alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

cafeから時代は創られる

2011年08月09日 | パリのカフェ的空間で



 拙著『cafeから時代は創られる』の書評をPRESS PARISさんの
ホームページ
に載せていただきました!!嬉しい限りです。


 最近ちらほら「この本をきっかけにして自分の人生を
変えようと思いました」的なことを聞いたりします。
私が今フランス語を教えている人はこの本を読んで
お手紙をくれて「会社をやめてフランスに行くことにしました」と
言っていました。なんだか不思議なものですね、、、
読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます。
ぜひアマゾンに一言書評をお願いします。


 あまりに熱い本ですが、まだ手にとってない方はぜひ!
我が家の在庫もだいぶ減ってきたので今度こそ第3版?
出せる日が来るといいですね。
ちなみに東京では西国分寺のカフェ、クルミドコーヒーさんに
置いてもらっています。広尾の都立中央図書館でも見つけました。
京都の府立図書館にも入っていると思います。
少しずつ日本のカフェ文化が面白くなっていくといいです。

広尾のカフェ

2011年07月30日 | パリのカフェ的空間で

 東京に帰って来てからだいぶ長いこと
広尾だ、、、広尾に行かなきゃ と
何か知らないけど思ってて
何で広尾?あの空気感?あれは確かに
独特だ それにやっぱり図書館があるから?
なんだかピンと来なかったけど
広尾だ、、、と思っていたので 重い腰を上げてみて
今週は3回も広尾に行けた!


 広尾というのは私にとってはかなりの憧れだったところで
麻布に入りたくても入れなかった(男子校なので)私は
文化祭に侵入して やたら哲学的な香りのする人たちと
お知り合いになって 2度くらいだっただろうか
夜の麻布に行かせてもらったことがある。
その時彼らは有栖川宮公園で焼き肉か何かをしたりとか
ナショナル麻布スーパーマーケットでちょっと買い物したりとか
乃木坂がどうこうなんて言ってみたりとか

 もうめちゃくちゃかっこよくって

 いいなー麻布!!!と思ってた。


 そう そんな麻布高校のある広尾に憧れて15年。
パリ滞在から帰ってみると あれ なんだかちょっと
身近に感じる、、、 かつて感じてためっちゃ異国で
ハイソでお洒落で近寄りがたい感じというより
あーここにいる外国人の人たち 日本の生活に疲れて
祖国を感じるスーパーで仕方なしに祖国のご飯
買っちゃうんだよな、、、となんだか気持がよくわかり
(それがナショナル麻布スーパーマーケットだと思う)

 お洒落な外国風マダムみたいな日本人も
あーこういう人たちパリにいたいた サングラスかけてねーと
なんだか身近に感じられ その上私が入れるようなカフェもあり
そこはかつて 多分高校の先生とケーキツアーで行った
ケーキ屋の跡地にあたるような場所なのだけど
有栖川公園の目の前で 私の好みのセガフレッド
(イタリア系のけっこう安い赤い色のチェーン店)で
テラス席がちょっとパリみたい。


 この店のすごいのは 来るお客さんの7割くらいが外国人で
黒髪をしてても中国語らしき言葉と日本語が混じっていたり
お客さんたちのつながりがやたらと濃くて ほとんどの人が
お互いに「おーまた来たな!」みたいな感じで挨拶してる。
こりゃ すごいねえ チェス台も店にあるのだろうか?
先日も今日もテーブルの上でチェスをしている外国人。
しかもそのチェスを眺めるために歩道に立ってる人もいて
なんじゃ ここはパリの公園か、、、
聞こえる言葉はたまに英語、中国語、あとは何語かわかりません。


 そんなカフェで 今度は私も特に臆することもなく
隣にすわったおじさんとちょっと会話をしてみたりして
「いやーパリのカフェみたいでいいですねえ こんなとこ
他にも知ってますか?」とか聞いてみたりする
原宿住まいらしい彼は「表参道のマックが悪くないけどね
まあマクドナルドだけどねえ」と言っていた。「アニベルセルも
あるけどね」「でもあそこ高いですよね」「そうなんだよねえ」

 そうなんだ かつてはそんな高級カフェに並ぶ外国人をみて
ひょえー!と思ってた私だけれど 彼らも別に高いカフェに
わざわざ行きたいわけじゃなくって そこしかないから
仕方なく 高いお金を払ってまでして テラスに座りたいのかな
その点ここのセガフレッドはかなりいいい。なんと300円台なのだ。


 うわー東京だなあ なんか凄いなと思ったカフェは
気楽でいて でもなんだか得るものがだいぶあるように
思えるカフェは 東銀座のタリーズとここでやっと2軒。
ほかにも色々あるかしら?そうは言っても やっぱり私は
ついパリのテラスが 1軒だけじゃなくって山ほど並ぶ
あんな国 が 恋しくなったりするのだけれど。


 
 さて広尾には東京都立中央図書館というのがあって
これがまたすごい蔵書を誇ってて 知れば知るほど奥が深くて
東京やら都市やらフランスやらカフェやらを探りたい私にとっては
かなりどんぴしゃな図書館らしい。ここは朝から晩まで
沢山の人が荷物を預けて何かを調べにやってきていて
その本気度合いみたいなのがみなぎる感じがかっこいい。
今日はなんとか早めについて お昼をカフェで食べ また
戻ってということができて 久しぶりの図書館生活。
そうしてなんとなく「これか!?」というのが
でてきたりして なんだかけっこう嬉しくなった。


