になったことはないけれど、今の病院も研修医たちが診察室に立ち会ったりすることは往々にしてある。それについては事前に断りもあるし、NOといえることも出来るようだ。もちろん私は喜んで協力している。
院内にコンビニやカフェがある病院は増えているけれど(母がお世話になった病院にもコンビニはあったけれど、カフェはなかった)100円ショップはいいアイディアだと思う。確かにちょっとしたものは100円均一のもので十分だろう。なかなか家族に来てもらえない時も、院内で済むことなら自分で対応することも出来る。
そして、細々したものを1000円買えば気分が晴れるという感じもとてもよくわかる。侮るな、100円ショップである。
蛇足ながら、今は手の平や指先の痛みのために白い綿手袋が欠かせないのだが、10双ものを通販で買ったり、生協で買ったりして、自分なりに安く買っているつもりだった。ところが、先日ひょんなことから地元の100円ショップを覗いたら2双で108円だった。全然遜色なくびっくりぽんであった。たまにはチェックも必要である。
ダラダラと長文を書いてしまった。
今日は冬至。殊の外暖かい日だ。今晩は先日お友達から頂いたゆずのバスソルトでじっくり温まって休みたい。
※ ※ ※(転載開始)
患者の外界との生命線 星野史雄(2015年12月22日07時15分)
大きな声では言えませんが、地元民の間で「あの病院には行かない方がいい」とささやかれている病院が、各地にあるはずです。そんなふうにいわれている某病院の事務長さんと話をしたことがあります。市民グループのお手伝いであるアンケートを持って行ったのです。私の方が怪しい風情ですが、調査には快く対応して下さいました。駅から近く、きれいな喫茶室もあり、私にはいい病院と思えたのですが、周囲の評判を聞くと散々です。どうも病院内のスタッフの意思疎通がイマイチらしいのです。病院内の空気を患者は感じ取ります。
問題点はさまざまでしょうが、病院側が考える「よい病院」と患者側が考える「よい病院」とにズレがありそうです。
「胆管がん放浪記」(新山恒彦著 2004年/毎日新聞社)という闘病記には、大学病院の11階のレストランで食事をしながら「この病院でよかったじゃない」と奥さんが言う場面が描かれています。新山さんは元社会部記者です。別の大学病院のレストランでも食事をしていて、比較しているのです。もちろん医師の対応や病院内の雰囲気も比べていますよ。
本当は私が最も重視するのは"立地条件"ですが、これは病院の院長先生や事務長さんがいくら頭を抱えてもいかんともしがたい問題ですので、ここではあっさりパスします。でも、駅から近いほうが家族も見舞いに行きやすいし、後の通院も楽なのです。
さて、二十年も昔の話ですが、うちの奥さんは乳がんやその肺転移の手術で合計120日間入院しました。奥さんの病院選びには、同じ乳がんを体験した義母の感想が影響しています。義母が入院したのは都内有数の大学付属病院でしたが、「"回診"が嫌だった」と言うのです。教授を先頭に医師や看護師が病室をまわる姿は、どうしても「白い巨塔」を連想しますね。
医学部の付属病院は「医師の卵を育てる」という責任がありますから、朝の回診では若い主治医が教授に指示されたりします。義母は「自分が見せ物になったみたいだった」と嫌っていました。それでうちの奥さんは「大学病院はイヤ」と、小ぶりな民間病院を選んだのです。ホルモン系以外の抗がん剤は拒否したり、個室を要求したり、けっこうわがままな患者でした。「病院の水はまずい」と、入院中は途中のコンビニで水を買って、見舞いに行くのが私の日課でした。主治医のことを「顔の大きな、お医者さん」と呼び、気に入っていたようですが、医師との出会いもポイントですね。
患者は、同じ患者による医師の評判は聞けますが、医師の技量は分かりません。出身大学から判断しようにも、どこにでも落ちこぼれはいるものです。医師同士でも、専門が違えば評価は難しいのではないでしょうか。
かつて、病院のトイレを調べて回ったグループがあったはずです。私が通っている病院は改築されたばかりですが、以前のトイレは点滴台を押して入ろうとすると、個室が狭くて一苦労でした。もたもたしていると、手術後に下痢気味の時は間に合いません!トイレで病院を評価するという考え方は間違っていないと思います。"一事が万事"とも言いますから。
特定機能病院とか、地域医療支援病院といった制度もありますが、患者は詳しい中身を知りません。個人的には院内にコンビニがあるかないかのほうが大切です。昼時にサンドイッチやおにぎりが売り切れの売店なんて願い下げです。ついでに入院中に思ったのは、院内に100円ショップが欲しいということ。入院中に「あると便利かな」というグッズは、たいてい100円ショップで手に入ります。入院中のスリッパなんて、高価なものはいらないでしょう?大部屋でいびきをかく隣人がいたら、耳栓が必要になります。病院スタッフもストレスがたまったら、100均で爆買いをすれば少しは気分が晴れるでしょう。文具とか小物を千円分ぐらいね。
さて、レストランやトイレやコンビニ以外に、患者が病院を選ぶポイントは何でしょう。外科や泌尿器科の場合は執刀数が参考になりますが、ベテランが主治医になるとは限りませんし、医師歴が長ければ手術がうまいとも限りません(…と、ある医師がおっしゃっていました)。
もう一冊、闘病記をご紹介します。
「どーもの休日」(近藤彰著 2014年/風媒社) これは元NHK記者の膵臓(すいぞう)がん闘病記ですが、入院初日の日記に家族が帰ったあと「テレビを見る気になれず、インターネットで膵臓がんの勉強。定年直前に購入したドコモの携帯電話『らくらくほん』が役に立つ。」と書いています。入院時にパソコンを持ち込む人は別として、今どきの患者にとって最も大切な道具はスマホでしょう。
