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フィギュアスケート新ルール2015

2015年06月26日 22時12分53秒 | スポーツ

 毎年のように、何かしらルールの改定があって、ついていくのが大変なフィギュアスケート
 大きな変更のある年と、細かい変更だけの年とあるけど、何ひとつ変わらない年はないかも。まだまだ、理想に近づけるべく進化中の採点システムなのかな。
 今年の内容はこちら昨季設けられた低い基礎点V1・V2は、今年はV・V1と名前が変わった。基礎点より一段階低いのがV、二段階低いのがV1。

<ジャンプ>
 変更があった基礎点などはこちら。
3回転トウループ 4.1→4.3
3回転サルコウ  4.2→4.4  同V(回転不足)3.0→3.1
トリプルアクセル         V(回転不足)6.0→5.9
4回転トウループ         V(回転不足)7.2→8.0
4回転サルコウ          V(回転不足)7.4→8.1
4回転フリップ           V1(エッジエラーと回転不足)7.4→8.0
4回転ルッツ            V1(エッジエラーと回転不足)8.2→8.4
4回転以上のジャンプのマイナスGOE -1.0→-1.2、-2.0→-2.4、-3.0→-4.0

 3回転トウループと3回転サルコウは、女子が最初に3回転+3回転に挑戦するとき必須のジャンプ。3T+3Tが8.2から8.6、3S+3Tが8.3から8.7になったのは、モチベーションにつながりそう。
 トリプルアクセルの回転不足が0.1下がったことで、「浅田真央に不利になった」と書いてるメディアもあるが、0.1なんで^^; 1本にするか2本にするかは、ちょっと考えるかも。
 4回転ジャンプの回転不足は減点が小さくなったが、マイナスGOEの幅が大きくなったので、選手に有利かどうかは微妙。4回転トウループで回転は足りている場合:
昨年 10.3 -1.0→9.3 -2.0→8.3 -3.0→7.3
今年 10.3 -1.2→9.1 -2.4→7.9 -4.0→6.3
 手をつく程度のミスならそれほどの差ではないが、転倒するとかなり痛い
 回転不足だった場合:
昨年 7.2 -1.0→6.2 -2.0→5.2 -3.0→4.2
今年 8.0 -1.2→6.8 -2.4→5.6 -4.0→4.0
 なんとか着氷すれば昨年より取れるが、転倒するとやはり痛い・・・
 「高難度のジャンプ挑戦を促すねらい?」と書かれているが、回りきってコケることが多い男子にはあまりメリットがない。むしろ、少しの回転不足で着氷できそうな女子に有利だと思う。4回転サルコウに挑んで回転不足でも6点くらい取れ、さらに3回転の枠が残るから、挑戦してみる

<スピン>
・足換えなし・単一姿勢のフライングスピンで、V点が1種類のみになった(昨季のV2が今季のV1に引き継がれず、廃止された)。
・足換えなしのコンビネーションスピンに、V点が新設された。
・2姿勢のコンビネーションスピンで、基礎点が0.1~0.5程度高くなった。

 V点が適用されるのは、フライングスピン及びフライングエントランス(記号の最初にF)のスピン。「はっきりしたジャンプ」「着氷後2回転以内に基本姿勢に達し、それから2回転保持」の一つまたは両方が満たされなかった場合、低い基礎点のV点になる。
 昨季は、上記の一つが満たされないとV1、両方だとV2が適用されていたが、その区別がなくなった。
 昨季の「足換えを伴うどのスピンにも:左右の足それぞれに少なくとも一つの基本姿勢を含む」は要求されなくなった。足換えコンビネーションスピンの場合、どちらかの足で2姿勢か3姿勢を満たせば、もう一方の足は非基本姿勢だけでも、減点はされないということかな。
 足換えありのコンビネーションスピンは、2姿勢でもしっかりレベルを獲得すれば、3姿勢でレベルを取りこぼすより有利になったかも。