 暗くなったらきりがないけど 広尾の図書館に行ってみたなら
「これは読まないと!」という本が山ほどあって
あれもしなきゃ これもしなきゃ あー時間がないという
気持になってくる。だからネガティブになっている暇がないようで
それが私にはいいのだろう。「これだ!!」というのが
もっとみえてくるだろうか 日文研もすごくいいとこだったけど
今の私にはこの図書館がどんぴしゃで合ってるようで
それが私にはかなりうれしい。


 日本で日本語 日本の情報 誰が何を言ってても
難かしくってもほとんどわかる それが母国にいるということ
ものすごいエネルギーで吸収したら また次の道が見えるかなあ
ちなみにここにはフランスの新聞やら雑誌もあった
恵比寿には日仏図書館もあるそうな 恵比寿とか広尾に住んでる
そんな人がちょっとうらやましい。。

国境を越えて

2010年12月30日 | パリのカフェ的空間で


 国境の長いトンネルを越えると

 そこは雪国だった、、、


 暗いくらい狭い密室の中で12時間を耐え忍ぶ と

 そこは異国の地なのだった

 そこは雪国でもあった。

 暗闇の中 飛行機は雪の積もった滑走路に降りたった。




 ヨーロッパは雪の影響で飛行場が大混乱。


 それでも私は異国に着いた

 たくさんの異人達のいる国に。




 なんでそんなに そこがいいのか
私にだってわからないけど
ここでは私はよく笑え
ここでは私は自分になって
自分の考えを表明したら
共感してくれる人もいたりして
なんだかわけはわからないけど
たまらなく嬉しくなってしまう
そんな瞬間が何度もあって

 そんな経験「こりゃたまらん」と
思ってしまう そんな機会は
私にとっては日本ではあんまりなくて
でも今日はのんびり道を歩いていただけで
そんな機会が3回くらいも訪れた。






 今日はカフェにいって本のことを考えよう!!
そう決意して目的のカフェに向かっていくと
あれ?なんだかビニール袋をさげた人たちが
通り過ぎて行く。 、、、 もしや マルシェ?と
思ってまっすぐ進むと 本当にマルシェ。
しかもなんだか普通と違う!



 私が今いるところはパリでも移民が多い所で
そこのマルシェといったら売ってる人は
ほとんどアラブ系の人たちで 買いにくる人は
アフリカ系や中国人もちょっといて
純粋なフランス人にとっては居心地が
悪いんじゃないかというくらい 異国情緒に満ちていて
パリにいるのになんだか中東の市場に来た気分。
彼らの言葉もなんだかなまりが強くって
はて?なんて言ってるのだろう?とちょっと
たちどまって考えてみると「あ、2ユーロ サンカントか」
とかわかったりして面白い。
そんな私もいざ買ってみようとして話をすると
なかなかうまいこと通じなくって
外国人と外国人が フランス語でなんとか
わかりあおうとしている そんな感じで面白い。





 そしてこのマルシェの安いこと!!
パリにはいろんな地区があって かつて留学時代に
何度かいった 高級なマダムたちのくるオーガニックの
マルシェは目をみはるほど高かったけど
今日のとおりすがりのマルシェは耳を疑うほどに安い。
(玉葱1キロ1ユーロとか)

 そんなあとでカフェに行き、3ユーロ払って
カフェクレームを頼んでみると なんだか
やたらに高く思える。カフェといっても
パリのカフェはカウンターに行けばだいたい
エスプレッソは1ユーロから1、5ユーロ(150円程度)で
飲めるから ちょっとカフェに行こうか、と思って
本当に気軽に行けてしまう。



 私が嬉しかったのは 以前から興味のあった
子供用のカフェ「カフェゾイド」を通りすがりに
見つけたことで、あ!!ここかー!でも
子供いないと入れないってきいたしな、、、と
はじめから諦めてたけど よくみると
おばさん3人でご飯を食べてる人もいる。
カウンターには大人もいるし、、、
しかも年末年始は休業すると書いてあるから
もしかして最初で最後かもしれない。


 ここはちょっとがんばってみよう!と勇気を出して
扉をあけて中をのぞいてみることにした。


 どうやら大人だけでコーヒーを飲むのも大丈夫な
ようなので さっきカフェクレームを飲んだばかりだというのに
カウンターでエスプレッソを飲むことにする。

 カウンターで一人でエスプレッソだなんて
まだまだ私も慣れていないから かなりどきどき
するのだけれど お隣に感じのよさそうなおばさんがいて
せっかくだからと話しかけ、それから5分くらい話をしてた。



 そうそう まさに私 こんなことの研究してるんですよ
カフェでの出会いっていうか ランコントルというか、、、
そのおばさんは娘さんがここで働いていて 今日はじめて
様子を見にやってきたそうな。「はじめてという点では
私もあなたもおんなじね」と。ほんとですねえ
おばさんは私の話にちょっと興味を持ってくれ
カウンターの中のお兄さんや他の人たちに
少し紹介してくれた。「ここは2階が子供たちの
アトリエになっててね 誰々という人がいるから
みせてもらったらいいわ!」と言ってくれる。




 写真もちょっと撮らせてもらって ぐっとエスプレッソを
飲みこんだ後 せっかくだから行かせてください と
2階にあがらせてもらたら わーお!さすがフランスだ、、、と
本当にうらやましくなった。お絵描きの道具、
ピアノに料理をする場所、子供達の隠れ家に
古いサッカーゲームの台に、、、ここは0歳から
16歳までがきてよくて、8歳までは両親と
一緒にくるんだそうな。日本でいう児童館?
フランスに児童館があるかどうかは知らないけれど
とにかくここで驚いたのは何よりもセンスがいいこと!
さすがパリ、アートの街です。。。