私が昨年、敗血症で二週間ほど入院した時は、急な入院だったために何の準備もなく、40度の熱があるというのにスマホの電池のことばかり心配していました。スマホがダウンすればメールでの外界との連絡も出来なくなります。
ところが、私が知っている限り病院はスマホに冷たい。電波の問題もあるでしょうが、「電気器具使用許可」を申請したとしても、病室のどのコンセントを使ったらいいのか悩みます。某病院に勤務する看護師の卵は、「患者さんたちは勝手にコンセントを使っているよ」と言いますが、私のような紳士は(笑)ためらいます。少なくともデイルームなどに、設置型の携帯電話急速充電器を置くべきです。有料でもかまいません。利用者が自分で暗証番号を設定してロックし、後で取りに行くタイプがいいですね。病院の近くの携帯ショップと提携すれば、宣伝を兼ねて無料で充電器を設置してくれるかも知れません。
(転載修了)※ ※ ※
冒頭、院内のスタッフの意思疎通が悪いという、いわゆる評判の悪い病院について触れられているが、これは病院だけに限らず、どんな組織にも通じることだろうと思う。スタッフ間のコミュニケーションがスムーズな組織はいずれも風通しが良く、痒い所に手が届く、と感じる。そして、その空気感を外来者は不思議と正しく感じ取る。
こと患者は自分の命がかかっているから、とても敏感でナーバスな人たち。だから、病院の雰囲気は他の組織より更にそのハードルが高くなるのかもしれない。
その点、今私が通っている病院はとても気に入っている。この8年近く、毎年進化しているのを感じる。長く通っているから、といってももちろん馴れ合いということではないが、顔見知りの看護師さんや検査技師さんも随分数多くなった。
初発の時お世話になった病院は自宅最寄駅から2駅5分で、駅からは緩い坂道を徒歩15分。とはいえバスも出ていたし、ドアツードアで45分かからなかった。患者にとっても家族にとっても、近いということは重要なポイントだ。
先生や看護師さんたちも決して悪くなかったし、嫌な思いをすることはなかった。10年以上前のこと、当然今は違うけれど、ATMでお金を下ろすことは出来ても、支払いにクレジットカードを使えなかったのは痛かった。
セカンドオピニオン、サードオピニオンを頂き、結果として今の病院に転院したのだけれど、もうひとつの病院を選ばなかった大きな理由といえば、星野さんも書いておられるとおり、私にとって立地条件が悪かったこと。治療がうまくいけば長いお付き合いになるわけだし、1度行ってみて毎回片道2時間はとても通えないと思った。病院最寄駅から徒歩で20分ほど歩くか、混雑したバスに乗り継ぐしかなかった。
がん治療で有名な病院だったから、治療してもらうために遠方から患者さんが集まってきていた。当時はまだ建物は古く、日当たりも悪く、とにかく院内がどこも暗くてものすごく混んでいて、右を向いても左を向いても回りは皆がん患者さんたちばかり(自分もそうなのだけれど)で、正直滅入る病院だった。
お手洗いも古く、綺麗だった記憶があまりない。第一印象で、「私はこの病院では死にたくない」と思ったのだった。この感じ、今でも鮮明に思い出せる。
一方、今の病院は最寄り駅から徒歩10分かからないが、ドアツードアでは片道1時間半弱かかるので、決して近いとはいえないし、具合が悪い時にタクシーで行くのも一苦労。だから、今後体調が下り坂になった時のことを考えると心配がないわけではない。
けれど、とにかく8年前、通院するなら絶対こちらの病院!と思った。1階のアトリウムは吹き抜けで外からの柔らかい光が入り、冬でも暖かく明るかった。レストランも売店も2つずつあった。今では改装されてカフェも出来ている。
そして、お手洗いも広めで綺麗だった。そう、星野さんがおっしゃるとおり、お手洗いの広さと綺麗さは大きなポイントだ。どこかのお宅にお邪魔した時も、お手洗いを見れば大概のことは判るという。
去る9月末から母が入院した時も、直腸がんの手術をするわけだから、好きな時に他の人を気にしないでお手洗いにいけるのが絶対に良い、と私が強く個室を勧めた。4人部屋でストレスを感じながら養生を共にすることを考えると、お金には換えられないと思ったから。
とてもではなかったけれど、一人で遠いお手洗いまで行くことなど出来なかったと思う。個室でも間に合わないことが一度や二度ではなかったから。
私自身は大学付属病院にはお世話になったことはないけれど、今の病院も研修医たちが診察室に立ち会ったりすることは往々にしてある。それについては事前に断りもあるし、NOといえることも出来るようだ。もちろん私は喜んで協力している。
院内にコンビニやカフェがある病院は増えているけれど(母がお世話になった病院にもコンビニはあったけれど、カフェはなかった)100円ショップはいいアイディアだと思う。確かにちょっとしたものは100円均一のもので十分だろう。なかなか家族に来てもらえない時も、院内で済むことなら自分で対応することも出来る。
そして、細々したものを1000円買えば気分が晴れるという感じもとてもよくわかる。侮るな、100円ショップである。
蛇足ながら、今は手の平や指先の痛みのために白い綿手袋が欠かせないのだが、10双ものを通販で買ったり、生協で買ったりして、自分なりに安く買っているつもりだった。ところが、先日ひょんなことから地元の100円ショップを覗いたら2双で108円だった。全然遜色なくびっくりぽんであった。たまにはチェックも必要である。
ダラダラと長文を書いてしまった。
今日は冬至。殊の外暖かい日だ。今晩は先日お友達から頂いたゆずのバスソルトでじっくり温まって休みたい。