フィギュアスケート・グランプリファイナル2016、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
ハヴィエル・フェルナンデス(スペイン) SP:91.76(3)
「マラゲーニャ」♪ 黒。いつものきりっとしtポーズから、軽々とトウ・トウ4-3。4回転サルコウは傾いたが驚異的な粘りでこらえる。しかしトリプルアクセルは、ステップアウトから後ろに両手をついてしまい、、、転倒扱いとなった。
美しいフライングアップライトスピンのクロスフット、フラメンコそのもののステップ。見ごたえのあるプログラム。
パトリック・チャン(カナダ) SP:99.76(2)
「Dear Prudence」「Blackbird」ビートルズ♪ 黒シャツにサスペンダー。伸びやかなスケーティングで、トウ・トウ4-2、トリプルアクセルとスムーズ。どの一歩も明確で音に乗っているステップ、安定した姿勢のスピン。単独ジャンプは3回転ルッツ。しっかりまとめてきた。
さりげなく、自己ベスト更新
宇野昌磨 SP:86.82(4)
「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー」♪ 紫のシャツと濃い紫のパンツ。しっかり氷をとらえながら、4回転フリップを決める。4回転トウループで転倒、コンビネーションにできなかった。しかしイーグルからのトリプルアクセルはきれいにクリムキンイーグルにつなげる。
丁寧にステップを踏んでいったが、戻ってきたとき少し足が痛そうだった。
ネイサン・チェン(アメリカ) SP:85.30(5)
「海賊」♪ 黒レース。キレのいいスケーティングから、ルッツ・トウ4-3を間にターンが入ったが下りる。4回転フリップは転倒、トリプルアクセルはぴしっと入った。テンポが速くなっていく曲にのって、シャープにステップを踏む。バレエらしい動きが曲によく合っている。
アダム・リッポン(アメリカ) SP:83.93(6)
「Let Me Think About It」♪ 黒タンクトップ。笑顔を浮かべてポーズを決めると、フリップ・トウ3-3から。クロスロールで肩をそびやかして観客がきゃあきゃあ トリプルアクセルはこらえたが、両手上げ“リッポン”ルッツを美しく決めた。
ノーミスでまとめて、手を叩いて喜ぶ。なんといっても、初出場のファイナル
羽生結弦 SP:106.53(1)
「レッツ・ゴー・クレイジー」プリンス♪ 紫にベスト。しゃきっと前を向いて位置につく。一歩を大きく伸ばしながらスピードに乗って、イーグルから4回転ループ、こらえて下りた サルコウ・トウ4-3鮮やか トリプルアクセルは着氷からそのままフリーレッグをキックして見せる。あとはノリノリのステップを踏んでいくだけ。しっかり観客にアピールして、“コネクト”できていた。レベル4に満点加点の2.1をゲット
ループでこらえた分が「あとちょっと」ポーズ とはいえ、シーズンベスト更新でまた100点台にのせた。
結果、ただ一人100点台の羽生がトップ、2位にパトリック・チャン、3位にフェルナンデス。4位以下も80点台で、宇野、ネイサン・チェン、リッポンと続いた。
「氷が柔らかい」という報道があったが、選手たちは少しジャンプに苦労しているように見える。ジュニア女子でもクリーンに全部ジャンプを決められた選手が少なかったし・・・。シニア女子ではどうだろうか。
このあとも楽しみなファイナル
フィギュアスケート・ジュニアグランプリファイナル2016、女子ショートプログラム(ジャッジスコア)。映像はYouTube公式チャンネルから。
残念ながら、本田真凜選手はインフルエンザにかかったため棄権。
紀平梨花 SP:54.78(5)
ラヴェル「ツィガーヌ」♪ 透明感のある赤。軽やかなダブルアクセルから、回転が早く姿勢の美しいレイバックスピンで沸かせる。3回転ルッツで転倒、惜しい しかしループは丁寧に下りた。
ストリングスの響きによく合わせた動きのステップでも、しっかり表現。
坂本花織 SP:64.48(2)
「アーティスト」♪ 白黒、フリンジスカートが可愛い。なめらかなループから入り、こちらも一つ一つの姿勢が丁寧なレイバックスピンで拍手をもらう。後半のフリップ・トウ3-3、さらっと跳べるダブルアクセル。アップテンポのパートでしっかり体を動かして元気よくステップを踏む。全体にスピード感があってよかった。メイクも上手になったかな
アナスタシア・グバノワ(ロシア) SP:60.30(3)