 私は小さい頃にアメリカにいたからなのか
どうも西洋文化に対する憧れが強すぎるようで
いーなーこんなところ!!!とかなり本気で思ってしまう
こんなところにずっといれたらどんなに気持いいだろう
フランス人やアフリカ系の子や中国人の子と
仲良くなって?私のささやかな夢の1つは
このカフェゾイドの常連になって 「子供のカフェ」の
記事を書くことなんだけど、、、


 そんなカフェの帰り道
通りすがりの店の窓をのぞいていたら「哲学講座」と
書いてある。いーなーこんなの しかもたったの
6ユーロで飲み物代も含まれるらしい。
先日は哲学カフェと それからシネフィロという
映画をみてからその映画について(哲学的に?)
議論するという会に行き とても難しかったのだけれど
とっても興味深かった。(ちなみに観たのは
韓国映画の「ポエトリー」という作品で
それについて1時間半くらいみんなで論じてました)


 パリ いいなあ
こんなにたくさんカフェがあって
汚いところは汚いけれど みんな好き勝手に生きている
自分のやりたいように振る舞って
勝手気ままに生きている
いーなーパリは 私はとってもこの街にいたいと思う
どこまで行ってもカフェのある国
ここに住めたら本当に嬉しい。

銀座のカフェ

2010年09月28日 | パリのカフェ的空間で


 今回は東京に来てからもう3回も銀座に行く
機会があって わーやっぱり 銀座はなんだか
雰囲気が違う 東京の中でもお洒落だし
どこか別格なんだなあ とつい思ってしまう。


 どこで違いを感じるかって 並木通りとか
高級な通りもそうなのだけど うちの父が入院を
することになった病院から一番近くのカフェでさえ
なんだか雰囲気が異なっていて そこに行くのは
2度目なのだけど なんだかちょっと 妙な気分。


 銀座のカフェ と言ってみたって
そこはただのタリーズで 見た目は何の変哲もない。
だけど周りの人の話や雰囲気が どうやら
他の地区とは違って はー なるほど!
なんだかどうも ここに普通にくる人たちは
ちょっと世界が違うらしい。





 かつてパリのカフェ・ド・フロールがとても有名だった頃
空港まで飛行機に乗り 降りたらタクシーに飛び乗って
「カフェ・ド・フロールに行ってください」
そういう人たちが居たという。
カフェに行って?だからどうなの?とつい思ってしまうけど
あるカフェは魔力を持ってて
それはそこが 何かの中心地になってるからで
中心地 に なってるカフェは 
ただ人がちょっとお茶しに憩いにくるような
そんなカフェとは違うらしい。


 さてそこのタリーズは?
ここは近くに新聞社だとか大きな広告代理店もあり
もちろん銀座の中心街まで歩いて5分くらいの距離で
だからなのだか そこに来ている人たちの雰囲気だとか
話す内容が どうも他のカフェとは違ってて
出版社系やデザイン系?という感じの人たちが
ちょっとした打ち合わせみたいなのをしていたりとか
先日私の隣で話をしていた人は はじめはマヤ暦の
話をしてて ちょっと懐かしいヒッピーイベント系の人?と
思っていたら 今度パリでコンサートみたいなのをするという。
音楽をやってるアーティストなんだろうか
娘さんがいるらしいけど 彼女を預けて今度
オーストラリアに勉強をしに行こうかしらとか
言っていて この人何者なんだろう?


 その人と一緒に話をしている人は もうちょっと
モード系の雰囲気で 東京マラソンに今度出るとか
言っていた。彼女は全くヒッピー、反原発系の人でもなくて
ただの友人っぽい感じだけれど なんだか話の雰囲気からは
2人とも自分の道をいっていて それでけっこう
お金を稼いで人脈ももってやっている
そんな人たちなのだろう(横尾忠則の話もでてきたような)

 なんだか不思議な人たちだなあと思いながらも
私は横で翻訳の作業をしてて 今日もまたそのタリーズへ。
すると隣に座った人たちは私より若そうな女性2人で
仕事の話やあまりいい出会いがない話などをしてるんだけど
たまに韓国の話もでてきて はて彼女達は日本語だけども
韓国人?かと思いきや なんだかとっても国際的で
「またアメリカに勉強しにいきたいなー」とか言っている。
「でもアメリカってお金かかるんでしょう?
留学してたとき年間いくらくらいかかったの?」
「いやあ はっきりとはわからないんだよね
だいぶ高かったと思うけど でも親が出してくれたから、、、
しかも私立の学校だったし 学費だけじゃなく
生活費も込みだから 年間400万くらいじゃない?」

 年間400万ですって!!しかも彼女は
何年か留学をしていたらしい。すごいですねえ。
それに対してもうちょっと若い女の子はといいますと
看護学校に通っているらしく「うちは学費年間150万だよ」
わーお みなさん お金持ち、、、
よくよく話をきいてしまうと なんと
どうやら2人はフェリスの出身らしい。
はあ フェリス。小学生の時 憧れました。
横浜のお嬢様かつ 頭のいい人たちのいく私立の学校で
「フェリスも学費高いもんねえ」
そりゃ高いだろうよ そんなところに通えた上で
そんな留学もさせてもらえる お父様 は お医者様?


