フィギュアスケート・全米選手権2016、男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
1 エリック・スティンハート SP:49.11(17) FS:92.39(19) 合計:141.50(19)
「Overture to the New Picaso」♪ ルッツ・トウ3-2、フリップ、単独ルッツと頑張る。ダブルアクセルはかなり傾いたけど着氷。後半単独で3回転トウループ予定が2回転になり、3つ目の2回転トウループで無効0点になってしまった。サルコウ・ループ・フリップ3-1-2などもなんとか。
一生懸命、最後まで演じきって、満足げ。
2 カラン・オイ SP:48.66(18) FS:101.40(18) 合計:150.06(18)
「A Promise to Return」♪ 最初の要素がステップシークエンス、続いてダブルアクセル。フリップで転倒したが、ループ・トウ3-2やルッツ・ループ・サルコウ3-1-2などをなんとか。後半ルッツ・トウ3-3、ループ、サルコウと続けて決める。後半のほうがジャンプはよかった。
スピンはあまりスピードがないかも^^;
3 ロバート・プルセピオスキ SP:49.38(16) FS:111.16(16) 合計:160.54(17)
「Proud of Your Boy」♪ あまり助走をつけずにすっと3回転サルコウをまず跳んだ。ステップのあと、フリップ・トウ3-2はトウループで両手上げ。ルッツ・ループ3-2は間にターンが入ったが着氷。ダブルアクセル+ループ+2回転サルコウは幅があって迫力。
気持ちよさげに、伸び伸びと滑っていた。フラワーガールたちと肩を組んで記念撮影したり、大会を楽しんでいる 全米でのベスト更新。
4 ベン・ジャロヴィク SP:48.16(19) FS:119.17(12) 合計:167.33(15)
「アバター」♪ 冒頭のアクセルはトリプル予定がダブルに。ルッツ・ループ・サルコウ3-1-3、フリップ(エッジエラーe)・トウ3-2と着氷。ステップのあと、ルッツ、ループ・トウ3-2、単独ループと決まって、ジャンプは大きなミスなし。セカンドの2回転トウループは片手上げで跳んでいる。
わりと静かな曲で淡々とした感じだが、雰囲気はわりと出せていたかな。得点にガッツポーズ。
<G2>
5 セバスチャン・ペヤネット SP:56.10(14) FS:116.58(14) 合計:172.68(14)
「ピアノ協奏曲第1番」チャイコフスキー♪ ルッツ、フリップ、サルコウ・トウ3-2と決めて波にのる。トウ・ループ・サルコウ3-1-2は決まったが、コンビネーションは2つのみになってしまった。
丁寧なスピン、細かいところまで気を使っている動きに好感がもてる。
6 ジミー・マー SP:51.95(15) FS:109.68(17) 合計:161.63(16)
黒と白のツートンカラー。最初に4回転トウループに挑んだがダウングレード。決まったジャンプはけっこう高さもあるが、1回転になってしまったジャンプもあって、出来は安定しなかった。
ステップシークエンスの途中で転倒したのが痛かった
7 スコット・ダイアー SP:59.67(12) FS:122.43(11) 合計:182.10(11)
「ニュー・シネマ・パラダイス」♪ 美しい3回転トウループから。トリプルアクセル+2回転トウループはアクセルが回転不足判定。2本目のアクセルはシングルになってしまった。
「ジャンプの前に構えすぎ。よい姿勢を保とうとするのが、かえって固くなってしまっている」と杉田氏。
回転の速いスピンをぴたっと止めて次にいくところがいい。
8 ダニエル・クレンカンプ SP:56.97(13) FS:130.37(9) 合計:187.34(10)
フランク・シナトラ・メドレー♪ ドレスシャツにネクタイ。冒頭のトリプルアクセルが両足着氷になった以外は、ルッツ・トウ3-3、後半にもルッツ・トウ・ループ、その他の3回転ジャンプもきっちり決まった。
