ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.12.1 師走突入に想うこと

2014-12-01 20:35:53 | 日記
 あっという間に破くカレンダーがなくなった。今日から師走、12月を迎えた。今年も余すところあと・・日と、そこかしこで言われる季節である。テンプレートも例年のようにもモミの木に変えた。

 昨日、一昨日の土日は予定満載だった。土曜日の予定は無事全てこなせたものの、日曜日の予定は申し訳なくもキャンセルして、家で家事をしてゆっくり過ごすことにした。相変わらず欲張ったものの、自業自得の自滅。学習しないお馬鹿さんである。

 今日も紹介記事である。朝日新聞静岡版渡辺先生のコラムの最新号を以下、転載させて頂く。

※   ※   ※(転載開始)

がん内科医の独り言(2014.11.29)
少ない日本 育成進めて
 ■腫瘍内科医
 腫瘍(しゅよう)内科医は、がんを薬で治療する内科の医師です。
 副作用が強い抗がん剤が治療の主役でしたが、最近では副作用の少ない分子標的薬剤という種類の治療薬も登場し、治療はますます複雑になりました。がん治療薬の数は150に及び、いくら熟練した腫瘍内科医でも、すべてを常に自由自在に使いこなすというわけにはいきません。
 しかし、がん治療の基本はおさえていれば応用はできます。例えば、前立腺がん治療の中心はホルモン剤、男性ホルモンの働きを抑えることで長期間にわたってがんを制御できます。女性ホルモンの働きを抑えるために乳がん治療と同じ薬を使うこともあるので、ホルモンについての知識があれば応用できます。
 また、がんは最初に発生した臓器(原発臓器)から他の臓器に転移します。転移は以前考えられていたよりもずっと早い段階で起きることがわかり、原発部位を急いで手術で取る、という取り組みから、全身に転移が広がっていることを前提に、全身に効果のおよぶ薬物療法をしっかりと行うという取り組みに変わってきました。
 このようながんの特徴を理解して治療を組み立てることも、腫瘍内科医の仕事です。米国では、がんになったら腫瘍内科医受診という認識が定着していますが、日本では、がんになったら外科に行くというのが常識です。
 人口1人当たりの腫瘍内科医数は、日本は米国の約40分の1と少ない。そのためがんの手術をした外科医が再発後の薬物療法も担当するのが日本では普通の姿です。
 腫瘍内科医の育成が進めばこのような状況は改善すると思います。のみならず、薬物療法が現在の速度で進歩していけば、がん治療から手術という選択肢が消え去る日も遠くはないかも知れません。 (浜松オンコロジーセンター・渡辺亨)

(転載終了)※   ※   ※

 化学療法のプロである腫瘍内科医でさえ、150ものがん治療薬を全て自由自在に使いこなせるわけではない、という。況んやそれでなくとも忙しい外科医をや・・・である。
 かつてはまず早期発見、早期治療で小さいうちに取ってしまえば・・・という外科手術第一主義だったけれど、今や外科手術より先に全身薬物療法という流れに変わってきているという。ますますがん治療は、餅は餅屋、外科医から腫瘍内科医へ、ということなのだろう。
 3人に1人ががんにかかり、2人に1人ががんで亡くなるこの時代に、腫瘍内科医がアメリカの40分の1という少なすぎる日本、本当に悩ましいことだ。

 私も10年近く前の初発時は、乳腺外科でもなく総合病院の一般外科で手術を受けた。とても穏やかでいい先生であったし、手術痕も綺麗で、お上手という評判だった。再発する迄の3年近く信頼して治療を受けていたけれど、専門は消化器外科でいらしたから、やはり日々是変化していく乳がんの標準治療について、常に最新の学会に出席する等して勉強されていくのはとても難しいだろうなという印象を持った。
 そんなこともあって、再発を機に抗がん剤治療を開始するにあたり、やはり専門家にかかりたいと転院することが叶った。以来、幸運にも7年近く、数少ない腫瘍内科医にお世話になることが出来ている。

 再発治療を続けているこの7年近くの間にも、次から次へと新薬が出てきている。かつての欧米諸国と比べた時のドラッグラグもかなり解消されていると思う。それにしても、日々の外来診療と入院治療、そして土日は講演や勉強会等など、本当に先生はいつ休んでおられるのだろう、と心配にならざるを得ないのも事実である。
 少しでも早く多くの後進が育って、一人でも多くのがん患者が再発に限らず腫瘍内科医にかかることが出来ますように、と祈りたい。

コメント
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