 彼女達はかなり医療系の話もするから おそらく
そんな家系なのだろう。そしてうちの父は
そんな人たちに囲まれながら 入院をするわけだけど
看護婦さんはお医者様との出会いを探し
なんだかつれない空気のただよう病院に
「患者」は入院するわけで
「患者」その一人にとっては 人生の一大事だけど
お医者さんや看護婦さんにとってみたら
かれらは大多数の患者の一人にしかすぎなくて
私はそこに足を踏み入れる度 なんだか切ない気持ちになってしまう。


 別にお医者様!がいいだとか 弁護士の妻になりたいだとか
そんな気持ちは毛頭ないけど なんだか彼女達は
もって生まれた世界が違って だけど私も私で
最近勝手にインターナショナルな気分で生きてて
もう以前のようにカフェでインターナショナルな話を
している人がいるからって 指をくわえて
う うらやましい、、、と眺めるだけじゃない。
隣の席に座った人に 話しかけたりはしないけど
それでも同じ場所 で 同じようにコーヒーを飲み
未来について考えている なんだかそれが面白い。


 どこかでいつか 交わる日が来るのだろうか
どこかでいつか 新聞社の人たちや
編集やデザインをしてる人たちや
芸術系の第一線の仕事をしている
「東京」の真ん中にいる人たちと
私はただただカフェで隣り合わせるだけだけど
いつの日か 口を開いて 少しは中にいれてもらえる
そんな日も来たりするのだろうか
東京なんて と思っていたけど
銀座はやっぱりセンスがよくて
東京のまっただ中で 頑張る人はがんばっていて
それらが世界で評価されてる。
そんな人たちは このカフェの 
ほど近く に いるのだろうか


 なんだか不思議だなあと思う
その世界 を 垣間みたいなら
その世界 に 一番近い カフェをのぞいてみればいい。
東大に興味があるなら 東大生が行くカフェに
高校生の時分にだって 行って観察すればいい。
早稲田に憧れを抱いてるなら オープンキャンパスに
行くだけでなく 近所のカフェを覗けばいい。
そこでは彼らが口を開けて 本音で話をしているわけで
装ってない 本当の姿をさらけだしてしまってるから
だからとっても面白い。

 この銀座のカフェは 私が知ってるその他多くのカフェとは
なんだか感じが違い カフェのもつ深みを少し
感じさせてくれた気がする。
これからしばらくここに通って
私も仕事をしてみようかな。
不思議なことに 子供を産んで
もう戻れないと思った東京の街。
永遠に離れてしまったと感じた東京の街がなんだか
2年の歳月が経った今 私にはとても身近なものになってしまった。

パリのカフェで

2010年09月22日 | パリのカフェ的空間で


 昨日今日、と東京の気の合う友達に会い
沢山のことをカフェで話して
私はこれからこうしたいとか パリにいたいとか
いろんなことを言ってたら 彼らはとても
受け入れて 応援してくれ
本当にありがたい友達だなあと嬉しくなった。




 もうネガティブなのはやめるんだ!と
思ってみても 1日のうち 数回は
ネガティブ時間が私をおそって
今日は友達に会う前なんかに そんな気分になってきて
あーなんて言われるかなとか もっと現実を見なよとか
ちょっと恐ろしかったけど 会って話をしてみると
とってもポジティブな話ができて
本当にとっても 温かかった。


 彼らは私と話をしながら「美樹ちゃんが
京都とか東京にいるっていうのは なんだか
変な気がするなあ」と言ってくれ
「やっぱりパリにいそうだよ そんな
イメージが目に浮かぶ」とまで話してくれて
そういう風に言ってもらえて 私は本当に
嬉しくなった。そう どっちにしたって
どこでも適応障害で ママサークルでも
団地妻でも 適応しようと必死の努力を
するのだったら パリにいた方がいいではないか
私はメトロのエスカレーターをのぼって
パリの街を見ながら そんな風に思ってしまった。
どうせどこに行ったって 私には大変なんだから、、、


 昨日今日と話した彼らは日本を出たい「脱出組」で
今の日本にこれ以上留まっててもちょっとねえとか
10年くらいしたら帰って来てなんか大きなこと
してみたいねとか そんなことを言い合っていて
今の日本に足りないものは?と話してみると
うーん 人生を楽しむ姿勢?それはないよね
それから議論する文化 それもやっぱりないだろうし
何かを変えて行こうという熱い動きも 
ないわけじゃないけど 圧倒的に少数派。
そんな話をしていると 私がパリで色々学んで
日本に伝えて行けることって きっと沢山あるんじゃないか
なんだかそういう気になっていく。





 先日お話をしていた人は 私のブログと本を見ながら
「飯田さんの中ではクリエイティブなことをしよう
何かを変えようというベクトルと ゆったりした
出会いを楽しもうというようなベクトルがどうやって
共存しているんですか?」と私に尋ねたのだけど
私にはよくその質問の意図するところがわからなかった。
「え?だってそれがカフェでしょう」とか
「一人の人間の中で共存はできますよ、、、」と
思ってしまったけれど 多分これはもっと深い質問で
つまり議論を生み出し 変化を起こすようなところと
日常のゆるゆるした ご近所さんのちょっとした挨拶がある
そんなカフェやら出会いの場やら人生と が
どう両立できるのか という話なのだろう。