歌詞の雰囲気に合わせていい感じに踊り、音とジャンプ前のターンやスピンのウィンドミルがぴったり合ったり、気持ちいいプログラム。終わってすごく嬉しそうだった
9 エマニュエル・セイヴァリー SP:62.96(11) FS:116.36(15) 合計:179.32(13)
「Reveil」♪ シルク・ド・ソレイユの曲で、カラフルなピエロ風の衣装。冒頭の4回転サルコウで転倒、トリプル予定のアクセルがダブルに。フリップ・トウ3-3はセカンドで両手上げで決めたが、後半スピードが落ちてしまった。
<G3>
10 ショータロー・オオモリ(大森勝太朗) SP:63.82(10) FS:117.67(13) 合計:181.49(12)
「ノクターン」ショパン♪ ワインカラーのカットソーにグレーのパンツ。トリプルアクセルになんとか1回転トウループをつける。フリップ、サルコウ、ダブルアクセルと決めた前半。
しっとりした曲調で、丁寧にステップを踏んでいく。後半ループで転倒、サルコウ・トウ3-3は着氷が少し乱れた。
柔らかな身のこなしはなかなか素敵なんだけど、ジャンプの調子は今ひとつ。
11 ショーン・ラビット SP:66.71(9) FS:125.92(10) 合計:192.63(9)
「F調の交響曲」ガーシュイン♪ スパイラルから跳んだルッツが2回転に、トリプルアクセル転倒。フリップも2回転に。しかし後半持ち直し、フリップ・トウ3-2やサルコウ・トウ3-3、ダブルアクセル+2回転トウループ+2回転ループが決まる。
長いイーグルで魅せるコレオシークエンスなど、後半どんどん盛り上った。
12 ヴィンセント・ジョウ SP:68.10(8) FS:149.13(8) 合計:217.23(8)
「ゴッドファーザー」♪ 軸の細いトリプルアクセル+3回転トウループを下り、4回転サルコウ2本に挑戦、1本は乱れたが1本は巧く決める。後半のルッツ(両手上げ)・ループ・サルコウ3-1-3など、予定のジャンプは全部着氷。
映画の雰囲気をしっかり表現する意識のコレオシークエンス、しっかりしたスピンでフィニッシュすると、顔を覆って喜んだ。
キス&クライで膝に乗せてるのは、ど~もくん
13 グラント・ホクスタイン SP:79.26(6) FS:173.58(4) 合計:252.84(4)
「レ・ミゼラブル」♪ 「彼を帰して」の曲から。冒頭の4回転トウループはフリーレッグをついてしまったが、トリプルアクセル+2回転トウループ、後半にも単独トリプルアクセルがきれいに決まる。ルッツ・ループ・サルコウ3-1-3や3-2も入り、フリップが2回転になったのが唯一のミス。
スピンの姿勢と回転の安定感、「One Day More」の歌の掛け合いを表すような力強いコレオシークエンス。素晴らしい出来
14 アレクサンダー・ジョンソン SP:73.69(7) FS:168.25(5) 合計:241.94(6)
ラベンダーっぽい衣装。トリプルアクセル+2回転トウループ、単独トリプルアクセルと立て続け。ルッツ・ループ・サルコウ3-1-3も鮮やか。しなやかに大きく身体を使うステップ、スパイラルからダブルアクセル+3回転トウループと素敵。3回転サルコウでステップアウトしたのが惜しい。
得意なのか、つなぎで何度かスパイラルを見せる。滑走姿勢や動作だけでも見ていてきれいな選手
<G4>
15 ティモシー・ドレンスキー SP:80.01(5) FS:156.12(7) 合計:236.13(7)
「ショパンのテーマによるオーケストラ変奏」♪ 冒頭のトリプルアクセル+3回転トウループで、セカンドの着氷で乱れた。後半の単独トリプルアクセルなどはきれいに入る。
フライングコンビネーションスピンで、キャメル姿勢が安定せず、その後もかなりトラベリングしてしまった。
16 ネイサン・チェン SP:86.33(4) FS:180.60(2) 合計:266.93(3)
「交響曲第3番」サン-サーンス♪ ブルーのシャツの裾を翻しながら滑り出し、サルコウ・トウ4-2、4回転サルコウといきなり!おまけに4回転トウループ!
