語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【詩歌】親をにらむと鰈になるぞ

2015年05月15日 | 詩歌
 親をにらむな
 親をにらむと鰈になるぞ
 ある日あるとき
 栄蔵は
 ちょっとだが親をにらんでしまった。
 それで
 海辺の岩の上にうずくまって
 冷たい海の水の中で
 ひとりさびしく泳がねばならんと思うて
 しくしく泣いて
 しくしく泣いて 日が暮れて
 海の中から
 魚の声がした。

 --鰈もいいよ。

 大きくなって だから
 良寛は
 詩人になった。

□天野忠「鰈」(『私有地』(編集工房ノア、1981)
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 【参考】
【詩歌】猿飛佐助の一日
【詩歌】「知己」またはヤマアラシ症候群の事
【詩歌】長生きの象 ~「あっち」へ行く道~
【詩歌】山を泣きながら歩いている者 ~東洋の神秘~
【正月】日本のケストナー、天野忠の「新年の声」





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