 もちろんカフェでは いつも議論!!なわけじゃないけど
おそらくこの質問をした人は 日本では圧倒的に
後者ばかりで 議論や変革を生むような そんなカフェも
そんな場も そんな人さえ 非常に少ない
そのことについて案じていたんじゃないのかな。
確かに「ほっこりカフェ」だとか ふれあいの居場所的な
おばあちゃんたちのたまり場みたいな空間からは
近所のつきあいは生まれるけれど 大きなうねりは?と
問われてみると うーん イベントくらいならあるけどね、、、
それは全く別ものなのかな?
実際のところ 私自身 パリにいって 人生の
劇的変化を感じたあとに 近所のカフェに
戻って行ったら ほとんど変化もしてなくて
なんだかとっても哀しくなった そんな経験もあるわけで。


 議論をしても? イベントだったり
1回きりで終わっちゃったり イベントはやっぱり
イベントだから 疲れてしまって 続かなかったり
イベントはイベントを生むけれど(キャンドルナイトとか)
それで社会が変わったのかと問われてみると
なんだか微妙な気もするし
(ちなみに今年夏の電力消費量は例年の13パーセント増
なんだそうな!チームマイナス6どころじゃないですよ
秋から省エネに励みたいところ、、、)
社会が実際に変わるというのは 本当に難かしいけれど


 だけどパリでは パリプラージュとか
町中にできた貸し自転車とか マルシェとか
いろんな取り組みもあるわけで 社会は変わらないわけじゃない。

 「日本では だれも変化を望んでないよ」
友人たちはよくそう言っている。
だから変化を望む自分が出てったほうが手っ取り早い。
だってまずは 自分自身も もっと幸せになりたいし。
だけどそれでも何か伝えられることはあるはずで
私がもっと つっこむべき視点というのは
議論をする文化であったり 会話のある場所であったり
いかにしてそれがおおきなうねりになっていったか
いかに変革に結びついたか そんなところ なのかしら?

 
 カフェ という場所を通してわかったことは沢山あるけど
わからないこともまだまだあって 私は自分の本の
第六章を もっと深めたい気がしてて
まだまだカフェには謎がある し
カフェを通してわかってくことも沢山きっと あるのだろう。
私にしか できない視点
私だからこそ 書ける視点で
もっと今の日本に参考になり 10年後の役に立つような
そんな本が パリのカフェ で 書けたらいい。

パリのカフェの写真達

2010年09月15日 | パリのカフェ的空間で

 細々とですが、パリのカフェの雰囲気を
お伝えしようとホームページをつくりはじめています。
これまで何年も撮りためてきた写真やら
デッサンやらを少しずつご紹介しようと思っています。
一体どんなとこなのかしら?というのが
写真をみたらだいぶ伝わるんじゃないかと思います。

 まだまだつくりはじめですが
よかったら一度みてみてください。

パリのカフェ」です。

カフェという場の可能性

2010年09月12日 | パリのカフェ的空間で

 
今日は朝から農楽カフェのつづきがあって
兵庫県は姫路のちかくの 神戸市西区まで
車にのって 伊藤さんちの貸し農園に行ってきた。

 今日のイベント「フィールド農楽カフェ」は
10時から2時までの4時間という枠組みで
打ち合わせの段階までは それで結局
何するんだろう??と頭の中がかなり「?」で
いっぱいだったけど 参加してみると
なんだか流れがまとまっていて、
私もカフェの話をふられて 参加者の方が
理解をしてくれたのかどうかはわからないけど
くすのきエコファーム主催者の伊藤さんが
カフェに随分理解を示してくださり
その説明をみんなのまえでしてくれたのが
私にとってはとても嬉しい出来事だった。


 あいかわらず私の中では もう長年
考えてはみてきたけれど なかなか
結びついてはくれない「カフェ」と「農」という
キーワード。それが結びついたらいいのにな
と 去年の農楽カフェから思っていたけど
今回はだいぶいろんなことが腑に落ちた。


 伊藤さんは熱い人なので「こうやってね
議論したりするのが大切なのよ!カフェみたいに
4-5人でね!」とワールドカフェ形式を
かなり気に入ってくださって、今日の話をするときも
ふだんは陶芸教室の会場兼ガレージだというスペースに
組み立て式の(オリジナルの!)机を設置し
その上に伊藤さんの書道の練習用に使った紙を
並べてテーブルクロス風にして「カフェっぽい」
雰囲気をつくってくださり とても心地よい空間だった。
そのうえお昼は期待をはるかに上回る
とってもおいしいマクロビの、しかも前菜、
メイン、ごはん、味噌汁、デザート、しめに
コーヒー(いいのか?いいよねカフェなんだから!)
からなるお料理を堪能させていただいて
とっても素敵な試みだった。


 こんな風にカフェっぽく、あえて4人一組くらいで
テーブルをセッティングしてとやってみたのも
伊藤さんが こんどはかつての私のように
「そうだ!カフェだ!」と思ってくれたからなのだろう。

 今日はその後じゃがいもの植え付けを体験し
根っからの都会人の私は今に至るまで 農作業体験を
ほとんどしたこともないままで 畑に入って
うねをつくって というそんな経験が面白かった。
そして私より若いのに手慣れた人たちがまわりに沢山!
うねって何で必要なの?とかそんな初歩的な
質問から 農業用語の基礎の基礎とか
教えてもらえて面白かった。
私にとっては相も変わらず遠いイメージの「農」だけど
貸し農園ならいけるかも とか たしかに
自分で畑をおこすところからやってたら
そりゃあ絶対美味しいよなあ と
いつか野菜は育ててみたいな と
そんな気持ちになれたこと が なんだか
とってもありがたかった。


