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ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.1.14 23回目の結婚記念日は大雪・・・私は“悪妻賢母”?

2013-01-14 18:57:30 | 読書
 連休3日目。1日目、2日目とは打って変わって一日中冷たい雨の予報。昨夕、スキースクールでの洗濯物満載の息子のスーツケースが届いたので、すぐに洗濯したのだけれど、なかなか乾かない。乾燥した部屋の加湿にはちょうど良いのだけれど。
 遅い朝食を終え、ふと外を見ると、いきなり牡丹雪。あっという間に外は銀世界になっていてびっくりだ。我が家の前の坂道を乗用車が上がりきれず、3人がかりで押し上げているという現場まで見てしまった。こんな大雪は何年ぶりだろう。大昔、自分が受験した共通一次試験や今のセンター試験のこの季節は、必ずや雪が降るのだな、と思う。
 そんなわけで都心も雨から雪に変わり、交通機関は運休情報が相次ぎ、すっかり山奥から出てきました、といった出で立ちで、予定より早目に家を出た。
 明日は都心で早朝会議なので、2人の夕食の支度を終えて、またも前泊している。

 さて、今日は23回目の結婚記念日だが、お祝いは先取りしてしまったので、何もせずたまった家事をこなすごく普通のお休みである。
 てっきり23回目は特に宝石にちなんだ記念日ではないと勘違いしていたのだが、調べてみたらブルーサファイア婚だという。早速夫に「ブルーサファイアだって~」と言ってみたが、選択制難聴になってしまった夫であった。まあ、そんなものかなあ・・・。

 息子からは「お母さんは賢母かもしれないけれど、良妻じゃないよね。ねえ、お父さん?」と言われ、夫と顔を見合わせる。「まあ、そのとおりです。」と項垂れるしかない。
 本当は昨日、義母が入所している施設に見舞いに出向くつもりだった。EC治療が落ち着くまでは、と9月以降不義理を重ねていたが、前回の診察で治療がいったん終了ということになったからだ。そうはいうものの、先週撮影したCTの結果によっては、またすぐに別の治療になる可能性もある。だからこそ、行けるときに行っておきたかった。
 ところが、義妹に連絡したところ、おり悪く施設ではインフルエンザが蔓延しており、お見舞いはお断り、という状態だという。やむなく断念した。またも良妻になり損ねてしまった、ということか。
 いや、それにしても息子から“賢母”などと言ってもらえるとは思わなかった。理由を聞いてみたいような、このままにしておきたいような何とも複雑な気持ちである。

 さて、年末年始に読んだ本の続きである。
 3冊目は井上荒野さんの「つやのよる」(新潮文庫)。
 今月下旬、ロードショーで公開予定の映画の原作である。主演が好きな俳優なので、観ようかなと思っているが、まずは原作を読んでから、と手に取った。井上さんは私と同い年だ。
 帯には「謎めいた女が危篤に。その名は艶(つや)」とある。艶は抗がん剤治療をしているが、もう助からないことが分かっている。死臭漂う最期の病床の筆致がどうにもやるせない。ついつい同じ病である自分の最期と重ねあわせてしまうからか。艶(つや)と通夜(つや)が本文中の会話でも結構紛らわしい。
 監督の行定勲さんが解説を書いている。“「つやのよる」は、一筋縄ではいかない男女を描いた傑作小説である。愛に苦悩し、ボロボロになる一人の男と艶という悪女に翻弄された6人の女の話が面白くならないわけがない。だから、この小説は映画になる。”とのこと。
 7章からなる群像小説だ。艶の従兄の妻(51歳)、艶の最初の夫の愛人(29歳)、艶の愛人だったかもしれない男の妻(60歳)、艶がストーカーしていた男の恋人(33歳)、艶のために父親から捨てられた娘(20歳)、艶を看取った看護師(31歳)、艶の最後の夫(49歳)。この20歳から60歳までの6人の女性と、艶という名の妻を看病する男性が、艶と関係をもった男性たちに危篤の報を告げることで、彼らの妻、娘、恋人、愛人たちに起こる予期せぬ波紋の広がりを描いていく。
 どんなふうに映像化されるのか、怖いもの見たさのような楽しみがある。
コメント (4)
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