ジャンプが決まれば、元々完成度が高いスケーティングやスピンで魅了していく。後半にも4回転トウループが入り、唯一のミスはトリプルアクセルの転倒。
最後のスピンでもうスタンディングオーベーション 技術点は100点越え。
17 マックス・アーロン SP:91.83(1) FS:177.72(3) 合計:269.55(2)
「ブラック・スワン」♪ 直前に凄い演技があっても落ち着いていた。サルコウ・トウ4-3、トリプルアクセル+2回転トウループと決まる。後半の4回転サルコウ、トリプルアクセルはちょっと着氷で傾いたがこらえる。
以前よりしっかり踊れるようになって、バレエの動きをきれいに見せている。終盤はダブルアクセルなど比較的容易なジャンプが中心だが、いい感じに盛り上がった。本人も納得の表情でフィニッシュ。
18 アダム・リッポン SP:88.01(3) FS:182.74(1) 合計:270.75(1)
ビートルズ・メドレー♪ 透ける生地のパープルに軍服風の飾りの衣装。4回転ルッツに挑んで転倒、トリプルアクセル+2回転トウループは決まった。両手上げの3回転ルッツが決まれば、「ゲット・バック」で軽快にステップ。目の覚めるようなトリプルアクセル、ルッツ・トウ3-3も決まる。
「サージャント・ペパーズ・ロンリーハーツクラブバンド」のコレオシークエンスで活き活きと踊る。めっちゃカッコいい~ 終わって顔を覆って喜んだ。
19 ロス・マイナー SP:90.90(2) FS:157.11(6) 合計:248.01(5)
「Too Much Love Will Kill You」「Who Wants to Live Forever」クイーン♪ 冒頭の4回転サルコウは片手をつき、トリプルアクセルがシングルに ルッツなどもちょっと傾いたり、SPのときほど精彩がなかったか・・・
曲のサビでリンクいっぱいに使うイーグルとか、プログラムとしては素敵なのに、惜しかった。
結果、アダム・リッポンの全米初優勝 2位マックス・アーロン、3位ネイサン・チェン、4位にグラント・ホクスタインが入った。ロス・マイナーが5位、アレクサンダー・ジョンソン6位、ティモシー・ドレンスキー7位。ヴィンセント・ジョウが200点越えで8位。
まれに見る接戦、見ごたえのある試合だった
女子フリーを先にアップしちゃったけど^^;
フィギュアスケート・全米選手権2016、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
<G1>
1 アレクサンダー・ジョンソン 73.69(7)
「Transe」♪ 独特の曲で1番滑走。トリプルアクセルは着氷が乱れ、フリップ・トウ3-3は着氷したがあまり流れなかった。ルッツは転倒。
キャメルスピンの姿勢などは解説・杉田秀男さんにほめられていた。
2 ベン・ジャロヴィク 48.16(19)
「Absurdity」♪ 初出場。高さのあるダブルアクセルから。フリップ(エッジエラーe)・トウ3-2は余裕をもって下りたが、後半のルッツはダウングレードで転倒になってしまった。
ステップは「体があまり巧く使えていない」と解説・杉田氏。
3 エマニュエル・セイヴァリー 62.96(11)
「Viejos Aires」♪ 18歳初出場、アフリカ系の選手。4回転サルコウに挑み、着氷で沈みこんで手をついた。アクセルはダブルになって乱れたが、フリップ・トウ3-3はセカンドで頑張って両手上げ、下りた瞬間白い歯を見せてにっこり。
しなやかできびきびした動きでタンゴを表現。伸びそうな選手
4 ネイサン・チェン 86.33(4)
マイケル・ジャクソン・メドレー♪ 今季のジュニアグランプリファイナルを制した期待の若手が登場。4回転サルコウはオーバーターン、トウ・トウ4-3を見事に決める。MJ!という感じの振付で踊るステップ、トリプルアクセルは片手をついた。
フライングシットスピンでレベル1のV判定になったのは、フライング姿勢が不十分だったのか、着氷後2回転以内にシット姿勢になれなかったのか? ジャンプより、こういう点を細かく解説してほしいところ。
本人とコーチは得点に満足そう、ハイタッチを交わしていた。
<G2>
5 ジミー・マー 51.95(15)
「Tsunami」♪ 喉元に翡翠、レース系の衣装。冒頭のアクセルはダブルに、ルッツ・トウ3-3は幅と流れがあった。後半のフリップが1回転に
ステップの途中で両膝をついてしまう(転倒扱い)ミス。勢いはあったけど。
6 セバスティアン・ペヤネット 56.10(14)
「ロミオとジュリエット」♪ 丁寧なダブルアクセルから。シットスピンはしっかり回転数を多く回ってレベルを得る。ルッツ転倒、サルコウに2回転トウループをつけた。
7 グラント・ホクスタイン 79.26(6)
「Due Tramonti」♪ 柔らかな曲調にのって滑っていく。4回転トウループ転倒、トリプルアクセルは鮮やか。ルッツ・トウは3-2に。「ジャンプで回転しようと上体に力が入り、肩が上がって首が絞まるような状態」と解説・杉田氏。
ステップは緩急もあってなかなかよかった。