 この植え付けの基本指導をしてくれたのは20代
前半くらいの女の子で 今は有機栽培農家で
研修2年目なんだという。彼女の手つきはとても慣れてて
なんだかとてもかっこよかった。ちょっと2人で
話す機会があったとき、農業をやろうと思った理由を
尋ねてみたらこう言っていた。
「昔から農業に憧れてたんです。今は楽しくて
時間がたつのも忘れてしまって 気がついたら
夕暮れなんですよ」「へー!いつから憧れてたんですか?」
「子供のときからですね、、家は農家じゃないんですけど」
そっかー それじゃあ うれしいんだろうなあ
彼女はしょっちゅう「感謝している」と言っていた。


すごいなーと思う一方 そしていわゆる
農家さん的な雰囲気の中 なんだか一人浮いてる私は
(だって一人だけ「パリのカフェ」なんだもん
まあ 浜名湖ユースでもそうでしたが、、)
でも私のまわりにいる人の多くが「農だ!!」と
言ってるからって 彼女にとって農が本当に喜びなのは
それが彼女がそれに憧れていて 本当に好きなことを
やってるからで 私が無理矢理「農?かしら、、、」と
思って一緒になってやってみて も なんだか
だいぶ違うのだろう。みんなが「農だ!!」と言う度に
私は途方にくれるけど 私は最近思い始めた。
都会にだって役割がある。都会のしくみを
変える人だって必要なはずだ。それに私は
カフェというテーマでやってきてるし
それを使って何を変えてくことは可能だろう。


 伊藤さんはどういうかなあ?農をテーマにがんばっていて
でも私のカフェ論も共感してくれた彼女はなんて言うのだろうと
つい思ってしまうけれど 彼女は「もっと沢山の人に
カフェのことを伝えてほしい」とみんなの前で言ってくれ
別に私に対して「あなたも自給自足するべきよ!」とか
「田舎で農業してなさい」と言ってきたりはしないわけ で
私はやっぱり 私の視点で 世界を見たくて
私には私なり に やれること があるのなら
違う視点から なんとかかんとかやってみたい、と
はじめてお話した後の 帰りの電車で
私は都会でやってみよう と ちょっと思えたりしたわけで。



 カフェは何かをつなぐのだろうか

 カフェは何かを変えるのだろうか?


 今日参加者の話を聞いてて気がついたのは
「僕たちはおいしい野菜をつくります。それが
料理されて食卓にあがって、、、」そんな話を耳にしたとき
ああそうか 「農」といっても それらのものは
どこかで料理され 食卓にあがるものなわけで
それがいかに食べられるか というのも
けっこう面白いかも と私は思った。

 いかに というのは けんかして無言で
無農薬有機栽培マクロビの料理を食べるのと
美味しいワインと素敵な雰囲気とろうそくの灯の中で
楽しい会話に笑いながら ご飯を一緒に食べるのとでは
美味しさの質も全く違うということで
「これはいい!あれはダメ!」「肉もダメ!砂糖は
もっとダメ!!」と言いながらしかめっ面して
食べるのよりは 白米でお肉であっても 
楽しく笑って食べてた方が きっとつくられた
ものたちも まわりの人も 嬉しいだろう
そういう方法 ただ料理をするだけでなく
いかに食卓を楽しむかとか いかに
カフェを楽しめるかとか そういう方法
そういうのって あんまり日本で重視されてない
そんな気が私はするから 
そういうことをもっと探って伝えていくのもありかもな?


 フランスで何故カフェで出会いが生まれるかって?
いまだにそれがあるとするなら 日本には
ほとんどないもの それは彼らが気軽に
ギャルソン達と軽口をたたくことだろう。



そうしておもしろおかしく冗談をいい
気の利いた言葉をつかって 隣の人もクスッと笑う
そこで目配せがはじまっていく そういうとこから
会話が生まれる 私にはそんな気がするな。
(ちなみにパリで夜にでメトロを待っていた時
隣の人が「あと何分で到着です」という電子アナウンスに
「メルシィ」と言い返してて 私とそのまた隣に
いた人は顔を見合わせて笑ってしまい そこから
3人でのちょっとした会話がはじまったことがある。
こーいうのをエスプリっていうのかしら?)

 カフェはないより あった方が断然いいけど
「さあカフェですよ」と開いてみたら
何かが生まれるわけじゃない。
そこにもいろんなやり方があり
日本のカフェを放っておいても 
出会いはないし ちょっと誰かが紹介しても
名刺交換から始まっていく 通り一遍の
紹介の仕方で終わってしまうかもしれない
いろんな方法 いろんな方向があるわけで
カフェにはきっと方程式があるのだろう。
どんな方程式をつかったのなら カフェから何かが
生まれるのだろう?私はもっと それを探って
沢山の人に伝えていければ
私なり に 役にたつことができるのだろう
やっぱり私は私の道で もう少し研究を深めて
成果を社会に還元したい。伊藤さん 本当に
ありがとうございました!

