いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

インドの闇本 ?

2006年09月09日 07時02分09秒 | インド・2・4・5回目

インドの本屋で、「本物」とは色合いの違う、その分野での標準的な「教科書」、を見つける。350ルピーあまり。つまり日本円にして1200円ほど。 でもこの本はアマゾンでは、日本円で4 - 6万円の本である。アマゾン本店では435 USドル

そうなのだ。多分、これはインドで、オリジナルを複製した闇本なのだろう。


アマゾン Solid state chemistry

■おいらががきんちょのころ、図書館にしかない浩瀚だがその分野で必須の標準的な本を、ある先生がもっていると聞いて、お借りしたが、それは闇本だった。その先生は、闇本なんだよね、と恥ずかしそうに弁解されていたのが印象的だった。その際聞いたところでは、当時、素性のわからない「業者」が大学に直接来て、闇本が売買されていたとのこと。おいらが借りた時より20-30年前の日本が高度成長に入ったばかりの頃に闇本としてつくられたものらしい。当時、洋書は1冊ほとんど1ヶ月の生活費であったころの話である。

■過去にはボースとかラマンとかノーベル賞科学者を輩出し、現在、インドの科学技術が世界最先端に進出しているが、インド国内で勉強のため教科書1冊をまともに米国から買うということは普通の中産階級の子弟にもとても無理であろう。こういうのが上記闇本の背景。そして、かつての日本もそうだった、というお話でした。