8 ヴィンセント・ジョウ 68.10(8)
「Crystallize」♪ ジュニアグランプリファイナル4位の15歳。軸の細いトリプルアクセルを決め、イーグルから4回転サルコウを跳んだがダウングレード。後半のルッツ・トウ3-3はルッツで両手上げ、自信を持って跳んでいる。
「(表現で)首や手は動いているが、もっと身体全体を使えるようになるといい」と杉田氏、なるほど・・・
9 ロス・マイナー 90.90(2)
「ニューヨークの想い」ビリー・ジョエル♪ なめらかな3回転フリップ、トリプルアクセルと完成度の高いジャンプ。音楽と一体化しながら、ちょっとした仕草がおしゃれなステップが素敵。キャメルスピンにはラウンジポジションから、フライングシットスピンに入るジャンプも工夫があり、ステップとスピンは全てレベル4。
後半ルッツ・トウ3-3はルッツでやや傾いたが、頑張ってセカンドにつなげてGOEはプラス1.0をゲット。終盤曲が盛り上るところでバレエジャンプからイーグル、カッコいい
SPで90点台は自身初。地元ボストンで開催の世界選手権に出場するチャンスがあるかも
<G3>
10 エリック・ステインハート 49.11(17)
「Homecoming」♪ こんな名前だけど、ルックスはアジアっぽい。慎重にルッツ・トウ3-3を決め、フリップとダブルアクセルはまあまあ。ステップシークエンスの間、腕が両側に広がってバランスを取りながら滑っている感じ。
怪我で欠場のジョーダン・モイラーに代わって出場のチャンスを得た18歳。
11 ショーン・ラビット 66.71(9)
「サムソンとデリラ」♪ 羽生結弦が出場していたスケートカナダ・オータムクラシックで3位だった選手。フリップ・トウ3-3を決めたが、トリプルアクセルで転倒。ルッツは問題なし。
長身を大きく使って、ダイナミックに活き活きとステップを踏んだ。途中で入れるダンス系のジャンプがカッコいい。
12 ティモシー・ドレンスキー 80.01(5)
「ニュー・シネマ・パラダイス」♪ 鮮やかなブルーのVネック。トリプルアクセルで軸が傾いたが頑張って着氷、フリップ・トウ3-3とルッツも少しこらえたが大丈夫。スケーティングがよく滑っていて、スピンとステップは全部レベル4を獲得。自己ベストを大きく更新した模様。
13 カラン・オイ 48.66(18)
こちらも鮮やかなブルー。妹はアイスダンス日本代表で水谷太洋と組んでいたブリナ・オイ。アクセルはダブル、3回転フリップの後ターンが入ったが2回転トウループをつけ、3回転ループは決まった。
マサチューセッツ工科大学進学でスケートから離れ、イエール大学の博士号も取得。今は自分でフィギュアスケート採点システムを効率化する会社をやっているそうな
<G4>
14 ダニエル・クレンカンプ 56.97
トリプルアクセル転倒、ルッツがダブルに 3回転フリップはきれいに入ったが、コンビネーションなしという結果に。上半身をしなやかに使ったステップはなかなかよかった。振付はダグラス・ラザノ。
15 スコット・ダイアー 59.67(12)
「アディオス・ノニーノ」「ラ・クンパルシータ」♪ 黒シャツにサスペンダー。トリプルアクセルを下りたが回転不足、ルッツ・トウは3-2に。タンゴに乗ってキレのいい動きのステップはレベル4をもらった。
16 ショータロー・オオモリ(大森勝太朗) 63.82(10)
「Your Song」♪ 両親とも日本人、2013年世界ジュニア銅メダルの選手。振付はジェレミー・アボット。
トリプルアクセルをなんとかこらえ、フリップ・トウ3-3、ルッツと頑張った。歌詞の世界を気持ちをこめて表現するステップ。久々に試合で滑る姿を見た。
17 ロバート・プルゼピオスキ 49.38(16)
「Saturday Night」フランク・シナトラ♪ 白シャツにほどいたボウタイ。ステップの一部のようにダブルアクセルから。ルッツ・トウ3-2はルッツでややバランスを崩したが頑張る。フリップでは両手をついてしまった。
スピンはちょっとレベルが取れてないが、表外ジャンプを織り込んだステップが楽しい。
18 マックス・アーロン 91.83(1)
「誰も寝てはならぬ」♪ 今日もピタピタのパンツ。すんなりスピードにのって、サルコウ・トウ4-3を鮮やかに決めた トリプルアクセルはオーバーターンしかかったが、うまく抑えた。ルッツは軽々。
ステップはあまり一歩が伸びてない感じだったが、パヴァロッティのボーカルに負けてない表現ができている。
19 アダム・リッポン 88.01(3)
「Who Wants To Live Forever」クイーン♪ 今日は4回転ルッツ挑戦はせず。ルッツ・トウ3-3はルッツで傾いてしまい、セカンドはステップアウト。トリプルアクセルと後半フリップは問題なし。
しなやかな動きのステップやスピンは見惚れてしまう。
結果、マックス・アーロンがトップ、2位にマイナー、3位リッポン、4位チェン。1位から4位までは5.5点の中に入っているので、フリーの出来次第で順位が大きく変わる可能性もありそう。
さて、どうなる