<ステップ>
 基礎点などに変更はなし。ステップシークエンスに認められるターンとステップの種類が絞られ、レベル特徴になるターンとステップの数が少し変わった。
(昨季)
 ターンの種類:スリー・ターン ツイズル ブラケット ループ カウンター ロッカー
 ステップの種類:トウ・ステップ シャッセ モホーク チョクトウ エッジの変更を伴うカーブ クロスロール
(今季)
 難しいターンとステップの種類:ツイズル ブラケット ループ カウンター ロッカー チョクトウ
 数えるのは各種類2回まで。レベル1=5種類 2=7種類 3=9種類 4=11種類(うち5種類は両方向)
 レベルを上げる特徴の「3つの難しいターンの組み合わせ、異なるものを2つ」は、「レベル4を取るには異なる足で行われること」が追加された。

 昨季はレベル獲得の特徴が「〇個のターンと×個のステップを含み」という定義だったが、ターンとステップを区別して数えないことになったようだ。
 ステップシークエンスを“難しい”6種類だけで構成するわけじゃないだろうから、実際にはスリー・ターンとかカーブなんかは入ると思う^^; ステップの構成は振付師の腕の見せどころになりそう。
 どちらの足でも、どちらの方向にも、きれいにステップできるのが、やっぱり評価されるのかな。
 コレオシークエンスは、基礎点など特に変更なし。

*****

 GOE確定のガイドラインでの変更がいくつか。
・ジャンプ:<印のつかない回転不足 -1が、“コンビネーション中のハーフループも含めて”となった。
・スピン:スピードが落ちる -1~-3
・スピン:拙劣なジャンプ(フライングスピン/エントリー) -1~-3
・コレオシークエンス:シークエンスをはっきりと表現できない -2~-3
・コレオシークエンス:シークエンス中にコントロールを失う -1~-3
・コレオシークエンス:音楽に一致していない→音楽を高めていない -1~-3

 昨季のガイドライン(ジャンプ)にあった「SP:規定回転数に1回転以上不足 GOE-3」が、今季はなくなっている。
 考えてみれば、回転数が規定に足りないジャンプは、そもそも無効0点になってしまうので、単独ジャンプとアクセルに関しては意味がなかった。でもコンビネーションは?
 3-2以上が要求されるシニアとジュニア男子で2-2を跳んだとき、基礎点の低い方だけ無効になる。例えば2回転ルッツ+2回転トウループなら、トウループが無効になってルッツの基礎点は残る。
 昨季のJGPシリーズから、男子SPのジャッジスコアをいくつか見てみると、2-2や3-1になってしまったジャンプは、ジャッジ全員のGOEが-3になっていた。これは「規定回転数に1回転以上不足」の扱いだろうか。
 とすると、今季はその項目がないわけだから、クリーンな2-2はGOEでマイナスをつけなくてもいい? 2回転でもGOEで引かれなければ、0.5か0.6多くもらえる。3-1、あるいは第1ジャンプだけパンクした1-3だったら、1回転が無効になっても3回転の基礎点がまるごと残れば、2点以上違ってくる。
 この解釈が正しければ、態勢が崩れたとき無理しない方が有利になる可能性も? 第1ジャンプで3回転が跳べた場合、第2ジャンプの2回転が回転不足やダウングレードになると、3回転のGOEで引かれてしまう。3-1なら1回転は無効だが、ほかにマイナス要素がなければ若干お得?!
 (第1ジャンプが2回転になってしまった場合は、回転不足やダウングレードになっても第2ジャンプは3回転を跳んだ方が、GOEマイナスされてもやはり高得点。)
 ジュニアでは、SPの単独ジャンプはシーズン毎の課題ジャンプしか跳んではいけない。コンビネーション予定を単独にしたり、単独予定をコンビネーションにすることができないから、コンビネーションのGOEマイナスが少なければ多少ありがたい、かな
 本当にこの解釈でいいのかどうかは不明 「SP:1つのジャンプのみからなるコンボ」は今季も-3なので、2つのジャンプのうち1つが無効になったコンビネーションは、「1つのジャンプのみからなるコンボ」と見なすかも? 大会で実際にどう運用されるか、要確認

 実際の得点に大きな影響はないかもしれないが、ガイドラインに「最終的なGOEが必ずマイナスとなるエラー」「最終的なGOEの+-は制約されないエラー」の区別がなくなった。
 ジャッジは「これはマイナスにしなくてはいけないかどうか」をいちいち考えずに、プラスとマイナスの要件だけで決めればいいことになる。負担が軽くなるのかも

 「テクニカルパネル・ハンドブック」などが出たら、またあらためて。


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