サン=サーンス「白鳥」♪ ミントブルー。柔らかく滑り出してダブルアクセル。バレエのレッスンをみっちりやっていると思われる、きれいな所作を随所に見せる。キャメルスピンの姿勢に工夫があり、ビールマンでエッジと靴の甲あたりを持つのも特徴。コンビネーションスピンも姿勢変化が素早くてよかった。ルッツの転倒は残念。
エリザヴェータ・ヌグマノワ(ロシア) SP:58.34(4)
「マラゲーニャ」♪ 黒に赤をあしらう。柔軟性を生かして、Y字バランスなどを織り交ぜる。ルッツで転倒したが、連続ターンからのループは両手上げできれいに決まった。ダブルアクセルも手を上げて鮮やか。プログラムの雰囲気は違うけど、グバノワとタイプは似てるかな。
アリーナ・ザギトワ(ロシア) SP:70.92(1)
リムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」♪ 水色。エキゾチックなメロディで滑り出し、回転の速いキャメルスピンから。しなやかな動きでステップを踏み、ルッツ(両手上げ)・トウ3-3、スパイラルから両手上げ3回転ループと危なげない。ダブルアクセルは着氷からそのままY字姿勢スパイラル。
堂々たる演技でベストを更新した。
結果、ザギトワがトップに立ち、坂本が2位につけた。3位グバノワ、4位ヌグマノワ、紀平は5位スタートとなった。
坂本選手には優勝を狙ってほしい!紀平選手もフリーで巻き返して~
フィギュアスケート・ジュニアグランプリファイナル2016、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。映像はYouTube公式チャンネルから。
ロマン・サヴォシン(ロシア) SP:72.98(3)
「Bella Ciao」♪ 白シャツに水色のスカーフ。しばらく見ないうちに背が伸びたかも。スムーズなトリプルアクセルにルッツ・トウ3-3、躍動感のあるステップで自然と手拍子が起こる。終盤の3回転ループもきちんと入った。スケーティングもしっかり伸びていた。少しだけどベスト更新。
イリヤ・スキルダ(ロシア) SP:68.31(6)
「Mr. Bojangles」♪ 紫のシャツにサスペンダー。軽やかにスピンでビールマンから。アコースティックギターと穏やかなボーカルにのせて、軽快に滑る。後半にルッツ・トウ3-3、3回転ループ、ダブルアクセルと立て続けに決めた。
まだ細かいところが粗いけれど、14歳としては立派なもの。
ドミトリ・アリエフ(ロシア) SP:81.37(1)
「Oblivion」アストル・ピアソラ♪ ワインカラーのシャツ。非常に滑らかな着氷のトリプルアクセル。しっかりと深いエッジに乗って、きれいなトレースを描くスケーティングはもうシニアに近い。ルッツ・トウ3-3、ループと流れの中で決めた。着氷姿勢の美しさや全体の完成度が素晴らしい。
ベスト更新!
チャ・ジュンフアン(韓国) SP:71.85(4)
「コーラスライン」♪ 黒シャツ、黒手袋。ミュージカルの場面のようにしっかりポーズを決めながらスタート。冒頭のルッツでステップアウトしてコンビネーションにできなかった ターンからトリプルアクセル、ウォーレイとターンからループは着氷してすぐイーグルとしっかりアピールする。
スピンのキャメルやヘアカッター姿勢で軸足の膝がまっすぐ伸びているのが美しい。しっかり楽しみながらステップを踊りきったところは、将来性を感じさせる。
アレクサンダー・サマリン(ロシア) SP:81.08(2)
「Come With Me Now」♪ グレー系のボーダー。高さのあるトリプルアクセル、動きのキレがいいステップでロックばりばり。ループ、終盤のルッツ・トウも勢いよく決めた。シットスピンも安定感がある。全体に力強いプログラム。ベスト更新。
アレクセイ・クラスノジョン(アメリカ) SP:71.48(5)
ショパン「別れの曲」♪ 白グレー黒のグラデーション。シンプルなピアノの音を丁寧に表現していく。ウォーレイなどからの3回転ループがカッコいい。トリプルアクセルは惜しいステップアウト。曲が激しくなっていくパートでステップ、さらに加速してルッツ・トウ3-3。
ステップの振付がもう少し音とリンクすると、もっと見栄えがするのかな。
結果、アリエフがトップに立ち、僅差でサマリン、3位にサヴォシンとロシア勢が上位につけた。チャ・ジュンフアンは4位、5位クラスノジョン、6位スキルダ。
1位2位と3位以下は8点9点差がついているが、4回転が許されるフリーでは何があるかわからない。さて、どうなる