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少し低くなったけどまだ高いハードル

2013年02月26日 00時26分04秒 | スポーツ

 トップ選手にとっては、変更を試したり調整になる大会が、下のレベルの選手にとっては大きな関門だったりする。。。

 フィギュアスケートの世界選手権は、昨季まで予選が行われていた。前回大会の成績に関わらず、どこの国・地域も1人/組は予選に出場させることができた。前回の上位(男女シングルで18位まで)に入っていた国・地域はダイレクト・エントリー(予選免除)枠をもらえるが、その枠に入れなくても予選で上位に入れば本選に出場の可能性があった。
 といっても、予選から本選に進めるのは男女シングルで通常12人。30人前後の中で12位に入るのはなかなか大変で、毎年予選敗退の選手も^^; 開会式が予選のあとだったりすると、開会式の時点でもう終わってるっていう、残念な状況が 公式記録上も、予選敗退の選手は選手権に出場したことにならないのだそうで(パーソナルベストのスコアとしては採用される)
 今季から選手権の予選が廃止された。世界選手権だけでなく、ヨーロッパ選手権、世界ジュニア選手権も廃止(四大陸は元々参加人数が少なめのため、予選の規定はあっても行われたことがなかったようだ)。予選のかわりに導入されたのがミニマムポイント(Minimum Total Technical Scores)。
 それぞれの選手権ごとに、各種目のショートプログラム/ショートダンスとフリーにスコアが設定され、ISUが主催または認定する大会でそのスコアを上回る技術点を獲得したら出場可能になる。SP/SDとフリーは別々の大会で出したスコアでもかまわない。今季と昨季の大会のスコアが対象になる。
 このミニマムポイントについては12月にも書いたけど、けっこう高く設定されている。元々参加人数の多いヨーロッパ選手権はちょうどよかったのかもしれないが、四大陸はクリアできない選手が多いんじゃないかと思ってたら案の定…男子23人女子20人とすごく少なかった。地域全体の競技レベルからすれば少しだけ設定を下げてもいいくらいだと思うが、四大陸をヨーロッパと同格の大きな大会と位置付けてるISUとしては、1点たりとも“まける”わけにいかなかったか
 この前、四大陸選手権の放送をJ SPORTSで見てたら、世界選手権のミニマムポイントについて説明していた。当初の設定が高すぎるという声があって、ヨーロッパ選手権の直後に引き下げられたんだとか。知らなかった~ あの選手やこの選手のスコアを見ては、クリアできたとかできなかったとかやきもきしてたのに^^; 変更後のスコアなら四大陸前にクリアしてる選手も何人かいたわけで、ちょっと心配して損した(笑)
 フジテレビの放送では、そんな話はしていただろうか?(ちゃんと全部見てないけど^^;) 日本勢は、そもそも全日本までにクリアしてなければ代表選考候補にすらなれないので、補欠に至るまで全員が変更前のスコアでクリアしている。だから話題にするまでもないと思われてるかもしれないが、、、
 来季のペア(高橋成美/木原龍一組)に関しては、もし今季同様のミニマムポイントが設定されたら、けっこう大変になるはず。アイスダンスで複数枠が確保できた場合も同様。四大陸に出場したオイ/水谷組、平井/アソンション組、どちらも世界選手権のミニマムポイントをクリアするには、まだちょっと遠い チーム日本に関係ない話でもないんだけど。

 選手権に出場できるかどうか、ぎりぎりの選手たちにとって、出場する国際大会はすべて予選みたいなもの。とにかく技術点!演技構成点はどうでもいい!という感じになっちゃいそう
 J SPORTSの解説・岡部さんが「演技前半で失敗があってもあきらめずに、PCSはもらいに行こう!と最後まで頑張ってほしいんですが」と言ってたが、今季に関してはそれどころじゃないかも・・・。
 現時点でのミニマムポイントはこちら。青字が再設定後のスコア。アイスダンスは変更がない。
 男子/SP:35>32 FS:65>60 女子/SP:28>26 FS:48>46 アイスダンス/SD:29 FD:39 ペア/SP:28>24 FS:45>41
 2月22日付のエントリーでチェックすると、"minimum Technical Element Score not yet confirmed"のマークがある選手がけっこういる。昨日までのチャレンジカップでクリアした選手もいるが、結局クリアできなかった選手も。日程からしてこれが最後のチャンスだったはず、、、ジュニアと掛け持ちの選手だけは、世界ジュニアがあるが
 国別に見ていくと、毎年一人は出場していた国・地域でも、もう派遣を断念しているらしいところ、まだクリアできてないけどエントリーだけはしているところ、いろいろある。かつてトップ選手が出た国でも、なかなか厳しい。
 ブラジルのルイス・マネッラ選手は世界ジュニアでクリアできるか ロビン・カズンズを生んだ英国が出場できないかも。引退したコンテスティ選手の活躍で2枠あるイタリア、2人目のパーキンソン選手がチャレンジカップでぎりぎりクリア。フィンランドのヴィルタネン、スイスのウォーカーはフリー60点はクリアしてるがSP32点があと少し
 女子では3枠のイタリアで3人目のリオ選手が苦戦、このままだと補欠選手と入れ替えられちゃう? SPはクリアしたがフリーが…。男子はベルネル、ブジェジナとそろっているチェコが女子はまだ。ペアではボロソジャル/トランコフ組のボロソジャルの母国ウクライナが難しそう。
 アイスダンスでは、四大陸で日本のリード組に次ぐ8位だったオブライエン/メリマン組が、SDだけあと0.5点!いくら出場カップルが少ないとはいえ、四大陸で一桁順位のカップルが出場できないのはあんまりという気がする。男女シングルとペアの実力からすればソチ五輪の団体出場も十分狙える中国が、アイスダンスだけ世界選手権出場が危うい。。。
 来季も同じようにミニマムポイント設定を行うんだろうか。予選は予選でやることにして、ダイレクト・エントリー(予選免除)をミニマムポイントでやったらどうかしら?
 それからずっと疑問に思ってたんだけど、ソチ五輪出場資格にミニマムポイントは設定しないのかな? 国別枠は世界選手権と来季はじめのネーベルホルン杯で決まるけど、各国が派遣する選手の決定は勝手にしていいんだろうか。国際大会の経験がほとんどない選手が急に強くなって国内選手権で勝っちゃったら、その選手を出してもいいことにする?
 選手権のミニマムポイントが純粋に人数調整のためだとしたら、人数がきっちり決まっている五輪には必要ないか。それならそれでいいけれど。


 日本がけして強くなかった時代を記憶しているので、出られるか出られないかの瀬戸際にいる選手たちも応援したくなる。
 夏季オリンピックを招致しようという国なら、自国が強い競技でも、まだまだこれからのレベルにある選手たちへの目線を持っていてほしい、と思う。


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