いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

無題

2016年08月23日 20時34分59秒 | ねこ

台風一過で空がきれいになったらしく。今夜、この夏、初めて、輝く白鳥座に気づいた。

■ 50年前の今日、1966年8月23日、北京の国士監街、孔子廟前庭で老舎が紅衛兵のつるし上げに遭う。


2005年 北京孔子廟前庭

2005年オリジナル記事


2013年 北京孔子廟前庭

この日、紅衛兵たちは(反動文化の象徴である)京劇の衣装を孔子廟で焼こうとした。京劇の衣装を北京市文化局にトラックで取り (強奪し) に行った。その際、物質である京劇の衣装を焼くだけでは物足りないと思ったらしく、北京市文化局にいた生きた人間を生贄として拉致した。その時、北京市文化局に居合わせたのが北京市文連主席も担っていた老舎だった。

熱狂した無知な少年たちは、貴重な舞台衣装を地球上から消してしまえと叫びながら、文化局の指導者を二、三人引っ立て、ついでに吊し上げようとした。市文連は文化局のすぐ側なので、ついでに市文連でやり玉にあげられていた、著名文化人にも手を伸ばしたのである。市文連であった父は、親しい友人と指導幹部が次々に名指しされるのを見て、自分から進み出た。彼の潔癖さは最も敬愛すべき点かもしれない。がそれが命取りとなってしまった。
現場で指揮にあたっていた北京大学の女子学生は、父を見ると大声で叫んだ。

「こいつが老舎ょ。文連の主席、反動のオーソリティー。さあ乗せて!」
 舒 乙 (著, 原著), 林 芳 (原著, 翻訳) 、老舎最後の二日、 『文豪老舎の生涯』

老舎は孔子廟行きのトラックに乗ってしまったのだ。