さよなら三条

2008年11月15日 | パリのカフェ的空間で


 この2日間久々に体調を本気で崩し
寝たきりの生活になってしまっていたけれど
そういうわけにもいってられずに動いてた のは
今日で引っ越しするからだ。


 洛西の家が見つかってから3週間で
本当に入居することになり あっと言う間に
何もできずに 本当にこことはおわかれ
今度は業者に頼むから いつも通りの生活のまま
ほんとにここを去るのだろうかと
実感はわかないままでいるけれど。


 引っ越し前日の昨日もずっと寝込んでたけど
4時をすぎ いろんなところが閉まる時間に
ようやく起き出し あれとこれとあれしなきゃ!!と
重い身体をひきずってみる。まずは目の前の児童館に
ゴミ袋をもらいに行って、、、


 大学院時代はひたすらうるさいなー!と思ってた
目の前の保育園の敷地に入って児童館の扉をたたくと
そこはなんだか暖かくって 子供が生まれておむつ用の
ゴミ袋をもらいにきてみた私に今更ながら
乳幼児用のサークルの話をしてくれる。

 な なんだ、、、 こんなところにあったんだ、、、
今迄ずっとママ友欲しいと思ってたけど こんな目の前の
この場所に、、、 係の人は暖かくって なんだか切ない。
「ありがとうございます」と笑顔でかえしてみたものの
実際のところ明日で引っ越しするわけで
もっとはやく気付けば良かった ちょっとそれに切なくなる。


 ブックオフで本を売ってから信号をこえて
郵便局に立ち寄って いつもの係の人に転居届を出してみる。
その人のことは私は知っているけれど 係の人は
私のことなど知らないだろう そんなことを思いながら
三条大橋郵便局という 歴史あるけど とても小さい
この局のかつての写真を眺めていると「遠くにいかはるんですか」と
言われてしまう 「そうなんです 西京区の方に、、、」
「もうこちらには来られないんですか、、、」
「そうですねえ 遠くなりますねえ あ でも三条だから
来るんじゃないですか!?」なんて言ってはみたものの
郵便局には来ないだろう。


 郵便局にも沢山のドラマがあって 風景印を押してもらったり
結婚式の招待状を大量に投函したり(たしかそれ全部に
風景印を押してもらった) 結婚式が終ったら 今度は
結婚しましたハガキを全部送って 気がつけば私のお腹は
大きくなってて ある日赤子を連れて来て 彼用の
新しい口座をつくる そんな私のドラマがあって
誰も知らない 誰もみてないと思ってたけど
きっとあそこの係の人は ちゃんと見ていた
だから声をかけてくれたと 最後の最後にようやく知った。


 そうして最後に鴨川を いつも通った鴨川を
親子みんなで眺めたくって この日ばかりは早く
帰って来てくれた げんきくんとれんちゃんとで
三条の川辺にちょっとたたずむ あーこの音も
もう聞けなくなるんだなー バカなことをいっぱいしたなあ
ここで夕飯を食べた事も 早稲田の校歌を歌った事も
寝そべったことも いろいろあって 妊娠中には
散々歩いた。だから堪能したって言えるだろう。
王将もミンミンも 歌舞練場も川床にだって行ったしな
もう思い残すことはない。


 けれどもあそこのあの光

 たくさんの人が集ってるあの光 あそこにはちょっと行ってみたい
橋を超えるのはしんどいけれど それでもスタバが気にかかる。
「ちょっとお茶 したいねえ、、、」
金曜の夕方に どうみても人で埋まってる三条スタバに
席なんてあるわけがない。けれどもいってみようかと
なんだかそんな話になって 三人で扉をあけるとやっぱり満員。
知合いの店員さんはいるけれど まあいいや明日来ようと
気恥ずかしいし もう帰ろうと思うけど 
げんきくんは立ち去らなくって「早く行こうよ」と
言ってはみても 物販をじっとみていて動かない。
そこですかさずいつもの男の店員さんが
「お席をお探しですか?」と声をかける。やるなこの人、、、
「ええ でもありますか?」
「奥なら1つあいてます」


 ありゃ本当?そういうわけで込み合った夕暮れスタバで
お茶になる。もういいやココアとか飲んじゃおう。
ちょうどこの日は一番話した店員さんも居てくれて
「お久しぶりです!!」と言われた直後に
「私明日引っ越しなんです!!」「え えええ!?」

 この人がいてくれたから 私はとっても長居ができて
ここでずっと論文を書き 本を執筆できたわけで
最後の最後に彼女に本を手渡したいと思っていたけど
彼女は明日はいないらしい。朝行こうと思ってたのに、、
どうしよう と思ってみたけど ここは近いから
もう最後だから がんばって帰ってみよう!
ゲンキ君とれんちゃんをスタバに残して急いで本を
とりにかえって 店員さんに本を手渡す。
何がなんだか よくわからないと思うけど
いつか読んでみてほしい せめて私がささっと書いた
ありがとうの言葉だけでも 読んでみてほしいなあ
三条に来てよかったことは ここのスタバに出会えたことで
辛い事も沢山だけど このスタバだけは正解だった。
それが私のよかったことだ。
「またいらしてくださいね!!」という
心のこもったその一言が どんなに嬉しいことだろう。
今度からは ここのカフェも 一人で使うだけじゃなく
待ち合わせに使ってみよう。また別の使い方で
少しでもここに来れたらいい。


 最後の最後の最後だけども 私にとっての三条は
こんなローカルエリアであって 生活圏なわけだったけど
そんなに悪くはなかったかなあ
スタバがあって ありがたかった。今日は最後に行けるだろうか
またいつか あの店からこの家を 眺める日が来るのだろうか
さよなら三条 さよなら我が家 喜怒哀楽の沢山の想い出のある
ここのおうちも今日でおしまい。
本当にありがとう。

