金曜日の午後、卒業生からLINEが来た。近くまで来ているので寄りたいと言う。大歓迎 受験関係がまだ始まってないのでゆっくり話せる。
専門学校でじっくり4年勉強して、就職が決まったとのこと。髪が短くなったり、少々恰幅がよくなったり 雰囲気は全然変わっていない。
「専門学校へ行ってから、日本語の勉強が本当に大切だとわかった」「日本人の学生と一緒の授業で、初めは何もわからなくて。録画させてもらって家で何回も見て、わからないところは次の日質問して」
「(就職の)インターンシップでもコミュニケーションが大切だった」「上司の指示に対してすぐ反応することが大事」「時間を守るとか、敬語とか、人間性を見られていた」
日本語学校に在学中は、寝坊して遅刻することもときどきあって 担任がLINEで何度も呼んだ(起こした)こともある。「もうそんなことは絶対できない」大人になった
何社かインターンシップに行ったが、なかなか決まらなかったという。最後にポートフォリオを送った会社が丁寧なフィードバックをくれて、すぐそれを取り入れて修正した作品を送ったところ、採用が決まったそうだ。
あんまりいい話なので、今の在校生に聞かせたい! ちょっと録画させてくれない?とお願いして、その場で話してもらった。
正直、日本語学校の先生の言うことは右から左に聞き流してしまう学生も少なくない。先輩の体験のほうがきっと“刺さる”んじゃないだろうか。
卒業生はそれぞれ進学・就職して忙しい毎日になるから、顔を見せてくれる機会はそれほどない。どうしているかな、と思い出すことはあるけれど。
日本語学校を卒業させるのは、種から芽が出て苗になったくらいで送り出すようなもの。彼の訪問は、小さかった苗がしっかり根を張る若木になって、花をつけている姿を見せてもらったような喜びだった。
こういうのを、教師として「冥利に尽きる」と言うんだろうな 元気が出た