虹色の珈琲

2008年10月06日 | パリのカフェ的空間で

 今日こそはゴゴに行こう
毎日毎日そう思っても 天気だとか
体調だとかで行けなくて あっという間に一週間が過ぎてゆく

 けれども今日は うちのマンションが断水らしく
これじゃあお昼ご飯の洗い物もできないだろうと
この日ばかりはゴゴで外食 それを楽しみに待っていた。


 そうして時間になってれんちゃんをつれて電車にのって
いつもの喫茶店へと足を伸ばすと いつもの通り
いつもの人達 れんちゃんは起きていられるのかな?
ゴゴに着く直前で彼は眠ってしまったけれど
店に入って声をかけられるとまた起きて 
しばらくいい子で起きていた。

 どうなることやら、、、ドキドキしながら注文をして
サンドイッチがきたものの れんちゃんはまだお目めぱっちり
これではとても食べられない うーんと思っている間に
ちょっとぐずって ちょっとだけども私はかなり
びびってしまい そうだ外に連れだそう!と
ちょっと散歩をしてくると すぐに彼は眠ってくれて
なんとかご飯が食べられる。


 そんな今日のゴゴにはいつもと違った風景があり
なんと あのマスターが カウンターの中に立って
えっ!?コーヒーを淹れている!?


 「マスター 立てるようになったんですか!!?」
突然の入院からもう1年半が過ぎ去って 車いすの
マスターばかりみていたけれど あのマスターが
あそこに立って コポコポとコーヒーをいれている
そ そんな日が来るなんて!


 どうもそのコーヒーは お客さんのために
淹れられたコーヒーらしく 常連客のお客さんは
そのコーヒーを待っていた お おいしそう、、、


 前回ゴゴに行ったとき こればっかりは!と
決心をして ついにコーヒーを口にしたけど
勢いあまって飲みきってしまったコーヒーで
おっぱいはコーヒー牛乳の味になり
れんちゃんはかなりイヤイヤをして
しかもめちゃくちゃ興奮してて 
「ごめん!もうお母さんコーヒー飲まないからね!」と
約束したのに だけど どうしてもの時だけは
そんな時だけはコーヒーを飲んでみたい。

 この私 が れんちゃんを産んでからコーヒーを
飲んだのはたったの3回 1回目は3分の1くらいしか
飲んでいないし 2回目は1口だけで 3回目が
ゴゴのコーヒー。 それほど我慢をしているわけであり
どうしてもならいいじゃないかと そうは思えど
いやいやをされるのも嫌だから あれ以来
飲んでないけど だけどマスターのコーヒーは
「どうしても」に価するんじゃないだろか。

 だってゴゴのコーヒーなわけで しかもあのマスターが
一年半ぶりにたっているけど この先もう一度飲めるかなんて
全然わからないわけで だけど今なら
たてたてのコーヒーが すぐそこにできていて、、、


 やっぱり飲もう!


 れんちゃんごめん!そう決意して注文をして
一口目を口にする うーん普通の味かなあ?
そう思ったあと なんだか違う 何かが口に広がって
甘い味も ほんのりとした苦みも 複雑な味が
次から次に 私の口に広がって
優しくって まろやかで ハーモニーのようなその味が
のどの奥までやってくる


 これが これがマスターのコーヒーなんだ。


 なんだかとっても優しくて ほろ苦くって
まさに青春という名のような 暖かくってちょっと切ない
それでいて色んな味の そんな珈琲
それがマスターの珈琲なんだ。


 そうか私はこれに出会って 感動をして
それからここに通い始めて あれからいろんな歴史があって
マスターはいつか立たなくなって お姉さんが立つようになり
沢山の事件や出会いがある中で ゆっくりと時は経過して
私だって結婚をして 妊娠をして 子供はもう三ヶ月になり
色んな風に変わっていった ただ珈琲を飲むだけで
様々な思い出が湧き起こる そんな力を持っている
それがマスターの珈琲なんだ

 そりゃこんな珈琲は 京都にだって全然なくて
美味しそうに見えたところで 単調な味の珈琲ばかりで
一口目は美味しくっても あとは濃いだけ
そんな珈琲ばかりの中で マスターの珈琲は
美しい虹色のように変化する 人を感動させてくれるような
そんな珈琲なんだよな。 だから私はここにきて
だから私はここに通った。 きっとここに通ってきている
他の人たちも同じだろう それほどまでにこの珈琲は
感動的で 力を持った珈琲だった
他の店ではありえない そんな珈琲とマスターと
暖かい語りの溢れる そんな店がここだった。


 たった一杯 たった一杯の珈琲だけで
そんな想いが立ちあらわれる それほどまでに
珈琲という飲物は 力を持ちうるものなのか
カフェって本当に素敵だけれど やっぱりカフェには
珈琲という飲物があるからこそ 力を持ちうる場なのかな。

 またいつ何時 あんな珈琲が飲めるのだろう
あんな味の珈琲を 当たり前に日々飲んでいた
私はなんて幸せだろう 
最近私は気付いたけれど 私はカフェに恵まれている
いい店なんて 本当に少ししかないけれど
私が住んだ これまでの場所に
いいカフェはいつも存在してた
それって本当に幸せなこと 
だからきっと 引っ越ししても
いいカフェに出会えるチャンスはあるだろう
あるといいなあ でもまたゴゴには戻ってきたい
憧れていた「行きつけのカフェ」
私も出会えた行きつけの店 それは本当にありがたい。

フランスに行くなら

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